『ナルト』の物語を貫く、最も切なく、そして美しい絆とすれ違いの物語。それが、はたけカカシとうちはオビトの軌跡です。
なぜ親友だった二人の関係は、少女リンを巡る一つの悲劇によって、憎しみ合う宿敵へと変わってしまったのでしょうか。
この記事では、運命の対決「カカシvsオビト」では一体どっちが強いのか、二人を象徴する瞳術「神威」の能力の決定的な違い、そしてカカシが友の正体に気づく衝撃の原作・アニメは何話なのか、といった疑問に答えます。
なんjでも考察が絶えない二人の物語、涙の共闘からその結末まで、全ての真実を紐解いていきましょう。
- カカシとオビトの少年時代から続く関係性の変化
- 物語の核心となるエピソードのアニメや漫画の話数
- カカシとオビトの強さや瞳術「神威」の能力差
- 二人の対立から共闘、そして和解までの感動的な軌跡
カカシとオビトの複雑な関係性の始まり
- 親友でライバル、カカシとオビトの関係
- 物語の原点、カカシ外伝は何話?
- 二人の運命を変えた、のはらリンの死
- カカシがオビトの正体に気づく瞬間
- なんjで語られる二人のすれ違い
親友でライバル、カカシとオビトの関係

カカシとオビトは、後の四代目火影・波風ミナトが率いた「ミナト班」に所属するチームメイトでした。この二人の関係性は、単なる仲間という言葉では表しきれず、「親友」であり、同時に互いを強く意識する「ライバル」という、複雑ながらも深い絆で結ばれていました。
うちは一族という木ノ葉隠れの里きってのエリート家系に生まれながら、なかなか才能を開花させられずにいたオビトは、「落ちこぼれ」と揶揄されることも少なくありませんでした。しかし、その心根は非常に優しく、火影になるという大きな夢を抱き、困っている人を見過ごせないお人好しな性格の持ち主です。「お年寄りの荷物を持ってあげてて…」と言い訳をしては遅刻を繰り返す日常は、彼の人の良さを象徴しています。一方で、はたけカカシは、「木ノ葉の白い牙」と謳われた父・はたけサクモの息子であり、5歳でアカデミーを卒業、6歳で中忍に昇格するなど、誰もが認める天才忍者でした。ところが、父が任務よりも仲間を優先した結果、里の者から非難され自ら命を絶った過去から、カカシは「忍は掟やルールを絶対的に遵守すべき」という考えに固執し、他者と距離を置くようになっていました。
この正反対な二人の中心にいたのが、医療忍者のはらリンです。オビトはリンに一途な想いを寄せていましたが、リンはカカシに好意を抱いている様子でした。この甘酸っぱい三角関係は、オビトがカカシに対抗心を燃やす大きな要因となります。任務のたびに衝突を繰り返す二人でしたが、それは互いの存在を強く意識している証拠であり、その根底には、いつしか友情と呼べる感情が芽生えていたのです。

若い頃はぶつかり合うくらいがちょうどええんやろな。そんだけ本気やったっちゅーことや!
物語の原点、カカシ外伝は何話?
カカシとオビトの過去、二人の絆と別離、そして物語最大の謎の一つである「カカシの左眼の写輪眼」の秘密を解き明かす上で、絶対に避けては通れないのが「カカシ外伝」です。この物語は、二人の関係性を理解し、後の壮大な物語の伏線を読み解くためのまさに原点と言えます。
この重要なエピソード「カカシ外伝~戦場のボーイズライフ~」は、原作漫画では単行本第27巻に収録されている、第239話「外伝其ノ一:任務開始…!!」から第244話「外伝最終話:写輪眼の英雄」までの全6話で構成されています。アニメでは、『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の第339話「カカシ外伝~戦場のボーイズライフ~前編」および第340話「カカシ外伝~戦場のボーイズライフ~後編」として放送されました。
物語の舞台は第三次忍界大戦の最中。カカシの上忍昇格を祝うミナト班に、敵国の補給路である「神無毘橋」を破壊する特別任務が下されます。このエピソードでは、任務遂行を絶対とするカカシと、敵に攫われたリンの救出を優先しようとするオビトが激しく対立します。そして、オビトがカカシに言い放った「仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」という言葉は、カカシの忍道を根底から揺さぶり、後の彼の生き方にまで多大な影響を与えました。ナルト本編の核心に深く関わる伏線が数多く散りばめられており、二人の物語を追う上で必読・必見のエピソードです。
項目 | 詳細 |
エピソード名 | カカシ外伝~戦場のボーイズライフ~ |
原作漫画 | 収録巻: 第27巻 話数: 第239話~第244話 |
テレビアニメ | シリーズ: NARUTO -ナルト- 疾風伝 話数: 第339話~第340話 |
物語の概要 | 第三次忍界大戦の「神無毘橋の戦い」が舞台。 カカシとオビトの過去、そしてカカシが左眼に写輪眼を得た経緯が描かれます。 |
重要ポイント | ・カカシとオビトの関係性の原点となる物語です。 ・オビトの名言「仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」が登場します。 |



