『NARUTO』を象徴する、冷酷で謎多き存在、大蛇丸。
サスケに吸収され、イタチに封印される…彼の「死亡」は、多くの読者に衝撃を与えました。
しかし、彼は本当に死んだのでしょうか?なぜ何度も蘇り、あの残忍だった彼が最後には改心し、味方になったのか?
この記事では、大蛇丸の死亡の真相、アニメでの復活が描かれた具体的な話数、そして続編『BORUTO』で見せる驚きの「その後」まで、散りばめられた全ての謎を時系列で徹底解説します。
彼の壮絶な運命の軌跡をたどり、その複雑なキャラクターの変遷に迫りましょう。
- 大蛇丸が作中でどのように死亡し封印されたか
- 二度の封印から復活を遂げた具体的な経緯
- 冷酷な敵から味方へと改心した心境の変化
- 第四次忍界大戦後から『BORUTO』での役割
大蛇丸の死亡シーンは作中で2度描かれた
- サスケに敗北し起きた最初の死亡
- イタチの術によって再度封印される
- アニメでの大蛇丸の復活は何話?
- 第四次忍界大戦での劇的な復活劇
- 封印中に芽生えた心境の変化とは
サスケに敗北し起きた最初の死亡

大蛇丸が物語の中で最初に迎えた「死」は、厳密に言えば肉体の消滅ではなく、愛弟子であったはずのうちはサスケによる反逆と、それに続く魂の封印でした。この事件は、大蛇丸が自身の究極の目的である不老不死を実現するための禁術「不屍転生」を、サスケに対して行おうとしたまさにその時に起こります。
弱体化が招いた油断
この術は、他者の若く強力な肉体を乗っ取り、自らの精神を移し替えることで永遠の時を生きるという、彼の探究心の結晶でした。大蛇丸は、かつて自身が敗北したうちはイタチの能力、ひいてはうちは一族が持つ写輪眼の力に異常なまでの執着を見せており、その弟であるサスケを最高の「器」として長年狙い続けていました。
しかし、転生の儀式を実行しようとしたこの時、大蛇丸は最悪のコンディションにありました。木ノ葉崩しの際に師である三代目火影・猿飛ヒルゼンと死闘を演じ、その命と引き換えに両腕の自由を奪う「屍鬼封尽」によって、術を発動するための「印」を結べなくなっていたのです。さらに、その影響で肉体の限界が訪れ、やむなく繋ぎの肉体(幻幽丸)へ不本意な転生を行った直後であったため、心身ともに著しく弱っていました。
サスケは大蛇丸のもとで修業を積む中で、師の弱体化と油断を冷静に見抜いていました。そして、もはや大蛇丸から学ぶことはないと判断し、絶好のタイミングで反旗を翻したのです。
魂ごと吸収される結末
大蛇丸は弱りながらも、自身の本体である無数の白蛇が寄り集まった巨大な蛇の姿を現し、サスケを飲み込もうとします。しかし、これもサスケの写輪眼の前では通用しませんでした。逆にサスケは、その優れた瞳術で大蛇丸の精神世界そのものを支配し、彼の魂、知識、そして術の全てを自分の中に取り込む形で吸収し、封印することに成功します。
この出来事により、大蛇丸は初めて他者に完全に敗北し、肉体を失って物語の表舞台から一時的に姿を消すことになりました。

ここで師匠を超えていくんやな。サスケもよう強くなったもんやで。これも成長の証っちゅうことやんなぁ。
イタチの術によって再度封印される


一度はサスケの内に封じられ、その存在が消滅したかに思われた大蛇丸ですが、彼は完全には消えていませんでした。彼の執念は、サスケが実の兄であるうちはイタチと宿命の対決に臨んだ際、再び現世に姿を現す機会を得ます。
イタチとの死闘の末、サスケはチャクラを完全に使い果たし、絶体絶命の窮地に陥ります。その肉体の限界が、サスケの中に施されていた大蛇丸の封印を弱める結果となりました。この一瞬の隙を突き、大蛇丸はサスケの呪印から「八岐の術(やまたのじゅつ)」という八つの頭を持つ巨大な白蛇の姿で復活を遂げます。
しかし、その復活も束の間でした。目の前にいたイタチは、病に蝕まれながらも奥の手である「須佐能乎(スサノオ)」を発動させます。
渇望した霊剣による皮肉な結末
イタチの須佐能乎が手にしていたのは、大蛇丸自身が長年探し求めていたとされる伝説の霊剣「十拳剣(とつかのつるぎ)」でした。この剣は実体を持たない草薙の剣の一種で、刺した対象を酩酊状態の幻術の世界へ永久に封印するという強力無比な能力を持っています。
大蛇丸は復活の余勢を駆ってイタチに襲いかかりますが、この十拳剣によって胸を貫かれ、抵抗する間もなく吸い込まれるように異空間へと封じ込められてしまいました。自力での脱出は不可能とされるこの絶対的な封印術により、大蛇丸は二度目の「死」を迎え、今度こそ物語から完全に退場したと、多くの読者や視聴者は考えたことでしょう。



