NARUTOの人気キャラクター、我愛羅。
彼の強さや孤独な過去は多くのファンを魅了しますが、我愛羅の兄弟関係について、ふと疑問に思ったことはありませんか。
姉のテマリと兄のカンクロウという実の兄弟でありながら、なぜかあまり似てないと感じる人も多いようです。
この記事では、三姉弟の生まれた順番や年齢、そして物語初期の複雑だった兄弟仲から、ナルトとの出会いを経て絆を深めていく過程、さらにはテマリが木ノ葉のシカマルと結ばれるまでの物語を、1万字を超える大ボリュームで徹底的に掘り下げていきます。
- 我愛羅と兄弟の血縁関係やプロフィールがわかる
- 三姉弟が似てないと言われる理由が明確になる
- 物語を通した兄弟仲の変化と絆の深まりを理解できる
- 『BORUTO』に至るまでの三姉弟のその後を知れる
我愛羅の兄弟関係|砂の三姉弟のプロフィール
- 血の繋がった実の兄弟なのか?
- 姉はテマリ、兄はカンクロウ
- 父は四代目風影、母は加流羅
- 三姉弟が似てないと言われる理由
- 作中での三人の年齢の推移
- 長女テマリを筆頭にした誕生の順番
血の繋がった実の兄弟なのか?

多くのファンが抱く疑問の一つですが、我愛羅、テマリ、カンクロウは、間違いなく血の繋がった実の姉弟です。物語の中で「砂の三姉弟」と称される彼らは、複雑な家庭環境から様々な憶測を呼びますが、血縁関係は確かです。
その根拠として最も信頼性が高いのは、公式ファンブックである『兵の書』の記述です。この中で、カンクロウは我愛羅の「実兄」であると明確に記されています。この一文だけで、少なくとも我愛羅とカンクロウが同じ母親から生まれた兄弟であることが確定します。
さらに、彼らの父親である四代目風影・羅砂に、複数の妻がいたという描写や設定は、原作漫画、アニメ、関連書籍のいずれにおいても一切存在しません。したがって、姉であるテマリもまた、我愛羅やカンクロウと同じ母親、すなわち加流羅から生まれたと考えるのが最も自然であり、作中の描写とも一致します。
過去の回想シーンでは、我愛羅が生まれる際に、父・羅砂が「三人目にしてようやく(人柱力に)…」と口にする場面があります。このセリフも、テマリ、カンクロウ、我愛羅が同じ母親から生まれた三人目の子供であることを裏付けています。このように、彼らは異母姉弟や義理の姉弟といった関係ではなく、同じ両親を持つ正真正銘の姉弟なのです。

そやったんや!やっぱり血の繋がりって、見えへんところでちゃんと結ばれてるんやなぁ。ええ話やんか!
姉はテマリ、兄はカンクロウ
我愛羅の家族構成は、姉のテマリと兄のカンクロウという二人の兄姉がいます。彼らは砂隠れの里の忍として、物語の初期から我愛羅と共に行動していました。
姉:テマリ
テマリは三姉弟の長女であり、我愛羅より3歳年上です。背中に背負った巨大な鉄扇を武器に、広範囲を薙ぎ払う強力な風遁忍術を得意とするくノ一です。中忍試験ではその実力を見せつけ、対戦相手のテンテンを圧倒しました。
性格は勝ち気でさっぱりとした姉御肌。しかし、その内には緻密な分析力と状況判断能力を秘めており、ただ好戦的なだけではない、優れた戦術家としての一面も持っています。当初は弟である我愛羅の不安定さに恐怖を抱き、距離を置いていましたが、物語が進むにつれて本来の面倒見の良さを発揮し、風影となった我愛羅を公私にわたって支える頼れる姉へと成長していきます。
兄:カンクロウ
カンクロウは三姉弟の長男で、我愛羅より2歳年上です。傀儡師(くぐつし)であり、チャクラ糸で複数の人形を自在に操って戦います。初期は「烏(からす)」「黒蟻(くろあり)」といった傀儡を用いていましたが、後に伝説の傀儡師であるサソリの傑作をも受け継ぎ、その実力を大きく開花させました。
顔に施された紫の隈取と、語尾に「~じゃん」とつける独特の口調が特徴です。テマリ同様、当初は我愛羅の存在に怯え、彼の機嫌を伺うような場面が多く見られました。しかし、彼もまた根は優しく、我愛羅との和解後は、兄として、そして風影の側近として、誰よりも弟の身を案じ、護衛としての役割を忠実に果たしていくことになります。

