カカシが火影をやめた理由の真相！就任はいつで期間は？アニメ登場の何話かも解説

飄々とした態度の中に誰よりも仲間を想う心を秘め、壮絶な過去を乗り越えてきた天才忍者、はたけカカシ。

『NARUTO』の物語の終盤、彼が六代目火影として里の頂点に立ったという事実は、多くのファンに大きな驚きと感動を与えました。

しかし、その裏には多くの謎が隠されています。

そもそも、彼は一体いつ、何歳でその重責を担うことになったのでしょうか？綱手の引退後、一度は火影の座に就いたダンゾウとの関係や、カカシが選ばれた本当の経緯とは。

そして、一部で囁かれる「歴代火影の中で最弱」という評価は、果たして真実なのでしょうか。

在任期間を終え、ナルトに未来を託した彼が火影をやめた理由は、本当に引退という一言で片付けられるものだったのか。

アニメの何話を見れば、その知られざる活躍を知ることができるのかも気になるところです。

この記事では、原作、アニメ、外伝小説に散らばる情報を一つに集約し、六代目火影カカシの物語、その真実の全てを紐解いていきます。

はたけカカシが六代目火影になった経緯

火影候補だったダンゾウとの関係

はたけカカシが六代目火影の座に就くまでの道のりは、決して平坦なものではなく、志村ダンゾウという存在が大きく関わっています。

物語中盤、暁のペインによる襲撃で木の葉隠れの里は壊滅し、五代目火影・綱手は里のすべての人々を守るために禁術「創造再生」のチャクラを解放し、深刻な昏睡状態に陥りました。里の最高指導者が不在という未曾有の危機に、火の国の大名を交えた緊急会議が開かれ、次期火影の選出が急がれました。この時、かねてより火影の座を狙っていたダンゾウが、その政治力を駆使して自らを強く推薦し、暫定的ながら「六代目火影」としての地位を確立します。

ダンゾウは、三代目火影・猿飛ヒルゼンとは同期でありながら、その穏健な方針に常々反発し、里のためには非情な手段も厭わないという強硬的な思想を持っていました。彼が火影として最初に行ったことの一つが、里を抜けたうちはサスケを国際的な犯罪者とみなし、抹殺許可を里全体に下すという厳しいものでした。

しかし、ダンゾウの政権は長く続きませんでした。鉄の国で開かれた五影会談の場でサスケの襲撃に遭い、里への帰路でうちはオビトと対峙します。そして、サスケとの壮絶な一騎打ちの末、自身の命と引き換えに相手を封印しようと試みるも失敗し、その野望は潰えることになりました。

ダンゾウの死によって火影の座は再び空席となり、里は指導者不在のまま第四次忍界大戦へと突入します。大戦の中で、上忍班長であった奈良シカクらが、カカシを新たな火影候補として推薦しました。カカシは類まれな才能に加え、仲間を思う心、そして大戦での多大な功績から、里の誰もが認める器であると判断されたのです。当初カカシ自身は、写輪眼を失ったことなどからその大役を固辞していましたが、最終的には里を守るという強い意志のもと、その座を受け入れることになります。

カカシが火影に就任したのは何歳か

はたけカカシが六代目火影として正式に木の葉隠れの里の頂点に立ったのは、32歳の時です。

公式ファンブックである『陣の書』には、第四次忍界大戦中のカカシの年齢が31歳であったと明確に記されています。忍界を揺るがしたこの大戦が終結し、平和が訪れてから約1年後、里の復興が軌道に乗り始めた頃に、五代目火影・綱手からその役目を正式に引き継ぎました。したがって、大戦時の年齢である31歳に1年を加えた32歳が、彼の就任時の年齢となります。

カカシの忍者としてのキャリアを振り返ると、5歳で忍者学校を首席で卒業、6歳で中忍に昇格、そしてわずか12歳で上忍になるなど、異例の速さで出世を遂げた天才でした。それと比較すると、32歳での火影就任は、彼の経歴の中では比較的遅咲きと言えるかもしれません。

しかし、この年齢であったからこそ、彼は火影という重責を全うできたとも考えられます。若き日のトラウマ、父の死、親友との別れ、そして師の殉職といった数々の壮絶な経験を乗り越え、精神的に成熟した彼だからこそ、未曾有の大戦で傷ついた里の人々の心を束ね、復興期という最も困難な時代を導くことができたのです。

アニメで火影はいつ何話で描かれたか

原作漫画では、最終話の一つ手前である第699話で、カカシが火影の羽織をまとって執務を行う姿が描かれていますが、就任式やそれに至るまでの具体的な経緯は省略されていました。

その空白の期間を埋める形で、アニメ版ではカカシの火影としての姿がより詳細に、そして多角的に描かれています。特に、アニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の終盤、第704話から始まる外伝小説を原作としたシリーズ（サスケ真伝、シカマル秘伝、木ノ葉秘伝）では、六代目火影として多忙な日々を送るカカシの活躍を存分に見ることができます。

