【ナルト】薬師カブトはなぜ強すぎ?最強仙人モードの能力とイザナミ改心の真相

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【ナルト】薬師カブトはなぜ強すぎ?最強仙人モードの能力とイザナミ改心の真相
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NARUTO-ナルト-』の薬師カブトに対し、薬師カブト 強すぎという印象を持つ読者は少なくありません。

物語の初期、大蛇丸の物静かな側近として暗躍していた彼が、物語が進むにつれて見せた異常なまでの強さへの変貌は、多くの読者を驚かせました。

第四次忍界大戦では世界を脅かす中心的な存在となり、大蛇丸すら到達できなかった仙人モードの圧倒的な能力を披露します。

しかし同時に、彼が一体何がしたかったのかという掴みどころのない行動原理、そして宿敵うちはイタチとの戦いを経て改心に至ったドラマは、非常に奥深いものです。

この記事では、薬師カブトの強さの変遷を初期段階から詳細にたどり、彼がアイデンティティを求めて戦い続けた理由、そしてその結末について深く掘り下げて解説していきます。

この記事でわかること
  • カブトの初期から大蛇丸吸収までの強さの変遷
  • 最強状態である仙人モードの具体的な能力
  • カブトがアイデンティティを求め続けた行動原理
  • 大戦を経て改心し、BORUTOに至るまでの経緯
目次

薬師カブトは強すぎ?初期から大蛇丸吸収まで

  • カカシと同等と評された初期の強さ
  • 綱手を圧倒した医療忍術と頭脳
  • 大蛇丸の細胞を取り込みパワーアップ
  • 最強の禁術「穢土転生」の習得
  • 第四次忍界大戦の真の黒幕へ

カカシと同等と評された初期の強さ

薬師カブト:カカシと同等と評された初期の強さ
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

薬師カブトは、物語の序盤、木ノ葉隠れの里で開催された中忍試験に、万年下忍の先輩として登場します。この時、彼は温和でお人好しな性格を演じ、ナルトたちに情報を提供するなど、味方であるかのように振る舞っていました。しかし、その正体は伝説の三忍・大蛇丸の側近であり、木ノ葉の内部情報を探るために送り込まれた極めて優秀なスパイです。

彼の初期の実力について、師である大蛇丸は「(当時の)カカシと同等」と高く評価しています。また、同じく伝説の三忍である自来也も同様の見解を示しており、これが単なる誇張ではなかったことは後の描写で明らかになります。当時のカカシといえば、すでに写輪眼を持ち、暗部での経験も豊富な木ノ葉きってのエリート上忍です。カブトはそのカカシと互角の実力を持ちながら、それを完璧に隠蔽し、うだつの上がらない下忍を演じきっていました。

実際に、試験会場では暗部の忍者に成りすまして潜入し、カカシ本人やマイト・ガイといった実力者と対峙しても、臆することなく冷静に渡り合っています。この時点で、表向きの姿とは裏腹に、卓越した戦闘技術、高度な情報収集能力(様々な忍の情報を忍識札カードにデータ化して保有)、そしてスパイとして任務を遂行する冷徹な精神を兼ね備えていたことが分かります。

カカシ先生とタメはる実力隠して下忍て! そら周りも気づかんわな。うまいことやりはるわ!

綱手を圧倒した医療忍術と頭脳

薬師カブト:綱手を圧倒した医療忍術と頭脳
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

カブトの強さの根幹を成すのは、医療忍者としての卓越した技術と、それを支える明晰な頭脳です。彼は単に負傷者を治療するだけでなく、医療忍術の深い知識を戦闘へ応用する術に非常に長けていました。

その代表的な術が、掌にチャクラを集中させて鋭利な刃を形成する「チャクラ解剖刀」です。これは単なる物理的な切断に留まらず、相手の体の表面を傷つけずに内部の筋肉や経絡系、腱だけを精密に断ち切ることが可能な、まさに医療技術の応用と言える攻撃手段です。