ここ見とかんと、後の話が繋がらへんもんなぁ。全ての始まりはここやで、ほんま。
二人の運命を変えた、のはらリンの死


カカシとオビト、二人の運命を決定的に引き裂き、光と闇へと分かつターニングポイントとなったのが、チームメイトである、のはらリンの死でした。このあまりにも悲劇的な出来事が、二人の間に決して埋まることのない溝を作り出し、長年にわたる対立と憎しみの物語の幕開けとなります。
神無毘橋の戦いで岩の下敷きとなり、殉職したと思われていたオビトは、実はうちはマダラによって一命を取り留め、彼の隠れアジトでリハビリに励んでいました。カカシとリンの元へ帰ることだけを希望に過酷なリハビリを乗り越えたオビトでしたが、ある日、二人が霧隠れの忍たちの罠にはまり、窮地に陥っていることを知らされます。必死の思いで戦場へ駆けつけたオビトが目にしたのは、カカシの術「雷切」がリンの胸を貫いているという、地獄のような光景でした。
しかし、その背景には残酷な真実が隠されていました。リンは霧隠れの里によって体内に三尾を強制的に封印され、木ノ葉隠れの里を襲撃するための「人柱力爆弾」にされていたのです。さらにマダラによって心臓には自害を防ぐ呪印札まで仕込まれていました。リンは里を守るため、そして愛する人たちを守るため、自らの意志でカカシの雷切に身を投じ、自害を選びました。この真実を知らないオビトは、カカシがリンとの約束を破り見殺しにしたと誤解し、世界そのものに深い絶望を抱きます。愛する者を失った絶望は、オビトと、その場で一部始終を見ていたカカシの写輪眼を、同時に「万華鏡写輪眼」へと開眼させたのです。この瞬間、オビトは現実を捨て、マダラが提唱する幻の世界を創造する「月の眼計画」に加担する道を選んでしまいました。



ほんま切ない話やで…。リンちゃんの覚悟を思うと、胸がぎゅーっとなるわ。よう頑張ったなぁ。
カカシがオビトの正体に気づく瞬間
第四次忍界大戦において、長きにわたり忍の世界を影から操ってきた仮面の男「トビ」の正体が、かつての親友うちはオビトであるとカカシが気づく場面は、物語全体を通しても屈指の衝撃的な展開です。
カカシがトビの正体に確信を抱く最大のきっかけは、二人が奇しくも共有していた瞳術「神威」の特異な関連性でした。トビが使う、あらゆる物理攻撃をすり抜ける不可解な時空間忍術と、カカシが左眼に宿す、対象を強制的に別次元へ飛ばす時空間忍術。当初、カカシ自身もこれらが全く別の術だと認識していました。しかし、戦いを重ねる中で、カカシは自身が神威で飛ばしたクナイが、トビの体をすり抜けた箇所から現れるといった奇妙な現象に気づきます。ここから彼は、「自分たちが同じ異空間を共有しており、トビのすり抜けの正体は、体を部分的にその異空間へ転送しているのではないか」という仮説に至りました。
そして、その仮説が確信に変わる決定的な瞬間が訪れます。ナルト渾身の螺旋丸がトビの仮面に直撃し、ついにその素顔が露わになったのです。原作漫画では第599話「うちはオビト」でその顔が明かされ、そこに現れたのは、右半身に痛ましい傷跡を残しながらも、紛れもなく死んだはずの親友の姿でした。長年、慰霊碑に刻まれた友の名に己を戒め、語りかけてきた相手が、世界を破滅に導こうとする元凶として目の前に立ちはだかる。この残酷な現実は、カカシに計り知れない衝撃を与えました。



