『僕のヒーローアカデミア』における絶対的な”平和の象徴”、オールマイト。
彼の圧倒的な強さの源である個性について、多くのファンが関心を寄せています。
オールマイトの個性は、その詳細や多彩な必殺技、そして規格外の超パワーで見る者を魅了しますが、その本質は非常に複雑です。
物語を読み進める中で、彼の元々の個性が何であったのか、そして師匠からの個性 継承という背景が明らかになります。
また、特徴的なマッスルフォームと個性の関係性や、デクに発現した個性 複数との違い、オールマイト自身が歴代の個性を使えない理由など、多くの謎が存在します。
しかし、物語は衝撃的な展開を迎え、オールマイトの個性なくなるという事態に直面します。
この喪失を受けて、ファンの間ではキーパーソンであるエリちゃんの能力に注目が集まり、エリちゃんによる個性復活は可能なのか、という議論が今なお活発に交わされています。
この記事では、オールマイトの個性に関するあらゆる疑問に迫り、その本質から喪失の経緯、そして未来の可能性までを徹底的に解説していきます。
- オールマイトの個性の正体と継承の仕組み
- 圧倒的な強さを支える必殺技とマッスルフォームの秘密
- 個性を失った経緯と歴代の個性を使えない理由
- エリちゃんによる個性復活の可能性と今後の展開

オールマイト 個性の正体と圧倒的な強さ
- オールマイトの元々の個性は無個性だった
- 個性を授かった師匠の存在
- 受け継がれてきた個性 継承の仕組み
- 規格外の個性:超パワーによる戦闘スタイル
- 個性の詳細とオールマイトの必殺技
- マッスルフォームと個性の関係性
オールマイトの元々の個性は無個性だった
平和の象徴として、長年にわたり絶対的な力で社会に君臨してきたオールマイト。その輝かしい功績から、彼は生まれながらにして特別な力を持つ”ナチュラルボーンヒーロー”だと思われがちです。しかし、驚くべきことに、彼の原点は物語の主人公・緑谷出久と同じ「無個性」でした。
彼が青春時代を過ごした頃の社会は、”個性”という超常能力の出現による混乱の渦中にあり、現代以上にヴィランによる犯罪が日常を脅かしていました。法整備もヒーローシステムも未熟で、多くの人々が怯えながら暮らす暗い時代だったのです。
若き日のオールマイト、本名・八木俊典は、そんな世の中を憂い、「皆が笑って暮らせる世の中にするためには、悪の心を挫くほどの圧倒的な”平和の象徴”が必要だ」という、青臭くも純粋な理想を抱いていました。無個性である自分には、ヒーローとしての役割がないと自覚しながらも、その理想を諦めることはありませんでした。
この「自分には力がない。だからこそ、自分がならなければならない」という強い意志と、そのために弛まぬ努力で鍛え上げた強靭な肉体こそが、彼の持つ最大の資質でした。後にワン・フォー・オールの継承者として選ばれることになりますが、その根底にあったのは、生まれ持った能力ではなく、社会を憂い、人々を救おうとする不屈のヒーロー精神だったのです。この事実は、ヒーローの本質が能力の有無ではなく、その「心」にあるという『僕のヒーローアカデミア』の根幹的なテーマを象徴しています。

元々“個性”がなくても、あないなすごいヒーローになれるんやな。やっぱり大事なんは心の強さっちゅうことか。ほんま、尊敬しかないわ。
個性を授かった師匠の存在
◤ #ヒロアカ 7期最終回
— 僕のヒーローアカデミア/ヒロアカ アニメ公式 (@heroaca_anime) October 12, 2024
今日夕方5:30放送!! ◢
『僕のヒーローアカデミア』7期
最終第21話(No.159)「"個性"無き戦い」
▶https://t.co/HdUslN6kZl
若かりし日のオールマイト。
その師匠・志村菜奈との出会い――。
予告▶https://t.co/iEk1IX2gRG#heroaca_a pic.twitter.com/FegmzduXbz
無個性でありながらヒーローを目指す八木俊典の運命を大きく変えたのが、彼の師匠である志村菜奈(しむら なな)との出会いです。彼女こそ、ワン・フォー・オールの7代目継承者であり、オールマイトにその力を託した先代のヒーローでした。
志村菜奈は、友人であったプロヒーロー「グラントリノ」と共に活動しており、その中で八木俊典の類まれなる正義感と、平和の象徴となり得る器の大きさを見出します。そして、彼こそが次代に希望を託すにふさわしいと判断し、自身の個性「ワン・フォー・オール」を継承させることを決意しました。
しかし、彼女がオールマイトに与えたものは、単なる力だけではありません。彼女の「どんなに怖くても、辛くても、笑顔で人々を安心させるのがヒーローだ。世の中、笑ってる奴が一番強い」という教えは、オールマイトのヒーロー像そのものを形成しました。彼が常に笑顔を絶やさないのは、この師匠の教えを忠実に守り、人々の不安を取り除くと同時に、自らの重圧を乗り越えるためでもあったのです。
志村菜奈は、オールマイトが雄英高校に在学中、宿敵オール・フォー・ワンとの戦いで命を落とします。師の死は、オールマイトに深い悲しみと、オール・フォー・ワンへの消えない憎しみを刻みつけました。彼女の意志を継ぎ、彼女が夢見た平和な世を実現することこそが、オールマイトの生涯をかけた使命となったのです。