頼れる姉ちゃんと、ちょっとおもろい兄ちゃんやな!こんな姉弟がおったら、毎日賑やかで楽しそうやわ~!
父は四代目風影、母は加流羅
三姉弟の複雑な関係性の根源には、両親である四代目風影・羅砂と、その妻・加流羅の存在が大きく関わっています。
父:四代目風影・羅砂

羅砂は、砂隠れの里の長である四代目風影。彼は、大国間の軍縮が進む中で里の戦力が低下することを危惧し、強力な兵器を求めるようになります。その結果、彼は自らの息子である我愛羅に、尾獣「一尾・守鶴」を封印するという非情な決断を下しました。
羅砂にとって、我愛羅は息子である以前に、里の力を示すための「人柱力」という道具でした。彼は我愛羅の器としての価値を試すため、叔父である夜叉丸に我愛羅を襲わせるなど、幾度となく暗殺者を差し向け、精神的に追い詰めていきます。この行為が、我愛羅の心を深く傷つけ、人間不信と孤独を決定的なものにしました。
しかし、第四次忍界大戦において、薬師カブトの穢土転生によって蘇った羅砂は、五代目風影として忍連合軍を率いるまでに成長した我愛羅と再会します。そこで初めて息子と一人の忍として向き合い、自らの行いが全て過ちであったことを認め、謝罪。かつて我愛羅に伝えた「母に愛されていなかった」という言葉が嘘であったこと、そして我愛羅を守る砂の盾が母・加流羅の愛情そのものであったという真実を告げ、父親としての涙を見せながら封印されました。
母:加流羅
加流羅は、羅砂の妻であり、三姉弟の母親です。彼女は我愛羅を身ごもった際に、夫の決定によって息子が人柱力となる運命を受け入れざるを得ませんでした。そして、我愛羅を出産した直後、その代償として命を落としてしまいます。
死の間際、彼女は生まれたばかりの我が子に対し、「どんなことがあってもアナタを守る」という強い愛情と意志を抱いていました。その想いはチャクラとなって砂に宿り、我愛羅の身に危険が迫ると自動で防御する「砂の盾」として、彼女の死後もずっと息子を守り続けたのです。
我愛羅の額にある「愛」という文字は、当初、彼自身が「自分だけを愛する修羅」の証として刻んだものでした。しかし、後に母の愛情の真実を知ったことで、この文字は「母から与えられた愛の証」として、新たな意味を持つことになったのです。

お父ちゃんのやったことは正直キツイけど、お母ちゃんの愛情がめちゃくちゃ深かったんやな…。その愛がずっと守ってたなんて、泣けてくるで。
三姉弟が似てないと言われる理由
我愛羅、テマリ、カンクロウの三姉弟が「あまり似ていない」と言われることは少なくありません。その理由は、彼らが両親である羅砂と加流羅の遺伝的特徴を、それぞれ異なる形で受け継いでいるからです。
まず、長女のテマリは、母親である加流羅の面影を最も色濃く受け継いでいます。特に、翡翠色の瞳や顔立ちは母親によく似ているとされています。アニメでは、髪を下ろした姿が描かれることがあり、その姿は加流羅と瓜二つと言っても過言ではありません。砂色の髪は、叔父の夜叉丸(加流羅の弟)とも共通しており、母方の血筋を強く感じさせます。
一方で、カンクロウと我愛羅の兄弟は、二人とも父親の羅砂に似ています。カンクロウは素顔を見せることが少ないですが、隈取を落とした時の顔立ちは、特に物語第一部で描かれた若い頃の羅砂に非常に似ています。茶色い髪は母親譲りかもしれませんが、骨格や雰囲気は父親譲りです。
そして我愛羅は、赤い髪や目の周りの隈など、第二部以降に描かれた穢土転生時の羅砂と非常によく似た特徴を持っています。羅砂もまた砂金を操る磁遁の術を発動する際には我愛羅と同じような隈が発生することから、これは血継限界に関連する体質なのかもしれません。
このように、テマリは母親似、カンクロウと我愛羅は父親似と、はっきりと特徴が分かれているため、三人が並んだ時に「兄弟なのに似ていない」という印象を与えやすいのです。