ここでは、彼がどのようにして火影になる決意を固めたのか、そして戦後の里が抱える様々な問題にどう向き合っていったのかが丁寧に描写されています。

作品シリーズ	関連エピソード・時系列	六代目火影としてのカカシの描写
アニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』	第704話～第720話（各種秘伝シリーズ）	就任後の執務、部下への指示、里内外の問題への対応など、火影としての日常が描かれる。
映画『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』	第四次忍界大戦から2年後	里の最高責任者として、大筒木トネリによる月の落下という危機に的確な指示を出し、里を守る。
アニメ『BORUTO-ボルト-』	ナルトの火影就任後	火影の座を退いた後も、ナルトの良き相談役として登場。時には忍者学校の卒業試験官を務めるなど、ご意見番として里に貢献している。

このように、カカシの火影としての物語は、原作の行間を埋める形でアニメや映画によって豊かに肉付けされており、彼のリーダーとしての一面をより深く理解することができます。

六代目火影を務めた期間はどのくらいか

カカシが六代目火影として在任した正確な年数について、作中で公式に言及されたことはありません。しかし、物語の登場人物たちの成長や時間の経過を追うことで、その期間がおおよそ10年から15年前後であったと推測することが可能です。

この推測の根拠となるのは、主にナルトとその家族のタイムラインです。

ナルトが19歳でヒナタとの関係を深め、その後結婚し、二人の子供を授かり、その長男が6歳になるまでには、最低でも7〜8年以上の歳月が流れているはずです。これに、交際期間や結婚までの期間などを加味すると、カカシが火影を務めた期間は少なくとも10年以上はあったと考えるのが妥当でしょう。三代目火影・猿飛ヒルゼンのような長期政権ではありませんでしたが、戦争の時代から平和の時代への移行期という極めて重要な役割を担うには十分な期間であったと言えます。

平和な時代の立役者としての功績

カカシが火影を務めたのは、忍界全体が第四次忍界大戦という大きな傷を乗り越え、新たな平和を模索する極めて重要な時期でした。彼の最大の功績は、武力やカリスマ性で人々を引っ張るのではなく、その冷静な判断力と深い洞察力をもって、平和な時代の礎を築き上げたことです。

戦後処理と里の近代化

大戦で壊滅的な被害を受けた木の葉隠れの里の物理的な復興を指揮するだけでなく、人々の心のケアや里のシステムの再構築にも尽力しました。彼の治世下で、里は安定を取り戻し、後の『BORUTO』の時代で見られるような近代化への道を歩み始めます。雷車の開発計画など、新たな技術を積極的に取り入れる柔軟な思考も、彼の功績の一つです。

うちはサスケへの恩赦と信頼

彼の火影として最も大きな決断の一つが、うちはサスケへの処遇です。大戦での英雄的な活躍があったとはいえ、それまでの抜け忍としての行動や五影会談襲撃などは重罪であり、厳罰に処される可能性も十分にありました。しかしカカシは、ナルトたちの強い嘆願を受け入れ、そして何よりサスケ自身の変化を信じ、彼の罪を不問とする恩赦を与えました。この決断が、後にサスケが「里を外から守るもう一人の火影」として活躍する道を開いたのです。

カカシは決して派手な政策を打ち出すタイプのリーダーではありませんでした。しかし、対話と協調を重んじ、一人ひとりの忍と向き合うことで、里に真の安定をもたらしました。ナルトが七代目として輝ける平和な時代は、六代目であるカカシの堅実な統治なくしてはあり得なかったでしょう。

六代目火影カカシの退任と強さの評価

火影をやめた理由は引退だったのか

カカシが六代目火影の座を退き、うずまきナルトにその大役を譲った背景には、単純な「引退」という言葉では説明できない、複数の深い理由が存在します。

最も大きな要因は、「次世代への継承」という時代の必然的な流れです。第四次忍界大戦を勝利に導き、世界を救った英雄であるナルトは、その実力はもちろんのこと、里のすべての人々から愛され、尊敬される存在へと成長を遂げていました。彼が火影になることは、里の民衆全体の願いであり、もはや誰もが認める既定路線でした。カカシ自身も、誰よりも側でナルトの成長を見守ってきた師として、教え子が火影の器に達したことを確信し、最も良い形で未来を託すことを選んだのです。

また、カカシ自身の価値観も大きく影響しています。彼は若い頃から「オレは火影ってガラじゃない」と公言しており、権力や地位に執着する性格ではありませんでした。父・はたけサクモの悲劇的な死や、親友うちはオビトとの約束など、彼の人生は常に他者のために生きることに重きが置かれていました。火影としての役目を「ナルトが成長するまでの繋ぎ」と捉え、その役目を果たした後は、再び一人の忍として、あるいは相談役として、新たな形で里に貢献する道を選んだと考えるのが自然です。

引退後もナルトの良き相談相手として里を見守り続けている彼の姿は、権力にしがみつくのではなく、時代に応じて自らの役割を変えていくという、カカシならではの柔軟な生き方を示しています。

歴代火影と比較したカカシの強さ

カカシの強さを歴代火影と比較する議論は、彼の能力が時期によって大きく変動するため、非常に複雑なものとなります。「写輪眼のカカシ」時代と、火影に就任した写輪眼喪失後とでは、その評価軸が全く異なるからです。