ええ師匠に巡り会えたんやなぁ。志村さんの『笑顔』の教えがあったからこそ、あの最高のヒーローが生まれたんや。ええ話すぎて、ちょっとジーンとくるわ。
受け継がれてきた個性 継承の仕組み

オールマイトが師匠から受け継いだ個性「ワン・フォー・オール」は、数ある個性の中でも極めて特殊な存在です。この個性は、二つの異なる能力が融合して生まれた奇跡の力でした。
ワン・フォー・オールの起源
その始まりは、”個性”が発現し始めた黎明期に遡ります。悪の支配者として君臨したオール・フォー・ワンには、病弱で正義感の強い弟がいました。弟は、兄の悪行を止めたいと願いながらも、自分は「無個性」だと思い込んでいました。しかし、実際には彼には「個性を他者に与える」という、それ単体では意味をなさない個性が宿っていたのです。
兄であるオール・フォー・ワンは、弟を支配下に置くため、無理やり「力をストックする個性」を与えました。この時、二つの個性が弟の体内で融合し、「力をストックし、その力ごと他者へ譲渡する」という全く新しい個性、ワン・フォー・オールが誕生したのです。
継承のルール
この個性の継承には、厳格なルールが存在します。
- 譲渡の意志: 継承者が「この人に力を譲る」と心から決めること。
- DNAの摂取: 被継承者が、継承者のDNA(作中では髪の毛や血液)を体内に取り込むこと。
この二つの条件が揃って初めて、個性は次の世代へと受け継がれます。譲渡の意志がなければ、たとえDNAを摂取しても力は移りません。この仕組みがあったからこそ、ワン・フォー・オールは悪の手に渡ることなく、正義を志す者たちの間で、聖火のように受け継がれてきたのです。オールマイトはこの力の8代目継承者として、歴代のヒーローたちが培ってきた膨大な力をその身に宿し、平和の象徴へと駆け上がりました。

なるほど、聖火みたいに受け継がれてきた力なんやな。ただのパワーやなくて、いろんな人の想いが詰まってるんか。そら、強いわけや。
規格外の個性:超パワーによる戦闘スタイル
ワン・フォー・オールを完全に宿したオールマイトの力は、まさに「規格外」であり、「超パワー」そのものです。彼の戦闘スタイルは、小細工を一切弄さない、圧倒的な身体能力を活かした真正面からの攻撃を主体とします。
そのパワーは、もはや人間の領域を遥かに超えています。
- 天候操作レベルの衝撃波: 渾身のパンチは、その衝撃波だけで周囲の天候を強制的に変え、豪雨を晴天に変えてしまうほどです。
- 超高速移動: ジャンプ一つで高層ビル群を軽々と飛び越え、数キロ離れた事件現場へも瞬時に駆けつけます。その移動速度は、もはや飛行に近い領域に達しています。
- 災害レベルの制圧力: スピンオフ作品『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』では、オールマイトの全盛期に近い姿が描かれています。彼は災害現場に現れると、数十体のヴィランを一瞬で制圧し、瓦礫の撤去、人命救助、さらには子供をあやしてファンサービスまでするという、一人で一個師団に匹敵するような活躍を見せました。
この圧倒的な力は、単にヴィランを倒すためのものではありませんでした。オールマイトが存在するという事実そのものが、犯罪者たちにとって最大の脅威となり、強力な犯罪抑止力として機能していたのです。彼がデビューして以降、日本の犯罪発生率は劇的に低下し、その時代は「オールマイト以前/以後」で語られるほど、社会に大きな影響を与えました。