カカシ先生の気持ち考えたら、言葉も出えへんわ…。信じてたもんが全部ひっくり返るんやもんな。
なんjで語られる二人のすれ違い
カカシとオビトの物語は、その救いのない悲劇性、そして深く掘り下げられたキャラクターの心理描写から、なんj(なんでも実況J)をはじめとするインターネット上の匿名掲示板やSNSで、今なお活発に議論や考察が交わされる人気テーマの一つです。
ファンによる議論の中心となるのは、やはり二人の「すれ違い」の連鎖です。もしオビトがリンの死の真実、つまり彼女が里を守るために自決したことを知っていたらどうなっていたか。もし神無毘橋の戦いの後、うちはマダラではなくミナトに発見されていたら。そういった「if」の考察は尽きることがありません。オビトが第四次忍界大戦を引き起こした罪は決して許されるものではありませんが、その全ての行動の根源が、リンへの純粋な愛情が絶望と憎しみに反転したものであったことに、同情や共感を示す声も数多く見られます。
また、ナルトとサスケの関係性と対比する見方も一般的です。オビトを「愛する人(サクラ)を目の前で失い、絶望して闇に堕ちてしまったナルトのIFの姿」と捉え、一方でカカシを「親友(ナルト)に死なれ、その遺志を継ぎながらも、復讐の道を選ばず里を守り続けたサスケのIFの姿」として分析する意見もあります。このように、二人の物語は読者に多様な解釈を促し、ナルトという作品が持つ「憎しみの連鎖」や「相互理解」といったテーマ性をより深く考えさせる、非常に重要な要素として機能しているのです。



みんなで語り合うの、めっちゃオモロイよな!色んな見方ができるから、話が尽きひんのや。
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宿敵から共闘へ、カカシとオビトの物語
- カカシvsオビトは結局どっちが強い?
- 二人が使う神威の能力と違いを解説
- 感動を呼んだカカシとオビトの共闘
- まとめ:カカシとオビトの物語が伝えるもの
カカシvsオビトは結局どっちが強い?


「カカシとオビト、最終的にどちらが強いのか」という問いは、ファンの間で尽きることのない議論を呼ぶテーマです。二人の実力は物語の進行や状況によって大きく変動するため、単純な比較は困難ですが、いくつかの側面からその強さを考察することができます。
ピーク時の戦闘能力比較
純粋な戦闘能力、特にパワーや保有する術の規模で言えば、オビトに軍配が上がると考えられます。オビトはうちは一族の写輪眼に加え、初代火影・千手柱間の細胞をその身に宿しています。これにより、驚異的な生命力と回復力、そして本来千手一族にしか使えないはずの木遁忍術まで操ることが可能です。さらに、第四次忍界大戦のクライマックスでは十尾の人柱力となり、求道玉を操るなど、六道仙人に匹敵する規格外の力を手にしました。
一方のカカシも、「コピー忍者のカカシ」の異名を持ち、千種類以上の術を使いこなす木ノ葉隠れきっての天才忍者です。その戦術眼や状況判断能力は極めて高く、格上の相手とも渡り合ってきました。しかし、うちは一族ではない彼にとって、オビトから譲り受けた写輪眼、特に万華鏡写輪眼の使用は、体に多大な負担とチャクラ消費を強いるという明確な弱点がありました。
意志と覚悟が勝敗を分けた直接対決
しかしながら、物語における二人の最も重要な直接対決、すなわち神威の異空間で行われた一対一の死闘では、カカシが勝利を収めています。この戦いは、単なる術の応酬やパワーの比べ合いではありませんでした。それは、「かつての仲間(オビト)の意志を守るため、今の君(オビト)を殺す」という悲壮な覚悟を決めたカカシの精神力と、愛するリンのいる幻の世界へ逃避しようとしたオビトの精神力のぶつかり合いでした。結果として、仲間たちの想いを背負い、辛い現実と向き合うことを選んだカカシの意志の力が、オビトのそれを上回ったのです。
これらの点を踏まえると、「ピーク時の戦闘能力ではオビトが上回りつつも、互いの全てを懸けた宿命の対決においては、精神的な強さでカカシが勝利した」と考えるのが、最も妥当な見方かもしれません。



