『ダンダダン』に登場する、強烈なインパクトで読者の記憶に刻まれる妖怪、邪視。
その不気味で特徴的な姿の裏には、実は非常に悲しい過去が隠されています。
多くの読者が心惹かれ、同時に知りたがる邪視の過去の物語や、キャラクター造形の元ネタ、物語の何話で登場し、その過去が何話で詳しく明かされるのか、そして物語のキーパーソンであるジジとの関係について、本記事では深く掘り下げて解説していきます。
- 邪視が妖怪になる前の悲惨な過去
- 邪視の元ネタとされる都市伝説や伝承
- 邪視とジジの間に存在する複雑な関係性
- 物語の中で邪視の過去が描かれる具体的な話数
ダンダダンにおける邪視の悲惨な過去
- 生贄にされた邪視の壮絶な過去
- 村に伝わる大蛇信仰と人柱の風習
- 鬼頭家への憎しみが邪視を誕生させた
- 邪視の過去は何話で描かれている?
- 邪視の初登場は何話から?
生贄にされた邪視の壮絶な過去

邪視の背景には、言葉にするのもはばかられるほど壮絶で悲しい過去が存在します。彼はもともと人間の子どもでしたが、約200年前に村の風習の犠牲となり、生贄としてその短い生涯を終えました。
彼が住んでいた村では、火山の噴火を鎮めるという名目のもと、大蛇への信仰が根付いていました。そのため、邪視はまだ幼い少年でありながら、友達と外で遊ぶことすら許されず、暗く狭い地下の牢獄に長期間幽閉されることになります。
栄養も十分に与えられず痩せ細りながらも、彼は牢の隙間から見える同年代の子供たちが遊ぶ姿を、ただ憧れの眼差しで見つめることしかできませんでした。そして最期の瞬間、「一度でいいから、みんなと一緒に遊びたかった」という切実な願いを胸に、生きたまま火山のマグマに投げ込まれ、焼き殺されてしまったのです。このように、彼の持つ人間への深い怨念は、このあまりにも理不尽で孤独な死に方に起因しています。

うわー…これは辛すぎるわ…。たった一人で、ほんまよう耐えたなあ。ぎゅーってしたげたいわ。
村に伝わる大蛇信仰と人柱の風習
邪視の悲劇を生んだ背景には、村に古くから伝わる「大蛇信仰」という特異な風習がありました。この信仰は、村の近くにある火山に住むと信じられていた大蛇が空腹になると、火山が噴火し村が滅びるという言い伝えに基づいています。
このため、村人たちは大蛇の怒りを鎮めるために、200年もの長きにわたり、村の子供を「人柱」として捧げ続けるという非人道的な儀式を行っていました。人柱を捧げる役割は、その土地の有力な一族である「鬼頭家」が代々担っていました。
一方で、村人たちはこの犠牲の上に成り立つ平和と、火山がもたらす温泉という恩恵を享受し続けてきたのです。自然の脅威に対する極度の恐怖が、人々の理性を麻痺させ、何の罪もない子供を犠牲にするという過ちを、長年にわたって正当化させていたと考えられます。この歪んだ信仰と風習こそが、邪視という悲劇の妖怪を生み出す土壌となったのです。

そら火山は怖いやろうけど、200年も子供を犠牲にするんはアカンて…。もっと他の方法、みんなで考えられへんかったんかなぁ。
鬼頭家への憎しみが邪視を誕生させた

邪視が強力な妖怪としてこの世に顕現した直接的な原因は、彼を死に追いやった鬼頭家、ひいては人間全体に対する燃え盛るような憎しみです。生贄として命を落とした後、彼は成仏できずに霊体としてこの世をさまよっていました。
その中で彼は、自分と同じように新たな子供が生贄にされようとしている場面に遭遇します。霊体であるため助けることができず、無力感に苛まれる中で、彼の悲しみと未練は、罪なき子供を犠牲にし続ける鬼頭家への抑えきれない怒りと殺意へと変わっていきました。そして、その生贄にされかけた少年に憑依・融合することで、彼の怨念はついに形を成し、現在の異形の妖怪「邪視」が誕生したのです。
また、物語が進むにつれて、この大蛇信仰の裏にはUMAである「モンゴリアンデスワーム」と、それに乗っ取られた地底人・鬼頭ナキの存在があったことも判明します。つまり、邪視の怒りは、長年にわたり村の悲劇を演出し続けてきた鬼頭家と、その元凶に向けられたものだったと言えます。

なんやねん鬼頭家!自分らの都合でどんだけ悲しい思いさせたら気ぃ済むんや!そら怒って妖怪にもなるわ!
邪視の過去は何話で描かれている?