パンチ一発で天気が変わるて、もうマンガの世界やん!…ってマンガやったわ!考えるだけでスカッとするわ!やっぱりヒーローはこうでなくっちゃな!
個性の詳細とオールマイトの必殺技
オールマイトの戦闘を華々しく彩るのは、彼の個性とキャラクター性を象徴する数々の必殺技です。その多くは、彼が若き日に武者修行で滞在したアメリカの州や都市名にちなんでおり、アメコミヒーローを彷彿とさせるネーミングセンスが光ります。どの技も一撃で戦局を決定づけるほどの絶大な威力を誇ります。
以下に、彼の代表的な必殺技とその特徴をまとめます。
必殺技名 | 特徴と使用された主な場面 |
---|---|
TEXAS SMASHテキサス スマッシュ) | 強烈なストレートパンチによって巨大な風圧を発生させ、広範囲の敵を吹き飛ばす技。 物語序盤で、ヘドロヴィランから緑谷出久と爆豪勝己を救出する際に使用されました。 |
DETROIT SMASHデトロイト スマッシュ) | 全身全霊の力を込めて放つ、彼の基本かつ最強クラスのストレート。 USJ襲撃事件の際、対オールマイト用として造られた脳無を遥か上空へ吹き飛ばし、その余波で天候を雨から晴れに変えました。 |
MISSOURI SMASH(ミズーリ スマッシュ) | 相手の頭部めがけて高速で叩き込む水平チョップ。 |
CAROLINA SMASH(カロライナ スマッシュ) | 両腕を十字にクロスさせ、相手に突進しながら放つ強力なダブルチョップ。 脳無の衝撃吸収能力を突破するために使用されました。 |
New Hampshire SMASH(ニューハンプシャー スマッシュ) | 自身の後方へパンチを空振りし、その風圧を推進力にして緊急離脱や高速移動を行う技。 空中での体勢制御にも応用できます。 |
Oklahoma SMASH(オクラホマ スマッシュ) | 複数の敵に拘束された際、体を高速回転させることで遠心力を生み出し、敵を振りほどく技。 |
UNITED STATES OF SMASH(ユナイテッド ステイツ オブ スマッシュ) | ワン・フォー・オールの残り火の全てを右腕に集中させて放つ、彼の最後の必殺技。 神野でのオール・フォー・ワンとの決戦で、満身創痍の中、平和の象徴としての全てを懸けて放たれました。 |
これらの技は、オールマイトというヒーローの伝説を築き上げた力の証明であり、多くの人々の記憶に刻まれています。

技の名前、めっちゃオシャレやん!ユナイテッド・ステイツ・オブ・スマッシュて!叫びたなるわー!全部カッコええなぁ!

マッスルフォームと個性の関係性
【#ヒロアカ 今日6期最終回!】
— 僕のヒーローアカデミア/ヒロアカ アニメ公式 (@heroaca_anime) March 25, 2023
デクが雄英に戻ってくる一方、オールマイトはデクに何もしてあげられなかったと無力さを痛感する。そこに現れたのは…!?
『僕のヒーローアカデミア』6期
最終第24話「つながるつながる」
今日夕方5:30放送!
読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット!#heroaca_a pic.twitter.com/K2wYiNGbpO
オールマイトのトレードマークといえば、筋骨隆々で常に笑顔を絶やさない「マッスルフォーム」の姿です。多くの人々は、この姿こそが彼の個性の発現状態だと考えていますが、実はその認識は正確ではありません。マッスルフォームは、個性の能力による変身ではないのです。
重傷がもたらした二つの姿
物語が始まる約5年前、オールマイトは宿敵オール・フォー・ワンとの初戦で辛くも勝利しますが、その代償として腹部に風穴が開くほどの瀕死の重傷を負いました。度重なる手術の末に一命はとりとめたものの、呼吸器官の半分と胃を全摘出するという深刻な後遺症が残ります。
この結果、彼の肉体は著しく衰え、普段は「トゥルーフォーム」と呼ばれる、骨と皮ばかりに痩せ細った姿でしかいられなくなりました。この事実は、”平和の象徴”の弱体化が社会に与える混乱を恐れ、ごく一部の関係者を除いて極秘にされていました。
気力で維持するヒーローの姿
マッスルフォームとは、このトゥルーフォームの状態から、意識的に全身の筋肉を強張らせ、残されたワン・フォー・オールの力を振り絞ることで、かつての全盛期の姿を一時的に再現している状態なのです。オールマイト自身はこれを「プールサイドで腹筋を力ませ続けてるアレさ!」と冗談めかして語っていますが、実際には彼の超人的な精神力と意志の力によるものです。
そのため、マッスルフォームを維持できる時間には限りがあり、当初は約3時間でしたが、USJでの無理がたたって以降、さらに短くなっていきました。この時間制限が、彼のヒーロー活動における大きな制約となっていたのです。

