また、なんjなどのファンコミュニティで「無理ゲー」と評されるこの戦いの背景や、角都の能力の核である心臓の秘密、さらには第四次忍界大戦での穢土転生による復活まで、角都というキャラクターを多角的に分析し、その魅力と謎を解き明かしていきます。
角都の長い人生において、最も大きな転機となったのが初代火影・千手柱間との戦いです。この戦いは、角都がまだ滝隠れの里に所属していた頃、里の精鋭として「柱間の暗殺」という極秘任務を請け負ったことに端を発します。
この任務が与えられたこと自体、角都が里でも屈指の実力者であったことを示唆しています。しかし、相手は後に「忍の神」とまで称されることになる千手柱間でした。柱間が駆使する木遁秘術の圧倒的な力の前に、角都は為す術なく敗走を余儀なくされます。作中ではこの戦いの詳細な描写はありませんが、角都自身の口から語られる「お前らの額当てを見ると一番最初に戦った木ノ葉の忍を思い出す」というセリフから、彼にとっていかに強烈な経験であったかがうかがえます。
言ってしまえば、この任務失敗が、彼のその後の生き方を決定づけました。里への忠誠を誓っていたはずの優秀な忍が、人間不信と拝金主義に陥り、禁術に手を染めて抜け忍となる。その全てのきっかけが、この柱間との対戦にあったのです。このエピソードは、単なる過去の戦いというだけでなく、角都というキャラクターの根幹を形成する重要な物語となっています。
角都の「初代火影と戦った」という発言は、作中のキャラクターだけでなく、多くの読者やファンコミュニティにも衝撃を与え、特に「なんj」をはじめとするインターネット掲示板では頻繁に語られるテーマとなっています。
連載当時、読者が知る柱間の情報は、大蛇丸の不完全な穢土転生によって蘇った姿が主であり、その強さの全貌はまだ謎に包まれていました。そのため、当初は角都の発言を単なる「お年寄りの武勇伝」や「自慢話」として捉える向きも少なくありませんでした。
しかし、物語が終盤に進み、第四次忍界大戦で全盛期の柱間の規格外の強さが明らかになるにつれて、角都への評価は一変します。うちはマダラと渡り合い、地形を変えるほどの忍術を繰り出す「忍の神」の実力が描かれたことで、「あの柱間を相手に生き延びただけでもすごい」「むしろよく生きて帰れたな」といった再評価の声が圧倒的多数を占めるようになりました。
このように考えると、角都の武勇伝は、物語の進行と共にその価値が大きく変動した珍しいケースと言えます。当初の「負けた自慢」という見方から、「生還したこと自体が伝説」という称賛へ。この評価の変化は、ファンが『NARUTO』の世界観の奥深さを再認識するきっかけの一つにもなったのです。