せっかく出てきたのに、これはちょっと可哀想やんか…。けど、それだけイタチ兄さんが強いっちゅうことやな。兄弟の物語は奥が深いわぁ。
アニメでの大蛇丸の復活は何話?


二度目の封印によって、誰もが再登場は不可能だと思っていた大蛇丸。しかし、彼は忍界の存亡を懸けた第四次忍界大戦の最中に、再びサスケの手によって奇跡の復活を遂げます。物語の核心に迫るこの重要な転換点は、多くのファンに衝撃を与えました。
この劇的な復活が描かれたのは、アニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』の第561話「復活!!大蛇丸」です。原作漫画では、物語が終盤に差し掛かる第62巻の第593話「復活の大蛇丸」で詳細に描かれています。
巧妙に準備された復活のプロセス
復活の方法は、大蛇丸が自身の死すらも想定して仕込んでいた、非常に巧妙なものでした。サスケは、以下の二つの要素を利用して大蛇丸を現世に呼び戻します。
- みたらしアンコの呪印: かつて大蛇丸の弟子であったアンコに施された「天の呪印」には、大蛇丸自身の意識と仙術チャクラの一部がバックアップとして保存されていました。
- 薬師カブトの肉体: 大蛇丸の細胞を自らに取り込み、その力を継承したカブトの肉体の一部。
サスケは、アンコの呪印にカブトの細胞を触媒として作用させ、「解邪法印」という術を発動します。これは、かつてカカシがサスケの呪印を抑えるために用いた「封邪法印」と対になる術です。これにより呪印が解放され、アンコの体から巨大な白蛇として大蛇丸が現れる形で、現世への完全な帰還を果たしました。
出来事 | アニメ(疾風伝) | 漫画 | 概要 |
サスケによる最初の封印 | 第114話「鷹の眼」 | 第38巻 第344話 | 弱体化した大蛇丸がサスケに反逆され、 不屍転生の儀式中に魂ごと吸収される。 |
イタチによる二度目の封印 | 第138話「終焉」 | 第43巻 第392話 | サスケの中から復活するも、 イタチの須佐能乎が持つ霊剣「十拳剣」で異空間に封印される。 |
サスケによる完全復活 | 第561話「復活!!大蛇丸」 | 第62巻 第593話 | 第四次忍界大戦中、 アンコの呪印とカブトの細胞を利用した「解邪法印」で現世に帰還する。 |
第四次忍界大戦での劇的な復活劇
復活を遂げた大蛇丸は、サスケへの復讐や彼の肉体を奪うことには、もはや執着を見せませんでした。むしろ、「他人の始めた戦争」と評して当初は冷めた態度を示し、傍観者の立場を取ろうとします。
しかし、兄・イタチの真実を知り、忍世界のシステムそのものに深い疑念を抱いたサスケが「里とは何か、一族とは何か、全てを知りたい」という強い意志を示したことで、大蛇丸の心境に大きな変化が生まれます。彼はサスケの純粋な探究心に強い興味を抱き、その答えを見届けるために全面的な協力を決意しました。
歴史を動かした禁術の解術
その最初の協力が、忍界の歴史を根底から揺るがす、歴代火影たちを蘇らせることでした。そのために大蛇丸は、かつて師である三代目火影が自らの命と引き換えに大蛇丸の両腕を封印した究極の封印術「屍鬼封尽」を解くという、前代未聞の離れ業に挑みます。
彼はうずまき一族の納面堂から死神の仮面を見つけ出し、自らの腹を切り裂く儀式(実際には生贄にした白ゼツに憑依して実行)を行うことで、死神の腹の中から封印されていた初代から四代目までの火影の魂を解放。そして、得意の「穢土転生」によって彼らを現世に完璧な形で蘇らせることに成功します。
この大蛇丸でなければ成し得なかった荒業により、サスケは歴史の当事者たちから直接真実を聞き、自らの進むべき道を見出す極めて重要なきっかけを得たのです。