どっちが強い言うても、結局は『心の強さ』が勝負を分けるんやろな。深い話やわぁ。
二人が使う神威の能力と違いを解説
カカシとオビトが共有する万華鏡写輪眼の固有瞳術「神威」は、時空間忍術の中でも極めて特殊かつ強力な能力です。この術の最大の特徴は、もともとオビトの両眼に宿っていた一対の術でありながら、左右の眼でその能力の特性が明確に分かれている点にあります。二つの力が揃って初めて、その真価が最大限に発揮されるのです。
この術の根幹は、術者だけがアクセスできる「神威空間」と呼ばれる異空間に、物質を転送する能力です。しかし、その転送方法が左右で異なります。
はたけカカシ(左眼) | うちはオビト(右眼) | |
主な能力 | 遠距離にある対象を、視点を合わせた空間ごと強制的に神威空間に転送する | 術者自身や、術者が直接触れた対象を瞬時に神威空間に転送する |
得意な戦術 | 遠距離からの狙撃的な攻撃、防御不能な攻撃の実現、飛来する攻撃の迎撃 | 物理攻撃の完全な無効化(すり抜け)、敵の背後を取る奇襲、高速移動や離脱 |
発動時の特徴 | 視点を合わせた目標地点の空間が、渦を巻くように歪み、ねじり込まれるように消滅する | 術者の右眼を中心に、渦を巻くような空間の歪みが発生し、自身や対象を吸い込む |
応用例 | デイダラの起爆粘土による大爆発を爆発ごと転送して無効化する、敵の首だけを飛ばす | 自身の体を部分的に神威空間に飛ばすことで、あらゆる物理攻撃をすり抜けさせる |
このように、カカシの左眼が「遠距離・対象を限定した攻撃」に特化しているのに対し、オビトの右眼は「近距離・自身を対象とした防御と移動」に特化しています。そして物語上、最も重要なのは、この二つの全く異なるアプローチの術が、同じ「神威空間」という一つの終着点に繋がっているという事実です。この特異な性質が、後にカカシが仮面の男トビの正体に気づくための、決定的なヒントとなったのです。



一つの術が二つに分かれてるなんて、ロマンあるやん?二人が揃ってこそ最強ってことやな!
感動を呼んだカカシとオビトの共闘


長年にわたる憎しみとすれ違いの果てに、カカシとオビトが再び仲間として背中を預け合い、共闘する場面は、ナルトの物語全体を通しても屈指の感動的な名シーンです。
第四次忍界大戦の終盤、主人公ナルトの決して諦めないまっすぐな言葉と姿に、火影を目指していた少年時代の自分を重ね合わせたオビトは、ついに心の迷いを振り払います。罪を償うため、そしてかつての仲間たちと、ナルトに託した未来を守るために、彼は忍連合軍側に寝返ることを決意しました。
そして、全てのチャクラの祖である大筒木カグヤとの最終決戦。六道仙術以外の攻撃が一切通用しない絶望的な状況下で、カカシとオビトは、かつてのミナト班を彷彿とさせる完璧な連携を見せます。二人はそれぞれの「神威」の能力を同期させ、カグヤが開いた異空間のポータルに割り込み、サスケを救出するという離れ業を成し遂げました。カカシが敵の攻撃の位置を正確に見極め、オビトが寸分の狂いもなく時空間のゲートを開く。その息の合ったコンビネーションは、言葉を交わさずとも互いを理解し合っていた、真の親友の姿そのものでした。
最終的にオビトは、ナルトとサスケをカグヤの「共殺の灰骨」から庇い、その身を挺して致命傷を負います。しかし、死の間際にチャクラだけの存在となって現世に留まり、カカシに「お前は六代目火影になれ」と言葉をかけ、自身の両眼の力を一時的に託します。これにより両目の万華鏡写輪眼を得たカカシが、友の力を借りて完成体須佐能乎を発動する展開は、多くの読者の涙を誘いました。



やっと二人で笑い合えたんやな…。色々あったけど、最後は親友に戻れてほんま良かったわ。
まとめ:カカシとオビトの物語が伝えるもの
- カカシとオビトはミナト班の仲間であり、親友でありライバルだった
- 二人の関係は、仲間である、のはらリンをめぐる悲劇で決裂した
- オビトはリンの死をカカシのせいだと誤解し、世界に絶望した
- この悲劇をきっかけに、二人は同時に万華鏡写輪眼を開眼した
- オビトはうちはマダラに利用され、仮面の男トビとして暗躍を始める
- 二人の過去は、原作漫画27巻収録の「カカシ外伝」で描かれている
- カカシは第四次忍界大戦中、神威の能力の関連性からトビの正体に気づく
- 純粋な戦闘力では柱間細胞や十尾を持つオビトが上回ると考えられる
- しかし、神威空間での一対一の対決ではカカシが精神的な強さで勝利した
- 二人が使う瞳術「神威」は、左右の眼で能力が異なる一対の術である
- カカシの左眼は遠距離転送、オビトの右眼は自己転送と物理攻撃の無効化に特化している
- ナルトの説得で改心したオビトは、最終決戦でカカシと共闘する
- オビトはナルトたちを守るために命を落とし、最期にカカシと和解した
- 二人の物語は、愛が憎しみに変わる悲劇と、許しによる救いを描いている
- ナルトにおける「憎しみの連鎖」というテーマを象徴する物語と言える



遠回りしたけど、大事なもんはちゃんと繋がってたんやな。二人の物語、ほんま心に響くわ。