三代目火影・猿飛ヒルゼンとの戦いで両腕を封じられた大蛇丸を治療するため、同じく医療忍術のスペシャリストである綱手を捜索した際、交渉は決裂し戦闘へと発展します。この戦いで、カブトはまず綱手の弱点である血液恐怖症を巧みに突き、精神的に揺さぶりをかけました。

さらに、綱手の高等忍術「乱身衝」(脳から全身への電気信号を攪乱し、体を意図通りに動けなくさせる術)を受けた際も、常人であれば完全に行動不能に陥る状況下で、即座に自身の脳からの命令系統パターンを解析し、本来とは異なる命令を体に送ることで動きを元に戻すという、驚異的な頭脳と対応力を見せつけます。この離れ業には、綱手自身も「技のキレは私の全盛期を越える」と驚愕と賞賛を口にするほどでした。

この他にも、攻撃を受ける瞬間に治癒を開始してダメージを最小限に抑える「陰癒傷滅」など、彼の戦闘スタイルは常に冷静な分析と医療知識に基づいていたのです。

あの綱手様を圧倒するなんて、頭脳も技術もすごすぎひん? 並大抵の努力やないで、これは…

大蛇丸の細胞を取り込みパワーアップ

薬師カブト:大蛇丸の細胞を取り込みパワーアップ
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

カブトの人生、そして彼のアイデンティティは、自分を見出してくれた大蛇丸という存在に大きく依存していました。しかし、その絶対的な存在であった大蛇丸が、弟子のうちはサスケによって倒された(吸収された)ことで、彼は再び自身の存在意義、すなわちアイデンティティを見失ってしまいます。自分が何者なのか、何をすべきなのかが分からなくなったカブトは、一つの危険な答えにたどり着きました。

それは、大蛇丸の遺体の一部(細胞やエキス)を自らの体内に取り込み、大蛇丸の力を継承し、そして「大蛇丸を超える存在」になることでした。彼は大蛇丸の細胞を自らに移植し、その莫大な力を自分のものにしようと試みます。この常軌を逸した行為は、拒絶反応や精神侵食という計り知れないリスクを伴うものでしたが、彼はアイデンティティ確立への渇望からそれを実行します。

結果として、彼の体は大蛇丸の強力な細胞に徐々に侵食され、顔の左半分や左腕が蛇のように変貌し始めました。この行為は、単なる力の追求だけでなく、「大蛇丸を超える」という新たな目標を自身に課すことで、失われた自己を見出そうとする彼の必死のあがきでもありました。この時から、彼の強さは常軌を逸したインフレーションを開始します。

大蛇丸様を超えるためとはいえ、自分に細胞取り込むとか…! よっぽどの覚悟がないとできへんことやで…

最強の禁術「穢土転生」の習得

薬師カブト:最強の禁術「穢土転生」の習得
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

大蛇丸の力を取り込む過程で、カブトは大蛇丸の研究成果の全てにアクセスしました。その中で、かつて二代目火影・千手扉間が開発し、大蛇丸が解析・完成させた禁術「口寄せ・穢土転生」を完璧に習得します。

そればかりか、カブトはこの術に独自の改造強化を加え、術の開発者や大蛇丸をも超えるほどの精度と規模で操ることに成功しました。穢土転生は、死者の魂をこの世に縛り付け、生贄の体を器として全盛期に近い力で蘇らせる、まさに神をも恐れぬ術です。カブトは、蘇らせた死者の感情を縛り、より完璧な駒として操作する改良まで加えています。

カブトはこの術を使い、忍の歴史に名を刻む数々の強者たちを蘇らせ、自らの軍団を作り上げました。

カブトが蘇らせた主な強者たち

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所属・分類主な蘇生者
元「暁」うちはイタチ、長門(ペイン)、
デイダラ、サソリ、角都
歴代の影二代目土影・無、三代目雷影・エー、
二代目水影・鬼灯幻月、四代目風影・羅砂
元人柱力二位ユギト(二尾)、やぐら(三尾)、
老紫(四尾)、ハン(五尾)、ウタカタ(六尾)、フウ(七尾)
忍刀七人衆桃地再不斬、林檎雨由利、栗霰串丸、
通草野餌人、西瓜山河豚鬼、無梨甚八、鬼灯満月
その他チヨバア、君麻呂、飛段の相棒(角都)、
半蔵、ダン、日向ヒアシの弟(ヒザシ)など多数