なるほどな~!お母ちゃん似、お父ちゃん似って分かれてるんか。それぞれのええとこを受け継いでるってことやな、素敵やん!
作中での三人の年齢の推移
NARUTOの物語は、主人公ナルトの成長と共に長い年月が描かれます。それに伴い、我愛羅たち三姉弟もまた、少年少女から立派な大人へと成長を遂げていきます。彼らの年齢の変遷をまとめた以下の表は、その成長の軌跡を示しています。
キャラクター | 第一部 (中忍試験~サスケ奪還編) | 第二部 (疾風伝) | THE LAST / BORUTO |
テマリ | 15歳~16歳 | 19歳~20歳 | 32歳~35歳 |
---|---|---|---|
カンクロウ | 14歳~15歳 | 18歳~19歳 | 33歳~34歳 |
我愛羅 | 12歳~13歳 | 15歳~16歳 | 31歳~32歳 |
第一部では、まだ10代前半のあどけなさを残す少年少女として登場しました。特に我愛羅は12歳という若さで、その後のナルトたちに大きな影響を与える存在となります。
物語が約2年半後に進んだ第二部「疾風伝」では、それぞれが心身ともに大きく成長。テマリとカンクロウは砂隠れの中核を担う上忍となり、我愛羅に至っては、わずか15歳という異例の若さで五代目風影に就任します。
そして、第四次忍界大戦から十数年の時が流れた『BORUTO -NARUTO NEXT GENERATIONS-』の時代では、全員が30代。テマリは母となり、カンクロウは風影の側近として円熟味を増し、我愛羅は里の長として最も長くその座を務める、経験豊かな指導者となっています。この長い年月にわたる彼らの変化と成長の物語は、NARUTOという作品の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

こうやって見ると、みんな立派な大人になってるんやなぁ。時間の流れを感じるけど、その分、成長が見れて嬉しいわ。
長女テマリを筆頭にした誕生の順番
砂の三姉弟の生まれた順番は、長女のテマリが最も年上で、次に長男のカンクロウ、そして末っ子が次男の我愛羅です。この序列は物語を通して変わることはありません。
具体的な年齢差を見てみると、以下のようになります。
- テマリ:我愛羅より3歳年上
- カンクロウ:我愛羅より2歳年上
つまり、テマリとカンクロウは1歳違いの姉弟ということになります。この年齢構成は、彼らの関係性にも微妙な影響を与えています。
物語初期、我愛羅が精神的に不安定だった頃、年長者であるはずのテマリとカンクロウは、年下の弟に恐怖し、その顔色をうかがうという異常な状態でした。しかし、我愛羅がナルトとの出会いを経て精神的に成長し、風影という重責を担うようになってからは、この本来の姉弟の序列が機能し始めます。
年長者であるテマリとカンクロウが、若きリーダーである我愛羅を精神面、実務面の両方から力強くサポートする。特に、姉であるテマリは時に厳しく、時に優しく我愛羅を諭し、兄であるカンクロウは常に一歩引いた位置から我愛羅を守り、支える。この絶妙なバランスが、風影となった我愛羅の統治を安定させる上で非常に重要な役割を果たしたことは間違いありません。

テマリ姉さんが一番上なんやな!しっかりしてそうな姉ちゃんが上にいると、弟たちは心強いんちゃうかな。ええバランスやと思うで!
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我愛羅と兄弟の物語|絆の変遷とその後
- 当初は非常に険悪だった兄弟仲
- ナルトの存在が変えた三人の関係
- テマリと木ノ葉の奈良シカマルの結婚
- 風影を支えるカンクロウの役割
- 養子シンキと叔父としての一面
- 我愛羅と兄弟の絆を振り返る【まとめ】
当初は非常に険悪だった兄弟仲