まさかこんな形で復活して、歴史を動かすキーマンになるなんて誰が思うねん!展開がアツすぎて、ほんま笑いが止まらんわ!
封印中に芽生えた心境の変化とは
復活後の大蛇丸が見せた穏やかで知的な態度は、多くの視聴者を驚かせました。あの残忍で利己的だった彼がなぜ変わったのか。その背景には、二度の封印という「死」を経験し、肉体を離れて世界を客観視した期間中の心境の変化が大きく関係しています。
サスケの体内に封印されていた時、そしてイタチによって異空間に封じられていた時、大蛇丸は物理的な活動ができないながらも、外の世界の出来事を呪印などを通じてある程度感じ取っていました。特に、彼の全てを模倣し、彼自身になろうとした唯一無二の弟子・薬師カブトの戦いとその哀れな末路を目の当たりにしたことが、彼の価値観を大きく揺さぶります。
カブトは師を超えるためにあらゆる力を取り込み、仙術さえも会得しましたが、結局は自分自身を見失い、イタチの幻術「イザナミ」によって敗れました。その姿を見た大蛇丸は、自身の生き方の限界を悟ったのかもしれません。
復活後、彼は「昔は自らが風となり風車を回したいと思っていた。でも今はいつ吹くか分からない他の風を待つ楽しさも知れた」と語ります。ここで言う「他の風」とは、自分の模倣ではなく、自分なりの答えを見つけようともがくサスケのような新しい世代のことです。彼らの予測不能な成長を見守ることに、術の蒐集とはまた違う、新たな楽しみと探究の価値を見出したのです。



なるほどなぁ、封印されとる間に色々考えたんやな。カブトの姿を見て自分を省みて、サスケに未来を見出す。いやー、ええ話やないか。
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「大蛇丸 死亡」の噂と生存後の真相
- 大蛇丸の最後と囁かれた改心の理由
- 木ノ葉の協力者となったその後の大蛇丸
- 続編で描かれる研究者としての一面
- 監視下での生活と息子ミツキとの関係
- まとめ:大蛇丸の死亡と生存の経緯
大蛇丸の最後と囁かれた改心の理由


前述の通り、大蛇丸が劇的な改心を遂げた最大の理由は、二度の封印という「死」を経て、自身の生き方を客観的に見つめ直す機会を得たことにあります。イタチに封印され、物語からの完全退場、すなわち事実上の「最後」を迎えたかと思われましたが、復活後は人が変わったように穏やかで思慮深くなりました。
その理由は、複合的な要因によるものと考えられます。
価値観を変えた二人の弟子
一つは、自身の完璧な模倣者であったカブトの失敗です。力を追い求め、他者を取り込むだけのやり方では、真の強さや真理にはたどり着けないと悟ったのでしょう。カブトの姿は、まさに大蛇丸自身の過去の過ちを映す鏡でした。
そしてもう一つは、単なる「器」としてしか見ていなかったサスケが、自分の予想や支配を遥かに超えて成長し、他者から与えられた道ではなく、自らの意志で真実を求めようとする姿に強い興味を抱いたことです。かつては全ての術を自分のものにしたいという蒐集欲が彼の原動力でしたが、復活後はサスケという予測不能な人間の可能性を観察し、その行く末を見届けることが、彼の新たな知的好奇心の対象となったのです。
これらの経験から、利己的で破壊的だった性格は鳴りを潜め、忍界の大きな流れを直接操作するのではなく、一歩引いた視点から傍観し、楽しむという円熟した境地に至りました。
木ノ葉の協力者となったその後の大蛇丸
第四次忍界大戦が終結した後、大蛇丸は生存し、木ノ葉隠れの里にとって「監視対象下の協力者」という、極めて特殊な立場に収まります。もちろん、過去に彼が犯した「木ノ葉崩し」をはじめとする数々の凶悪な罪状を考えれば、即刻死罪となっても何ら不思議ではありません。
しかし、当時の忍界の指導者たちは、彼を単純に処刑することのリスクを重く見ていました。大蛇丸を殺害した場合、彼がどこかに仕込んでいるであろう未知の転生術によって、知らないところで別の肉体を得て復活し、再び世界の脅威となる可能性が否定できなかったのです。特に、現在の穏健な人格が次の転生体に引き継がれる保証はどこにもありません。つまり、下手に殺す方がはるかにリスクが高いと判断されたのです。
そのため、木ノ葉隠れの里は、暗部の手練れであるヤマト隊長による24時間体制の厳重な監視下に置き、アジトからの移動を制限しつつも、彼の生命を保障する道を選びました。その代わり、彼の持つ高度な科学知識や禁術に関する情報を、有事の際には里のために提供させるという、いわば緊張感をはらんだ共存関係が築かれました。この異質な関係は、続編の『BORUTO-ボルト-』の時代に至るまで続いています。