え、あれって“個性”やのうて根性やったん!?どんだけ精神力強いねん…。ボロボロの体で平和の象徴であり続けようとする覚悟、並大抵やないで。
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オールマイト 個性の喪失と復活の可能性
- なぜオールマイトの個性なくなる事態に?
- オールマイトが歴代の個性を使えない理由
- デクに発現した個性 複数の謎
- エリちゃんによる個性復活の可能性
なぜオールマイトの個性なくなる事態に?
平和の象徴として絶対的な存在であったオールマイトが、その力を完全に失うことになった直接的な原因は、神奈川県神野区で繰り広げられた宿敵オール・フォー・ワンとの二度目の死闘です。この戦いで、彼はワン・フォー・オールの力を文字通り「全て」使い果たしてしまいました。
緑谷出久に個性を譲渡して以降、オールマイトの中に残っていたワン・フォー・オールの力は、もはや本体ではなく、燃え尽きる寸前の蝋燭の炎にも似た「残り火」のような状態でした。彼はこの僅かな力をやり繰りしながらヒーロー活動を続けていましたが、その活動限界時間は着実に短くなっていきます。
そして、「神野の悪夢」と呼ばれるヴィラン連合による大規模テロ事件が発生。拉致された爆豪勝己を救出する作戦の最中、死んだはずの宿敵オール・フォー・ワンが姿を現します。オールマイトは、活動限界をとっくに超え、痩せ細ったトゥルーフォームを全国中継のカメラの前に晒しながらも、人々を守るため、そして師・志村菜奈の無念を晴らすために最後の戦いに挑みます。
オール・フォー・ワンの精神的な揺さぶりや圧倒的な力の前に何度も膝をつきかけながらも、市民の声援と、次代のヒーローである出久を導かねばならないという強い使命感を力に変え、彼は限界を超えました。そして、最後の力を振り絞って放った「ユナイテッド・ステイツ・オブ・スマッシュ」によって宿敵を打ち破ります。しかし、その輝かしい勝利と引き換えに、彼の内にあったワン・フォー・オールの残り火は完全に消え去り、彼はヒーローとしての力を失い、事実上の引退を余儀なくされたのです。

寂しいけど…これがヒーローの生き様なんやな。最後の最後まで人々を守り抜いた姿、涙なしでは見られへんわ。ほんま、お疲れ様でしたって心から言いたい。
オールマイトが歴代の個性を使えない理由
物語が進むにつれて、9代目継承者である緑谷出久には、ワン・フォー・オールに内包されていた歴代継承者たちの「個性」が次々と発現するという現象が起きます。一方で、8代目であるオールマイトが、自身の代でそうした複数の力を使えたという描写は一切ありません。この違いは、ワン・フォー・オールという個性の深遠な性質に起因します。
その最大の理由は、ワン・フォー・オールという個性が、デクの世代で力の蓄積の臨界点、いわゆる「特異点」に到達したためです。ワン・フォー・オールは、代々受け継がれる過程で力と個性の因子を蓄積し続けます。オールマイトの時代までは、それは主に純粋な身体強化の「超パワー」として機能していましたが、約100年にわたる蓄積の末、ついにその力が飽和状態に達しました。
この「特異点」への到達により、ワン・フォー・オールの深層意識に眠っていた歴代継承者たちの個性が、9代目であるデクの肉体と精神に共鳴し、表面化し始めたのです。オールマイトの時代ではまだこの特異点に達していなかったため、彼は複数の個性を引き出すことができませんでした。
また、オールマイト自身が無個性であったことが、逆に彼を「完璧な器」にしていたという側面もあります。彼の肉体は、他の個性の干渉を受けない純粋な状態で、ワン・フォー・オールの膨大なエネルギーを受け止め、最大限に引き出すことに特化していました。そのため、他の個性が発現する余地がなかった、とも考えられます。