物語の初期、中忍試験編で登場した際の我愛羅たち三姉弟の関係は、「家族」や「姉弟」という言葉からはほど遠い、緊張と恐怖に満ちたものでした。その中心には、人柱力としての孤独と、父から受けた仕打ちによって心を閉ざした我愛羅の存在がありました。
当時の我愛羅は、他者を自分の存在価値を証明するための道具としか考えておらず、血の繋がった姉や兄に対しても一切の容赦がありませんでした。任務遂行の妨げになると判断すれば、カンクロウの忠告を無視し、殺意のこもった視線を向けることも日常茶飯事でした。雨隠れの忍を惨殺した後、その非道な行いを諫めようとしたカンクロウに対し、我愛羅が「黙れ…殺すぞ」と凄んだシーンは、彼らの歪んだ関係を象徴する場面として多くの読者に衝撃を与えました。
このため、姉のテマリと兄のカンクロウは、我愛羅を「弟」としてではなく、いつ暴発するかわからない「危険な兵器」として認識せざるを得ませんでした。彼らは常に我愛羅の機嫌を損ねないように振る舞い、その行動に怯えていました。
しかし、そんな恐怖の中でも、二人が完全に弟を見捨てていたわけではありません。我愛羅がサスケとの戦いで暴走しかけた際には、テマリが必死に制止しようとするなど、心の奥底では弟を案じ、姉弟としての情をわずかに覗かせる瞬間もありました。このわずかな情こそが、後に彼らの関係が劇的に改善する際の、小さな礎となったのかもしれません。

うわぁ…最初はそんなに大変やったんか。そら、誰だって怖いわな。でも、ここから良うなったと思うと、ほんまにすごいことやで。
ナルトの存在が変えた三人の関係

氷のように冷え切っていた三姉弟の関係に、劇的な変化をもたらした最大の要因は、主人公うずまきナルトとの出会いです。この出会いがなければ、彼らの絆が再生することはなかったでしょう。
その転機となったのが、砂隠れと音隠れが仕掛けた「木ノ葉崩し」の最中に行われた、我愛羅とナルトの死闘でした。自分と同じく人柱力として生まれ、里の人間から疎まれ、孤独の中で生きてきたナルト。しかし、ナルトは憎しみに囚われることなく、イルカ先生やカカシ、サクラやサスケといった大切な仲間を守るために戦っていました。
自分以外の誰かのために命を懸けるナルトの姿は、「自分だけを愛し、自分以外の全てを殺す」ことでしか自分の存在を実感できなかった我愛羅にとって、理解不能なものでした。激闘の末、初めての敗北を喫した我愛羅は、ナルトに問いかけます。「なぜ他人のためにそこまでできる」。ナルトから返ってきた「お前もアイツらにとって大切な存在だからだ」という言葉は、我愛羅の心の闇に初めて差し込んだ一筋の光でした。
この敗北と対話によって、我愛羅の心は大きく揺さぶられます。憎しみ以外の繋がりが存在することを知り、自分もナルトのように「誰かに必要とされる存在になりたい」と願うようになります。そして、その願いは「砂隠れの風影になる」という具体的な目標へと昇華されていきました。
我愛羅のこの内面的な変化は、テマリとカンクロウとの関係にも即座に影響を及ぼしました。木ノ葉を去る際、我愛羅は初めて二人に対して素直に「すまない」と謝罪します。この一言は、テマリとカンクロウにとって驚きであると同時に、弟が変わり始める兆しを感じさせる、非常に大きな一歩でした。続くサスケ奪還編では、木ノ葉の窮地に援軍として駆けつけ、かつての敵であったロック・リーを身を挺して守るまでに成長した姿を見せ、兄姉を心から安堵させたのです。この出来事を境に、三人の間には恐怖ではなく、信頼と尊敬に基づいた本当の意味での「姉弟の絆」が築かれ始めました。