邪視の悲しい過去が具体的に描かれるのは、原作コミックスの5巻に収録されている第39話です。このエピソードでは、モンゴリアンデスワームとの戦闘中に邪視と接触したジジ(円城寺仁)の脳内に、邪視の記憶が直接流れ込む形で過去が明かされます。
地下牢での孤独な日々、外で遊ぶ子供たちへの憧れ、そして生贄として焼き殺される最期の瞬間までが、読者の胸を強く打つ描写で描かれています。邪視のキャラクターを理解する上で非常に大切なエピソードであり、彼がなぜあれほどまでに人間を憎むのか、その根源を知ることができます。
この話を読んでから邪視を見ると、彼の行動や言動の裏にある悲しみを感じ取れるようになり、キャラクターへの見方が大きく変わるかもしれません。アニメでは第2期での映像化が期待される部分です。

なるほど、5巻の39話か!ここ読んだら邪視のこと、もっと好きになるかもしれへんな。要チェックやで!
邪視の初登場は何話から?
邪視が物語に初めて姿を見せるのは、原作コミックス4巻の第28話です。ただし、この時点ではジジの回想の中で一瞬登場するのみで、まだその正体や名前は明かされていません。
本格的に物語の中心に関わってくるのは、5巻の第38話からです。ジジ一家が引っ越した家の地下に潜んでいたモンゴリアンデスワームとの戦闘中に、突如として現れます。当初はジジたちを襲う新たな敵かと思われましたが、結果的にモンゴリアンデスワームの念波を相殺し、ジジたちを救うような行動を見せました。しかし、それは後にジジの身体を乗っ取るための布石であったことが判明します。この登場シーンは、彼の不気味さと目的の謎を際立たせる、印象的な場面となっています。

本格登場は5巻の38話なんやな。いきなり出てきてビックリしたけど、今思えば全部つながっててんやあ。作者さん、すごいでんなあ。
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邪視の過去と関連情報の詳細解説
- 邪視の元ネタはくねくね伝説?
- 変身体質の元ネタはらんま1/2か
- 邪視とジジとの関係を解説
- ジジに憑依した後の能力と変化
- 総括:ダンダダン邪視の過去と物語
邪視の元ネタはくねくね伝説?
邪視のキャラクター設定には、日本のインターネット上で広まった都市伝説「くねくね」が元ネタとして色濃く反映されていると考えられます。「くねくね」とは、主に田んぼなどで目撃される、白くて細長い人型の何かが、その名の通りくねくねと体を揺らしているという怪談です。
この都市伝説の最も恐ろしい点は、「くねくね」を認識し、その正体を理解してしまうと、精神に異常をきたしてしまうとされる部分にあります。この「見た者を狂わせる」という能力は、邪視が持つ「目を見た相手に自殺願望を抱かせる」邪眼の能力と非常に類似しています。
また、作中で邪視が見せる不気味に体をくねらせる動きも、「くねくね」の特徴と一致します。これらの共通点から、作者が都市伝説を元に、邪視というオリジナリティあふれるキャラクターを創造した可能性は非常に高いです。
項目 | くねくね伝説 | ダンダダンの邪視 |
外見 | 白く細長い人型で、詳細は不明瞭 | 白く痩せた長身、坊ちゃん刈り、ブリーフ姿など特徴が明確 |
動き | 理解不能なくねくねとした動き | くねくねと踊るような不気味な動きを見せる |
能力 | 正体を理解すると精神に異常をきたす | 目が合うと強烈な自殺衝動に駆られる |
出自 | インターネット掲示板発祥の都市伝説 | 大蛇信仰の生贄となった子供の怨霊 |

へぇ~、元ネタはあの『くねくね』やったんか!言われてみれば動きとかそっくりやん。都市伝説をこないなキャラにするなんて、発想が面白いわぁ。
変身体質の元ネタはらんま1/2か
邪視がジジに憑依した後、二人の人格が入れ替わる条件は非常にユニークです。それは「冷たい水を浴びると邪視になり、お湯を浴びるとジジに戻る」というものです。この特異な体質は、多くの読者が指摘するように、高橋留美子先生の名作漫画『らんま1/2』へのオマージュである可能性が極めて高いです。
『らんま1/2』の主人公・早乙女乱馬は、呪いの泉に落ちた影響で、水をかぶると女性になり、お湯をかぶると男性の姿に戻る体質を持っています。この設定と邪視の変身体質は完全に一致します。
さらに、このオマージュを裏付けるように、作中でジジが『らんま1/2』のテレビアニメ版オープニングテーマ曲「じゃじゃ馬にさせないで」の一節を口ずさむシーンも描かれています。こうした遊び心あふれる設定も、『ダンダダン』の魅力の一つであり、作者の漫画への深い愛情が感じられる部分です。