なるほどなぁ、“個性”も生き物みたいに進化していくんやな。オールマイトが道を切り拓いて、デクくんの代で花開いたっちゅうことか。なんか壮大な話や。
デクに発現した個性 複数の謎
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— 僕のヒーローアカデミア/ヒロアカ アニメ公式 (@heroaca_anime) March 27, 2024
ワン・フォー・オール
歴代継承者ビジュアルが来た!
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公式サイトのキャラクターページも更新!
▶️https://t.co/EGGLvEGdry
<OFA歴代継承者キャスト>#保志総一朗 #小野大輔 #鈴木崚汰 #森川智之 #安元洋貴 #柿原徹也 #園崎未恵 #ヒロアカ #heroaca_a pic.twitter.com/DeR0nPLYE1
前述の通り、緑谷出久が9代目継承者となったことで、個性「ワン・フォー・オール」は新たなステージへと進化しました。これは、約100年にわたり力と個性の因子を蓄積し続けたワン・フォー・オールが、デクの代でついに飽和点である「特異点」に到達したためです。その結果、単なる超パワーの個性ではなく、歴代継承者たちが持っていた複数の個性を内包する、極めて強力で複合的な能力へと変貌を遂げたのです。
オールマイトの時代までは発現しなかったこれらの力は、デクの肉体と精神に共鳴し、彼の成長と戦いの激化に合わせて、次々と花開いていきました。
発現した歴代の個性一覧
デクの中で覚醒した歴代継承者の個性は、初代の「譲渡・ストック」と、オールマイトとデク自身の「無個性」を除いた6つです。以下に、その能力と元の持ち主の詳細を、デクに発現した順にまとめます。

各個性の覚醒と戦闘への応用
これらの個性は、どれも単体では決定打になりにくい「弱い個性」と評されていますが、ワン・フォー・オールの超パワーによって強化され、デクの分析力と組み合わせることで絶大な相乗効果を生み出します。
- 黒鞭(クロムチ): A組・B組合同戦闘訓練中に、怒りの感情に呼応して初めて暴走。その後、お茶子や心操の助けを借りて制御のきっかけを掴みました。今ではビル間の移動や敵・味方の捕縛、救助活動など、最も応用範囲の広い個性として活用されています。
- 浮遊(ふゆう): 死柄木との第一次決戦の最中、絶体絶命の状況で覚醒。師匠の師匠である志村菜奈のこの能力により、デクは本格的な空中戦の手段を獲得しました。黒鞭や後述の変速と組み合わせることで、空を自在に舞う戦闘スタイルを確立します。
- 危機感知(ききかんち): こちらも死柄木との激戦で、彼の攻撃を回避するために覚醒。しかし、この個性は明確な「害意」にしか反応しないため、善意や無意識の行動による危険は察知できないという弱点も持っています。
- 発勁(はっけい)・変速(へんそく): 物語の終盤、レディ・ナガンとの戦いやオール・フォー・ワンとの最終決戦で覚醒。特に2代目の「変速」は、トップスピードに至るまでの時間をほぼゼロにし、擬似的にワン・フォー・オール100%を超える速度を生み出すことを可能にしました。デクはこれらの複数の個性を「道具」として捉え、状況に応じて瞬時に切り替え、組み合わせることで、オールマイトとは全く異なる、予測不能かつ多彩な新時代のヒーローとしての戦い方を確立しつつあります。
継承者の名前に隠された数字の法則
余談ですが、歴代継承者たちの名前には、それぞれの代数に対応する「数字」が隠されているという面白い共通点があります。
- 一代目:死柄木 与一(いち)
- 二代目:駆藤 敏次(くどう → 英語のtwo)※諸説あり
- 三代目:ブルース(スリー → 3)
- 四代目:四ノ森 避影(し)
- 五代目:万縄 大悟郎(ご)
- 六代目:揺蕩井 煙(えん → 英語でrock、または訓読みで厶 → むっつ)※諸説あり
- 七代目:志村 菜奈(なな)
- 八代目:八木 俊典(や)
- 九代目:緑谷 出久(く)
作者による遊び心あふれるこの設定は、ワン・フォー・オールという個性が持つ、世代を超えた「繋がり」を象徴しているのかもしれません。