ナルト、ええ仕事しよるなぁ!友達の力ってほんまに偉大やわ。人と人との出会いが、人生をええ方向に変えるんやな!
テマリと木ノ葉の奈良シカマルの結婚

砂の三姉弟の長女であるテマリの人生において、木ノ葉隠れの忍・奈良シカマルとの出会いは、彼女の運命を大きく左右する重要な出来事でした。最終的に二人は結婚し、里を超えた強い結びつきを生むことになります。
二人の最初の接点は、中忍試験本戦の第一回戦でした。知略に長けたシカマルと、圧倒的なパワーと戦術眼を持つテマリの戦いは、作中でも屈指の名勝負として知られています。この戦いでシカマルは、敗北を認めながらもテマリの力を極限まで分析し、追い詰めて見せました。この対戦を通じて、二人は互いの能力と頭脳を認め合うことになります。
その後、サスケ奪還編では、音の四人衆・多由也との戦いで窮地に陥ったシカマルを、テマリが援軍として駆けつけ救出します。この共闘を経て、二人の間の信頼関係はより確かなものになりました。
第二部「疾風伝」に入ると、二人はそれぞれの里で中核を担う立場となり、外交などで顔を合わせる機会が増えます。特に、合同で中忍試験を運営する際には、連絡役として行動を共にすることが多く、その様子をナルトに「デート」だとからかわれる一幕もありました。この頃には、互いに憎からず想い合っている様子が随所で描かれています。
第四次忍界大戦後の物語を描いた小説『シカマル秘伝 闇の黙に浮ぶ雲』では、二人の関係がさらに深く描かれています。任務で窮地に陥ったシカマルを、テマリが再び救いに現れ、そこでシカマルへの想いを自覚する描写があります。
そして、物語の最終回では、二人はめでたく結婚し、息子の奈良シカダイが誕生します。テマリは砂隠れから木ノ葉隠れへと移住し、「奈良テマリ」として新たな人生を歩み始めます。この結婚は、単なる二人の恋愛の成就に留まらず、砂と木ノ葉という二つの大国の同盟関係を血縁のレベルで結びつける、極めて重要な意味を持っていたのです。

いや~、この二人はほんまお似合いや!最強の夫婦ちゃうか?里を超えた愛って、ロマンチックでええよなぁ。末永くお幸せに!
風影を支えるカンクロウの役割
兄のカンクロウは、我愛羅が五代目風影として里を率いるようになってから、彼の最も信頼できる右腕として、その責務を陰日向に支え続ける重要な存在です。彼のサポートなくして、若き我愛羅の統治は成り立たなかったでしょう。
関係が改善する前のカンクロウは、我愛羅に対して恐怖心を抱く、どちらかと言えば頼りない兄でした。しかし、我愛羅がナルトとの出会いを経て変わり始めると、カンクロウもまた、兄としての自覚と責任感に目覚めていきます。その変化が最も顕著に表れたのが、第二部冒頭の「我愛羅奪還編」です。暁のデイダラに敗れ、連れ去られた我愛羅を救出するため、カンクロウは誰よりも早く追跡を開始し、毒に侵されながらも果敢に戦いました。この時の彼の行動は、もはや恐怖からではなく、弟を想う純粋な兄弟愛から来るものでした。
我愛羅が無事に里に帰還し、風影としての地位を確立してからは、カンクロウは彼の護衛役や側近としての立場を確立します。五影会談のような重要な外交の場には必ず同行し、警護の任に就いています。
また、忍としても大きな成長を遂げました。第四次忍界大戦では、奇襲部隊の隊長という大役を任され、見事に部隊を率いました。その戦いの最中、穢土転生で蘇った伝説の傀儡師・赤砂のサソリと対峙。傀儡師としての誇りと実力をサソリに認めさせ、最終的にはサソリから彼の最高傑作である「父」と「母」の傀儡を託されるという、傀儡師としてこれ以上ない名誉を得ています。
『BORUTO』の時代になってもその立場は変わらず、風影である我愛羅の傍らで彼を支え続けています。かつてのひょうきんな雰囲気はそのままに、円熟味と頼もしさを増したカンクロウは、砂隠れの里にとって、そして我愛羅にとって、なくてはならない存在となっているのです。