この禁術を手に入れたことで、カブトは文字通り一人で忍連合軍全体と渡り合えるほどの強大な戦力を保有することになり、忍界大戦のパワーバランスを根底から覆す存在となったのです。

歴代の猛者たちを蘇らせるとか、スケールがデカすぎて笑うしかないわ! ほんま、とんでもないことしはるで。

第四次忍界大戦の真の黒幕へ

穢土転生という最強の外交カードを手にしたカブトは、第四次忍界大戦の開戦直前、単身で「暁」のリーダーであったトビ(うちはオビト)のアジトに接触します。彼はトビに対し、自らが保有する穢土転生の軍団を戦力として提供する見返りとして、実験体としてうちはサスケの身柄を引き渡すよう要求しました。

トビは当初、この申し出を拒否しようとしますが、カブトは交渉を有利に進めるための切り札を用意していました。彼は、トビが「うちはマダラ」を名乗る偽者であることを見抜いていた情報力を示した上で、6体目の棺として「本物のうちはマダラ」を穢土転生で呼び出し、トビを恫喝します。

自らの計画の根幹を揺るがしかねない切り札を提示されたトビは、協定を結ばざるを得なくなりました。これにより、カブトは暁と同盟を結びつつも、独自の目的のために大戦の裏で暗躍する「真の黒幕」の一人としての立ち位置を確立します。

また、戦争の準備段階で、みたらしアンコを捕らえて彼女の呪印に残っていた大蛇丸のチャクラを吸収し、さらに木ノ葉のヤマトを捕縛しました。ヤマトの持つ初代火影・柱間細胞を利用してトビの白ゼツ軍団を大幅に強化するなど、カブトの暗躍は戦争の規模と質そのものを拡大・悪化させる最大の要因の一つとなったのです。

仙人モードで薬師カブトの強すぎる能力が頂点に

  • 大蛇丸を超えた蛇の仙人モード
  • 音の五人衆の能力と仙術の融合
  • イタチとサスケを追い詰めた術
  • カブトが本当に何がしたかったのか
  • イザナミによる敗北とループ
  • 自分を受け入れ改心したカブト
  • BORUTOで孤児院の院長に
  • 結論:薬師カブト 強すぎた理由

大蛇丸を超えた蛇の仙人モード

薬師カブト:大蛇丸を超えた蛇の仙人モード
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

大蛇丸の細胞を取り込み、その研究成果を吸収したカブトは、さらなる力の高みを目指しました。彼は、三大仙人の地の一つであり、大蛇丸が拠点としていた「龍地洞」にたどり着きます。そこで彼は、龍地洞の主である白蛇仙人の下で、自然エネルギーを扱うための過酷な修行を積みました。

仙術の修行は、ナルトや自来也が学んだ妙木山と同様に、一歩間違えれば蛙ではなく蛇になってしまう(=人間に戻れなくなる)危険なものです。大蛇丸自身、その力に魅了されながらも、「体が耐えられない」として不完全な形でしか習得を断念した領域でした。

しかし、カブトは大蛇丸の細胞がもたらす強靭な生命力と、アイデンティティ確立への異常なまでの執念によって、この修行を乗り越え、ついに「完全な蛇の仙人モード」を完成させます。この形態になったカブトは、チャクラの質も量もそれまでとは比較にならないほど増大し、その外見はもはや人間の面影を残しつつも、「人の形をした蛇(龍)」そのものへと変貌していました。

仙人モードとなった彼は、自然エネルギーを全身で感知する能力が飛躍的に向上し、視覚に頼らずとも相手の動きやチャクラを正確に捉えることが可能となりました。この能力が、後の対うちは戦において決定的なアドバンテージとなっていきます。

龍地洞で仙人になるなんて、ほんまにすごいで。努力と執念の賜物やな。これはもう本物や。

音の五人衆の能力と仙術の融合

カブトの強さが「強すぎ」と言われるゆえんは、仙人モードの習得だけにとどまりません。彼は大蛇丸の研究の集大成として、他者の遺伝子情報や細胞を取り込み、その能力を自在に行使する術「伝異遠影」を完成させました。