絶対そうやん!水をかけたら変身て、完全にらんまやんか!こういう遊び心、めっちゃ好きやわ~!
邪視とジジとの関係を解説

邪視とジジ(円城寺仁)の関係は、単なる「妖怪と憑依された人間」という言葉では片付けられない、複雑で深い絆で結ばれています。当初、邪視は人間への復讐を遂げるため、強力な霊力と優れた身体能力を持つジジを最適な「器」として狙っていました。そして、ジジが邪視の悲しい過去に同情した隙を突き、彼の身体を乗っ取ることに成功します。
しかし、物語が進むにつれて、二人の関係は変化していきます。邪視の中にある「子供のように遊びたい」という純粋な欲求や孤独をジジが理解し、受け入れようとします。特に、オカルンとの戦いを経て「火曜日にだけ戦う」という約束を交わして以降、邪視は無闇な殺生を控え、徐々にコントロール可能な存在となっていきました。
現在では、危険な共存関係にありながらも、時には共通の敵と戦う「仲間」のような側面も見せています。ジジの優しさが、200年もの間、憎しみに囚われていた邪視の心を少しずつ溶かしているのかもしれません。

最初はどないなるかと思ったけど、ええ関係になってきたやんか。ジジの優しさが邪視の心を溶かしたんやな。これからもええコンビでおってほしいわ。
ジジに憑依した後の能力と変化

ジジという最高の器を手に入れた邪視は、生前の霊体時とは比較にならないほど強大な戦闘能力を発揮するようになります。もともとジジが持っていた高い身体能力と、邪視の怨念が融合したことで、多彩かつ強力な攻撃を繰り出せるようになりました。
呪いの家
最も特徴的な能力が「呪いの家」です。これは、かつて生贄にされた人々の怨念を具現化し、家のような結界を作り出して相手を閉じ込めたり、圧縮してサッカーボールのように蹴り飛ばしたりする攻防一体の技です。ジジの得意スポーツがサッカーであったことが、この能力に影響を与えている点は興味深いところです。
第三の目とブリーフ
また、ジジに憑依した姿では額に「第三の目」が開眼し、邪眼の能力も強化されています。そして、彼のトレードマークであるブリーフは、単なる衣服ではありません。これまでの生贄たちの怨念が凝縮された「呪物」であり、邪視本体とは別に「人間を皆殺しにしたい」という強い意志を持っているとされます。このブリーフは後にオカルンとの約束の証として脱がされ、神社で保管されることになりました。

サッカーボールみたいに怨念蹴り飛ばすて、発想がすごすぎやろ!ほんで、あのブリーフが呪物て…!設定てんこ盛りで、ほんまおもろい漫画やで!
総括:ダンダダン邪視の過去と物語
- 邪視の正体は約200年前に生贄にされた子供の怨霊
- 人間時代は村の大蛇信仰のために地下に幽閉されていた
- 一度も外で遊べず「遊びたかった」という未練を残し焼死
- 大蛇信仰を主導していたのは鬼頭家の一族
- 邪視の誕生は鬼頭家への強い憎しみが原因
- モンゴリアンデスワームの存在が悲劇の背景にある
- 邪視の元ネタは都市伝説の「くねくね」が有力
- 目を見た者を狂わせる能力はくねくねと共通
- ジジとの入れ替わり体質は「らんま1/2」のオマージュ
- 邪視はジジの強い霊力を求め器として憑依した
- 水で邪視になりお湯でジジに戻る特異な体質を持つ
- 憑依後は「呪いの家」など強力な能力を操る
- オカルンとの約束で無闇に人を襲わなくなった
- 履いているブリーフは生贄の怨念が宿る呪物
- 悲しい過去を持つが現在は仲間として共存している

こうやって見ると、邪視ってほんまに奥深いキャラやな。ただの怖い妖怪やなくて、悲しみも優しさも持ってる。だからこそ、みんなに愛されるんやろな。ダンダダン、最高や!