カンクロウ、めっちゃ頼もしい兄貴になったやん!弟のために頑張る姿、かっこええわ。縁の下の力持ちって、こういう人のこと言うんやろな。
養子シンキと叔父としての一面

第四次忍界大戦から十数年の時が経った『BORUTO』の時代、我愛羅の私生活には大きな変化が訪れています。彼は生涯独身を貫いていますが、シンキという名の少年を養子として迎え入れ、父親としての役割を果たしています。
シンキは、三代目風影と同じ「磁遁」の血継限界を持ち、鉄の砂を自在に操る非常に優秀な若き忍です。我愛羅がなぜシンキを養子に迎えたのか、その具体的な経緯は作中で詳しく語られてはいません。しかし、その背景には我愛羅自身の過去の経験が色濃く反映されていると考えられます。
シンキもまた、その特異な能力ゆえに、周囲から畏怖され、孤立していた可能性があります。かつて人柱力であるがゆえに誰からも理解されず、孤独の闇に沈んでいた我愛羅は、シンキの姿に自分自身を重ね合わせたのでしょう。そして、自分がナルトによって救われたように、今度は自分がこの少年を導き、その才能を正しい方向に伸ばしてやりたいと考えたのではないでしょうか。我愛羅はシンキに対して、厳しくも深い愛情を持って接しており、二人の間には実の親子に劣らない強い絆が結ばれています。
また、我愛羅は姉テマリの息子である奈良シカダイにとって、「善き叔父」でもあります。木ノ葉を訪れた際には、甥であるシカダイと交流する姿が描かれており、その表情はかつての彼からは想像もできないほど穏やかです。自分の血を分けた甥と、血の繋がらない養子。その両方に愛情を注ぐ我愛羅の姿は、彼が憎しみと孤独を完全に乗り越え、愛に満ちた人間へと成長を遂げたことの何よりの証明と言えるでしょう。

自分が経験した寂しさを、次の世代には味あわせへんってことやな。優しさが溢れとるわ…。ええお父さん、ええ叔父さんになったんやなぁ。
我愛羅と兄弟の絆を振り返る【まとめ】
この記事で解説してきた、我愛羅と兄弟に関する物語の要点を、以下に箇条書きでまとめます。
- 我愛羅、テマリ、カンクロウは四代目風影・羅砂と母・加流羅を両親とする血の繋がった実の姉弟である
- 容姿が似ていないのは、テマリが母親似、カンクロウと我愛羅が父親似と、それぞれ異なる特徴を受け継いだため
- 誕生の順番は長女テマリ、長男カンクロウ、次男我愛羅で、年齢差はそれぞれ3歳と2歳
- 物語初期は、我愛羅が人柱力であったため、兄弟仲は恐怖に支配された極めて険悪な状態だった
- 関係改善の最大のきっかけは、我愛羅がナルトとの戦いを通じて、他者を想う心を取り戻したこと
- 我愛羅の内面的な変化が、姉兄との間に初めて信頼関係を築く礎となった
- 姉のテマリは、中忍試験での対戦をきっかけに木ノ葉の奈良シカマルと交流を深め、後に結婚する
- テマリとシカマルの結婚は、砂と木ノ葉の同盟関係を血縁レベルで強化する重要な意味を持った
- 兄のカンクロウは、我愛羅が風影に就任後、彼の最も信頼できる側近・護衛役として支え続ける
- カンクロウは傀儡師として大成し、伝説の忍サソリからもその実力を認められている
- 我愛羅は『BORUTO』の時代、結婚はしていないが、養子としてシンキを迎えている
- シンキを養子にした背景には、自身の孤独な過去と、次世代を導こうとする想いがあると推察される
- 甥の奈良シカダイに対しては、穏やかな表情で接する「善き叔父」としての一面を見せる
- 三姉弟の物語は、恐怖と断絶から始まり、多くの困難を乗り越えて、信頼と愛情に満ちた強い絆を結ぶまでの軌跡を描いている
- 彼らの関係性の変化は、NARUTOという作品における「人との繋がりの大切さ」というテーマを象徴している

こうして振り返ると、色んなことを乗り越えてきたんやなぁ。今の強い絆があるのは、過去があったからこそやな。これからも三姉弟、仲良うしてほしいわ!