これにより、彼はかつて大蛇丸の配下であった音隠れの五人衆(君麻呂、多由也、鬼童丸、次郎坊、左近)や、大蛇丸の実験体であった水月、香燐といった忍者たちの特異な能力や血継限界すらも、自らの能力として自在に操れるようになります。

カブトが取り込み融合させた主な能力

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能力保持者主な術・能力仙術による強化・応用
鬼灯水月水化の術(体を液体化する)仙術チャクラを練る間の防御や、白激の術の振動回避に応用。
香燐うずまき一族の治癒力仙術のベースとなる肉体の維持、高速再生能力の獲得。
君麻呂屍骨脈(骨を自在に操る血継限界)仙術と組み合わせ、より強固で鋭利な骨を瞬時に生成し攻撃。
多由也魔笛・夢幻音鎖(音による幻術)仙術チャクラにより幻術の威力が飛躍的に向上。
写輪眼でも単独解除困難に。
鬼童丸蜘蛛巣開(チャクラで練った糸を操る)仙術による強靭な糸を生成。
次郎坊土遁・土陸返し(大地を隆起させる)仙術の力で、より大規模な地形操作を可能にする。
左近双魔の術(他者の体と融合・分離する)腹部から左近の体を出現させ、そこから他メンバーの姿に変異させて術を使用。

特筆すべきは、これらの能力が、カブトの莫大な仙術チャクラによって大幅に強化された上で使用される点です。例えば、多由也の幻術や君麻呂の屍骨脈など、元々上忍クラスでも対処が困難だった術が、仙術との融合によって影クラス、あるいはそれ以上の脅威へと昇華されていました。

イタチとサスケを追い詰めた術

第四次忍界大戦の最中、カブトは自らのアジトで穢土転生を遠隔操作していましたが、術を止めるために現れたうちはイタチ(穢土転生体)と、イタチから真実を聞き出すために彼を追ってきたうちはサスケの兄弟と、ついに直接対決することになります。この戦いは、仙人モードとなったカブトの強さが頂点に達していたことを如実に示すものとなりました。

カブトは、仙人モードの特性を最大限に活かし、蛇の角膜で自らの視界を完全に閉じることで、イタチやサスケが最強の武器とする「写輪眼による幻術」を完全に無効化しました。彼は視覚がなくとも、仙術によるチャクラ感知と蛇特有の嗅覚・温度感知だけで、二人の動きを完璧に把握することができたのです。

その上で、彼は仙術を駆使した規格外の術で、うちは兄弟二人を同時に圧倒しました。

仙法・白激の術

口から放つ龍が持つ珠から、激しい光と音、そして空気振動を発生させ、相手の視覚と聴覚を奪い、全身を麻痺させる術です。カブト自身は、前述の角膜で光を遮断し、鬼灯水月の「水化の術」で体を液体化することで音と振動の影響を受けません。これは、須佐能乎(スサノオ)のような絶対的な防御の内側にいる相手に対しても、振動によって内部からダメージを与え、術の維持を困難にさせる、非常に強力な「瞳術メタ」の能力です。

仙法・無機転生

カブト自身が「行き過ぎてる」と評した術で、生体機能を持たない無機物(地面や鍾乳洞の鍾乳石など)に生命エネルギーを与え、自在に操る術です。イタチとサスケはこの術によって、戦っていた鍾乳洞そのものに攻撃され、鍾乳石が牙のように襲いかかり、イタチが串刺しにされる(穢土転生体のため再生可能だった)など、極めて危険な状況に追い込まれました。

これらに加え、前述の多由也の「魔笛・夢幻音鎖」は、幻術のエキスパートであるイタチや、永遠の万華鏡写輪眼を持つサスケでさえも、独力では解除できないほどの強力な音の幻術となっており、二人が連携しなければ突破できないほどの絶対的な脅威でした。