敵やった相手と協力関係かぁ。ほんま人生、何があるかわからんもんやで。けど、お互いにとってこれが一番ええ形なんやろな、きっと。
続編で描かれる研究者としての一面


続編である『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』の時代になると、大蛇丸はもはや伝説の三忍といった忍者としてよりも、世界トップクラスの科学者・研究者としての側面が強く描かれています。
長年の研究の成果である不老不死の術はほぼ完成の域に達しており、第四次忍界大戦当時よりもさらに若々しい中性的な容姿で登場し、大人になったナルトたちを驚かせました。彼が拠点とするアジトは、かつての不気味な隠れ家から近代的な設備を備えた研究所へと変貌を遂げており、主に遺伝子工学やクローン技術といった最先端科学の研究に没頭しているようです。
うちは一族のクローンであるうちはシンが引き起こした事件では、その遺伝子情報や出自に関する重要な情報をナルトたちに提供し、事件解決に大きく貢献しました。彼の尽きることのない探究心は今も健在ですが、その対象はもはや世界の破壊や混沌ではなく、生命の真理そのものを解き明かすことへと完全にシフトしているように見受けられます。
監視下での生活と息子ミツキとの関係


『BORUTO』における大蛇丸の最も大きな、そして驚くべき変化は、彼が「親」になったことです。彼にはミツキという息子がおり、主人公うずまきボルトやうちはサラダと同じ第七班の重要なメンバーとして、木ノ葉の忍として活躍しています。
ミツキは大蛇丸が自身の優れた遺伝子情報を基に、高度なクローン技術を駆使して人工的に生み出した「人造人間」です。しかし、大蛇丸はミツキを単なる研究対象や自身のスペアとしてではなく、深い愛情を注ぐべき一人の人間として接しています。ミツキに「自分の意志」で人生を選択させることを最も重要な教育方針としており、そのためにあえて過酷な試練を与え、彼の成長を促すなど、独特な方法ではありますが、その親子関係は非常に良好です。
忍者学校の三者面談に保護者として(もちろんヤマトの監視付きで)出席したり、ミツキの友人であるボルトたちに気を良くしたりするなど、子育てに積極的に関わる姿は、かつての冷酷非道な悪役としての彼からは想像もつかないものでしょう。うちはサラダから「パパなの?ママなの?」と純粋な疑問を投げかけられた際に、「どちらでもいいことよ」と微笑んで答える場面は、彼がもはや性別という概念すら超越した、新たな生命の形を体現する存在となっていることを象徴しています。



あのラスボスやった大蛇丸が、三者面談に出る親になるなんてな!このギャップがたまらんわ。ミツキくん、ええ子に育ってや~!
まとめ:大蛇丸の死亡と生存の経緯
- 大蛇丸は物語を通して明確には死亡していない
- 最初の「死」はサスケによる不屍転生の術の乗っ取りと魂の封印
- 心身ともに弱体化したタイミングを突かれ、逆に魂を吸収された
- 二度目の「死」はイタチが持つ霊剣「十拳剣」による異空間への封印
- 幻術の世界に永久に封じられ、事実上の戦闘不能となった
- 復活は第四次忍界大戦の最中、サスケの決断によるもの
- アニメ『疾風伝』第561話で、アンコの呪印を利用して復活した
- 「解邪法印」という術で呪印に保存されたバックアップを解放した
- 改心の大きな理由は、封印中に自身の模倣者カブトの失敗を客観視したため
- もう一つの理由は、自分の支配を超えて成長するサスケに新たな興味を見出したため
- 「自ら風を起こす」利己的な生き方から「新しい風を待つ」観察者の視点へ変化した
- 大戦後は木ノ葉の監視下に置かれる協力者という立場になった
- 殺害するリスクを考慮し、監視付きで生かすという政治的判断が下された
- 続編『BORUTO』では、優秀な科学者・研究者として忍界に貢献している
- 不老不死の研究は継続しており、容姿は若返り、性別の概念も超越している
- 人工的に生み出した息子ミツキを愛情をもって育て、良好な親子関係を築いている