デクくん、めっちゃ大変やろうけど、こんないっぱい“個性”が使えるようになったら無敵やん!これからの活躍が楽しみでしゃーないわ!
エリちゃんによる個性復活の可能性
「若おかみは小学生」で主演の #小林星蘭 さんは『僕のヒーローアカデミア』ではTVアニメ4期のキーキャラクターであるエリちゃんの声を担当しています。公式HPのスペシャルインタビューをぜひチェック。
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オールマイトが力を失った後、多くのファンが一条の光として期待したのが、少女・エリの存在です。彼女の持つ個性「巻き戻し」は、生物の時間を巻き戻すことができるという、因果律に干渉しかねないほど強力な能力です。では、この力を使えば、オールマイトはかつての力を取り戻せるのでしょうか。
「巻き戻し」の力と実績
エリの個性は、対象の肉体を過去の状態へと逆行させるものです。その力は絶大で、使い方を誤れば対象の存在そのものを消滅させてしまう危険性もはらんでいます。物語の中では、個性を破壊する薬によって能力を失ったヒーロー、通形ミリオが、成長して個性を制御できるようになったエリの力によって、完全に能力を取り戻すことに成功しました。
なぜオールマイトの復活は難しいのか
ミリオの復活という前例があるにもかかわらず、オールマイトの個性の復活は極めて難しいと考えられています。その理由は、両者の「個性の喪失」の状況が根本的に異なるからです。
- ミリオの場合: 薬によって、元々持っていた「透過」の個性の”因子”が破壊された状態でした。エリの力は、その肉体を「個性が破壊される前」の状態に巻き戻したことで、因子を修復し、個性を復活させました。
- オールマイトの場合: 彼の個性ワン・フォー・オールは、緑谷出久に完全に「譲渡」されています。これは、彼の肉体から個性そのものが抜け出て、別の場所(デクの体)に移動してしまった状態です。
したがって、たとえエリの力でオールマイトの肉体を、重傷を負う前の健康な全盛期の状態に巻き戻すことができたとしても、そこに戻ってくるのは「ワン・フォー・オールの入っていない、空っぽの器」でしかありません。一度成立した「譲渡」という行為そのものを無かったことにして、別の人間の中にある個性を呼び戻すことは、エリの「肉体を巻き戻す」能力の範疇を超えている可能性が高いのです。
物語のテーマである「世代交代」や、オールマイトがアーマーを纏ってでも「個性なき戦い」に身を投じた決意を鑑みても、安易な形での個性復活は考えにくいでしょう。

そっか、復活は難しいんやな。でも、やからこそデクくんが頑張る意味があるんやろな!オールマイトの意志は、しっかり次の世代に繋がってるってことや!
【総まとめ】オールマイトの個性の本質と物語での役割
この記事で解説してきた、オールマイトの個性に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- オールマイトの元々の個性は「無個性」
- 師匠・志村菜奈から個性「ワン・フォー・オール」を継承した
- ワン・フォー・オールは力を蓄積し他者へ譲渡できる特殊な個性
- 譲渡には「譲渡の意志」と「DNAの摂取」が必要
- オールマイトは8代目のワン・フォー・オール継承者
- 戦闘スタイルは超パワーを活かした正面からの打撃が中心
- 必殺技はアメリカの地名に由来する「スマッシュ」系が多い
- マッスルフォームは個性の力ではなく後遺症を隠すための力技
- 普段の姿は「トゥルーフォーム」と呼ばれる痩せ細った状態
- オール・フォー・ワンとの死闘で力の「残り火」を全て使い切った
- 力の喪失によりヒーローを引退し教師となった
- オールマイトは歴代継承者の個性が使えなかった
- 複数の個性が発現したのは9代目・デクの代で「特異点」に到達したため
- エリちゃんの「巻き戻し」で個性を復活させるのは困難と見られる
- 個性が「譲渡」された事実は肉体を巻き戻しても覆らないため
- オールマイトの個性は、単なる能力ではなく「受け継がれる意志」の象徴

こうして見ると、オールマイトの“個性”って、単なる力やなくて『受け継がれていく想い』そのものなんやな。いやー、ヒロアカってほんまに奥が深いわ!ええ勉強になったで!