カブトが本当に何がしたかったのか

カブトが本当に何がしたかったのか
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

これほどまでに常軌を逸した強さを追い求めたカブトですが、彼が本当に何がしたかったのか、その根源的な動機は、彼の壮絶な過去とアイデンティティの喪失にあります。

彼は元々、第三次忍界大戦の戦災孤児であり、負傷して倒れていたところを木ノ葉隠れの里の孤児院の女性、薬師ノノウ(通称マザー)に救われます。この時、彼は自分の名前を含む一切の記憶を失っていました。

ノノウは彼に「カブト」という名前(兜を被せられていたことから)と、自身の丸眼鏡を与えました。これら「名前」と「眼鏡」は、彼にとって「自分が誰であるか」を証明する、人生で初めて手に入れた唯一無二のアイデンティティの証となります。彼はノノウを母親のように慕い、彼女の役に立とうと医療忍術を学びました。

しかし、この平穏は、木ノ葉の暗部「根」を率いる志村ダンゾウの非道な策略によって打ち破られます。ダンゾウは孤児院の存続を盾に、元「根」であったノノウにスパイ任務を強要し、さらにカブト自身も自ら志願して「根」のスパイとなりました。

カブトはスパイとして優秀すぎたため、ダンゾウは彼とノノウを危険視し、二人を共倒れさせる計画を企てます。ダンゾウはノノウに対し、カブトの偽の写真(成長に合わせて別人に入れ替えたもの)を送り続けることで情報操作を行い、二人が互いを認識できないように仕向けました。

そして任務中、二人は敵として遭遇し、カブトは相手がノノウだと気づかないまま、彼女に致命傷を負わせてしまいます。瀕死のノノウに必死で医療忍術を施そうとするカブトですが、彼女から発せられたのは「あなたは…誰なの?」という、彼の存在そのものを否定する絶望的な言葉でした。これにより、カブトのアイデンティティは完全に崩壊します。

絶望の淵にいたカブトの前に現れたのが、彼の才能に目をつけていた大蛇丸です。大蛇丸は彼に一連の策略の真実を明かし、「この世の全てを集め尽くして完璧になれば、そこから自分を導き出せる」という思想を与え、新たな居場所(部下という立場)を提供しました。

つまり、カブトが他者の能力や強さ、情報を際限なく集め続けたのは、「完璧な自分」という存在を作り上げることによって、「自分は何者でもない」という耐え難い恐怖から逃れ、失われたアイデンティティを確立したかったためなのです。

イザナミによる敗北とループ

薬師カブト:イザナミによる敗北とループ
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

うちは兄弟との死闘において、イタチはカブトの強さが頂点に達し、殺すことが困難であると判断しました。しかしそれ以上に、イタチはカブトの姿にかつての自分(完璧を求めて他者を信じられなかった自分)を重ね合わせ、彼を殺すためではなく、救うために写輪眼の究極瞳術「イザナミ」を発動します。

イザナミは、『イザナギ』(運命を捻じ曲げる術)と対をなす術であり、特定の瞬間の感覚(A)と、その少し後の瞬間の感覚(B)を記憶させ、その間(A→B)の出来事を無限にループさせる幻術です。この術から逃れる方法はただ一つ、ループする運命の中で自らの過ちや都合の悪い現実を受け入れ、結果を変えること(=改心すること)だけです。

カブトは、「イタチに角を切られる」という自分にとっての「失敗」を受け入れられず、「自分は完璧で失敗などしない」という思い込みから、ループの中で何度も同じ行動を繰り返し、同じ結果(角を切られる)を迎え続けてしまいます。

イタチはカブトに対し、この術は「運命を決める術」ではなく、「運命を受け入れさせる」ための術だと説きました。力が全てではなく、ありのままの自分自身を認め、許すこと。イタチは、カブトに自分自身を許し、認めてほしいという願いを込めて、この術をかけたのです。

自分を受け入れ改心したカブト

自分を受け入れ改心したカブト
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

無限に続くループの中で、カブトは自分自身の内面と向き合わざるを得なくなりました。彼は自らの過去、ノノウとの出会い、彼女に与えられた名前と眼鏡、そして自分が何者でもなかったという事実、その全てを思い出し、見つめ直します。