まず、他の歴代火影の能力を見てみましょう。

歴代火影	二つ名・異名	得意分野	代表的な術・能力
初代・千手柱間	忍の神	仙術、木遁	木遁・真数千手、仙法・明神門
二代目・千手扉間	–	時空間忍術、水遁	飛雷神の術、穢土転生、水分身の術
三代目・猿飛ヒルゼン	プロフェッサー	全ての術に精通	五大性質変化、口寄せ・猿猴王猿魔
四代目・波風ミナト	木ノ葉の黄色い閃光	時空間忍術、封印術	飛雷神の術、螺旋丸、九尾チャクラモード
五代目・綱手	伝説の三忍	医療忍術、体術	創造再生・百豪の術、怪力
六代目・はたけカカシ	コピー忍者	戦術分析、雷遁	雷切、神威（写輪眼あり）、紫電（写輪眼なし）
七代目・うずまきナルト	木ノ葉の英雄	六道仙術、尾獣化	螺旋丸系統、六道仙人モード、尾獣化

この表からもわかるように、初代から四代目、そして七代目のナルトは、血継限界や人柱力、あるいは類まれな才能によって、単独で戦況を覆せるほどの規格外の力を持っています。

火影就任時のカカシは写輪眼を失っているため、「神威」や「コピー能力」といったかつての切り札は使えません。この状態のカカシが、純粋な破壊力や戦闘能力で上記の火影たちと渡り合うのは難しい面があるでしょう。

しかし、カカシの真の強さは、1000種類以上の術をコピーしてきた経験に裏打ちされた膨大な知識と、いかなる状況でも最適解を導き出す卓越した戦術眼にあります。彼はパワーで圧倒するタイプではなく、相手の能力を分析し、弱点を突いて勝利するクレバーな戦い方を得意とします。この総合的な「忍者としての戦闘力」は、歴代火影の中でも決して引けを取るものではありません。

カカシは歴代最弱の火影という評価は本当か

「カカシは歴代最弱の火影である」という意見は、主に彼の戦闘能力の一面だけを捉えたものであり、総合的に見れば決して正しくありません。

この評価の根拠は、前述の通り、柱間やミナトのような圧倒的なパワーや特殊能力を、火影就任時のカカシが持っていなかった点にあります。しかし、火影という存在に求められるのは、単独での戦闘能力だけではありません。里の数百、数千の忍をまとめ上げ、国を導く「統率力」、複雑な政治状況を読み解く「知力」、そして未来を見据えて決断を下す「判断力」こそが、リーダーとしての最も重要な資質です。これらの点において、カカシは歴代火影の中でも屈指の能力を持っていました。

また、純粋な戦闘能力においても、「最弱」という評価は適切ではありません。例えば、五代目火影の綱手は、世界最高の医療忍者であり、百豪の術による驚異的な再生能力と怪力を持ちますが、彼女の能力は本質的にサポートや回復に特化しています。一方でカカシは、写輪眼を失った後も鍛錬を怠らず、新たな必殺技である雷遁「紫電」を編み出すなど、オールラウンドな戦闘技術を常に磨き続けています。

さらに忘れてはならないのが、第四次忍界大戦の最終局面で見せた「両目万華鏡写輪眼」状態のカカシです。親友オビトから一時的に力を借り受けたこの状態では、完成体須佐能乎を発動し、大筒木カグヤを相手に決定的な一撃を加えるなど、まさに神がかり的な強さを発揮しました。この「瞬間最大風速」は、歴代のどの火影にも匹敵、あるいは凌駕するほどのものです。

これらの事実を総合的に勘案すると、カカシを「最弱」と断じることはできず、むしろ平時のリーダーとして最も優れた火影の一人であったと評価するべきでしょう。

写輪眼を失ったことによる影響

第四次忍界大戦の終盤、マダラによって左目の写輪眼を奪われ、カカシは長年連れ添ったその力を永久に失いました。この出来事は、彼の忍者としての在り方に、光と影、両方の影響を及ぼしました。

デメリット：戦闘スタイルの根本的な変化

最大のデメリットは、彼の代名詞であった数々の能力を失ったことです。

これらの変化に対応するため、カカシは雷切を改良した中～遠距離雷遁忍術「紫電」を編み出します。これは彼の忍者としての才能が、写輪眼だけに依存したものではなかったことを証明しています。

メリット：チャクラ効率と身体的負担の軽減

一方で、写輪眼を失ったことには明確なメリットも存在しました。うちは一族ではないカカシにとって、写輪眼を常に発動させておくことは、膨大なチャクラを消耗し続けることを意味しました。作初期のザブザ戦や、疾風伝でのデイダラ戦など、写輪眼を使った後にチャクラ切れで倒れ、入院する場面が何度も描かれています。

この身体的な枷がなくなったことで、彼のチャクラ効率は大幅に改善され、スタミナや継戦能力は以前よりも向上したと考えられます。体質に合わない力を手放したことで、カカシ本来の能力を最大限に活かせるようになった、とも言えるでしょう。

まとめ：六代目火影カカシが繋いだ未来