そしてついに、彼は「完璧な自分」を追い求めることをやめ、ノノウから与えられた「薬師カブト」というありのままの自分を受け入れることに成功します。こうして彼はイザナミの無限ループから自力で脱出しました。

改心したカブトは、ループを抜けると同時に戦場(サスケの傍ら)に駆けつけます。そこには、本物のマダラによって心臓を貫かれ、瀕死の状態に陥っていたサスケがいました。カブトは、もはや何の迷いもなく、自らが持つ医療忍術と仙術、そして取り込んでいた香燐の治癒能力などを駆使し、サスケの心臓を動かし、その蘇生に成功します。

直後に駆けつけた大蛇丸や水月に対し、彼は穏やかな表情で「もう自分が何者か分かっている。そして己が何をすべきかも」と語りました。彼は、自分が本当に守りたかったもの、帰るべき場所(=ノノウと過ごした孤児院)を失いたくないという純粋な想いに気づき、自らの過ちを償う道を選んだのです。

BORUTOで孤児院の院長に

第四次忍界大戦が終結した後、カブトは戦争を引き起こした首謀者の一人として重罪人でしたが、サスケを蘇生させた功績や、イザナミによる改心が認められ、死罪は免れたと考えられます。

彼は贖罪のため、自らの原点であり、育ての親であるノノウが運営していた木ノ葉隠れの里の孤児院を引き継ぎ、院長として戦災孤児たちの世話をしています。

続編である『BORUTO-ボルト-』では、かつて孤児院で兄貴分だったウルシと共に、穏やかな表情で孤児院を運営する姿が描かれています。また、うちはシンのクローンたちという、かつての自分と同じく「作られた存在」であり、居場所やアイデンティティのない子供たちを、七代目火影ナルトの依頼で引き取り、父親として彼らの面倒を見ています。

大蛇丸の細胞の侵食による異形の姿は一部残っていますが、その表情は安らかです。彼は、ノノウがかつて自分にしてくれたように、子供たちに「名前」と「居場所」を与えるという新たな役割を見つけ、ようやく本当の自分自身として生きる道を見出したのです。

色々あったけど、こんないい笑顔見せてくれるんやから。マザーの想い、ちゃんと繋がってるんやな。ええ話や…

総括:薬師カブト強すぎ問題

薬師カブトが「強すぎ」と言われる理由、そして彼が辿った軌跡について、重要なポイントを以下にまとめます。

  • 薬師カブトは初期からカカシ級の実力と評価されていた
  • 自来也や大蛇丸からもその才能を一目置かれていた
  • 綱手からも「全盛期の私を超えるキレ」と評された医療忍術の技術
  • 筋肉や経絡系を切断する「チャクラ解剖刀」など戦闘応用の技術
  • 三忍対決で見せた卓越した分析力と戦闘中の高速な頭脳回転
  • 大蛇丸の細胞を取り込み、その強靭な生命力とチャクラを獲得
  • 取り込んだ結果、身体能力が飛躍的に向上した
  • 最強の禁術「穢土転生」を独自に改造強化して習得
  • 歴代の影や暁メンバーなど伝説級の忍を駒として多数蘇生
  • 第四次忍界大戦を実質的に操った黒幕の一人となった
  • 大蛇丸すら成し得なかった龍地洞の「完全な仙人モード」を会得
  • 仙術によりチャクラの質と量が別次元のレベルに到達
  • 音の五人衆や水月、香燐の能力を細胞移植で獲得し融合
  • 仙術と血継限界(屍骨脈など)を組み合わせた独自の戦闘スタイル
  • 視覚を塞ぐことで写輪眼の幻術を完全に無効化
  • 瞳術メタとなる広範囲攻撃「仙法・白激の術」を開発
  • 地形そのものを操る「仙法・無機転生」という規格外の術
  • 万華鏡写輪眼を持つうちは兄弟二人を同時に相手取り圧倒
  • 彼の強さの原動力は「自分が何者か」を見出すための異常な執着心
  • アイデンティティの探求が、彼を最強の敵の一人へと変貌させた
【ナルト】薬師カブトはなぜ強すぎ?最強仙人モードの能力とイザナミ改心の真相

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