『るろうに剣心』の中でも屈指の名シーンとして語り継がれるのが、雪代巴の死にまつわるエピソードです。
なぜ彼女は命を落とすことになったのか?「ごめんなさい、あなた」という最後のセリフには、どんな意味が込められていたのか?
この記事では、「雪代巴が死んだ理由」をテーマに、彼女の死因は?最後の瞬間、雪代巴と剣心の関係は?といった視点から徹底解説していきます。
さらに、アニメ・漫画・実写映画で異なる描写の違いや、巴と薫のヒロイン像の比較、弟・縁との複雑な関係性まで幅広く紹介。
剣心と巴のラブシーンや、声を担当した声優情報も網羅しています。
感情の機微や登場人物たちの思惑が交錯する中で、巴の死は何を意味し、剣心にどんな影響を与えたのか——深く掘り下げてお届けします。
物語の核心に触れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 雪代巴の死因とその直前の状況
- 剣心と雪代巴の複雑な関係と経緯
- 各メディア(漫画・アニメ・映画)での描かれ方の違い
- 巴の死が剣心や物語全体に与えた影響
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 雪代 巴 |
ふりがな | ゆきしろ ともえ |
登場作品 | るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- |
関係者 | 緋村剣心の妻(元) |
初登場 | 追憶編(過去編) |
声優(アニメ) | 岩男潤子 |
実写版キャスト | 有村架純(『The Beginning』) |
特徴 | 寡黙で感情を表に出さないが、芯の強い女性 |
関係の深い人物 | 清里明良(許嫁)、雪代縁(弟) |
物語上の役割 | 剣心の心を癒し、彼の生き方を変えるきっかけとなる人物 |
るろうに剣心:雪代巴が死んだ理由を解説
- 死因は?最後に何があったのか
- 雪代巴と剣心の関係は?
- 剣心と巴のラブシーンまとめ
- 最後のセリフ:ごめんなさい あなたの意味
- 雪代巴と弟・縁の関係とは
死因は?最後に何があったのか
雪代巴の死因は、夫である緋村剣心が誤って斬ってしまったことにあります。これは、剣心が幕府方の暗殺組織「闇乃武」との戦闘中、視覚や聴覚、さらに触覚まで一時的に奪われるという極限状態に追い詰められていたために起こった悲劇でした。
具体的には、最後の敵である闇乃武のリーダー・辰巳との一騎打ちにおいて、巴は剣心を救おうとして敵との間に割って入ります。このとき、辰巳に短刀を向けて攻撃を止めようとした巴でしたが、目や耳が効かない剣心はその存在に気づくことができませんでした。剣心は自分の命を守るために、ただ感覚を頼りに刀を振り下ろしますが、そこには敵と共に巴も立っていました。結果的に辰巳を倒すと同時に、剣心は巴をも斬り殺してしまったのです。
ここで重要なのは、剣心は意図的に巴を斬ったわけではないという点です。刀を振った後に、巴がいつも使っていた香り「白梅香(はくばいこう)」に気づき、自らの過ちを知ることになりました。なお、巴が斬られた際に手にしていた短刀が宙に舞い、剣心の頬に二本目の傷を刻みます。一本目は巴の許嫁・清里明良がつけたものであり、この二本の傷が重なって剣心の頬に十字傷が完成したのです。
ただ、この死には作品のバージョン(原作漫画、アニメ、実写映画)によって微妙な描写の違いがあります。漫画版では偶然短刀が飛んで傷がつくのに対し、アニメ版や映画版では巴が意図的に傷をつけたことになっています。いずれにしても、巴が剣心を守ろうとして死亡したという事実は共通しており、これが物語の重要な転換点となっています。
項目 | 内容 |
---|---|
死因 | 剣心が誤って巴を斬ってしまった |
状況 | 闇乃武との戦闘中、感覚を奪われた状態 |
直接的な出来事 | 辰巳との戦闘中に巴が割って入り斬られる |
剣心の状態 | 視覚・聴覚・触覚を一時的に失っていた |
剣心の反応 | 香りで巴に気づき、過ちを知る |
十字傷の完成理由 | 巴の短刀で二本目の傷がつき十字傷に |
剣心の意図 | 巴を意図的に斬ったわけではない |
作品ごとの違い | 漫画は偶然、アニメ・映画は意図的な傷 |
共通点 | 巴が剣心を守ろうとして死んだ |

なんでや…こんな結末、せつなすぎるやろ…
雪代巴と剣心の関係は?

雪代巴と緋村剣心の関係は、夫婦であると同時に複雑な因縁を抱えたものでした。なぜなら、巴の許嫁だった清里明良を殺害したのが、ほかでもない剣心だったからです。
二人の関係が始まったのは、巴が剣心への復讐を目的に接近したことからでした。元々巴は幕府方の暗殺組織「闇乃武」の間者(スパイ)であり、剣心を陥れるための弱点を探る任務を与えられていました。しかし剣心の人柄に触れ、次第にその復讐心は揺らぎ始めます。特に京都から離れ、大津で共に夫婦として静かな日常を過ごすようになってからは、剣心が本来持っていた優しさや誠実さを強く感じるようになりました。
一方の剣心にとっても、巴はそれまでの暗殺稼業で荒んだ心を癒す、かけがえのない存在となりました。当初は互いにぎこちなさがあった二人でしたが、日常の穏やかな暮らしを通じて、本物の愛情を育んでいったのです。ただし、剣心は最後の最後まで巴が元々許嫁の仇である自分への復讐を狙っていたことは知りませんでした。
その後、闇乃武が本格的に剣心の命を狙い始めると、巴は剣心を守ることを決意します。最終的に彼女が命をかけて守ったことによって、二人の間の愛情が真実であったことが証明された形となりました。しかし、結果としてその行動が悲劇を引き起こし、剣心は生涯にわたり巴の死を背負うことになってしまいます。つまり、二人の関係は愛情だけでなく深い悲しみと罪の意識も伴ったものであり、これが剣心が後に「不殺の誓い」を立てる大きな要因になっています。

なんちゅう切ない夫婦愛や……せやけど、心で繋がっとったんやなあ
剣心と巴のラブシーンまとめ

剣心と巴のラブシーンは、派手な演出や大胆な描写ではなく、静かで繊細なやりとりを通して、互いの心が徐々に近づいていく様子が描かれています。そのため、ラブシーンと言ってもいわゆる恋愛ドラマのようなものではなく、感情の機微が丁寧に表現されている点が特徴です。
特に印象的なのは、大津での田舎暮らしの描写です。夫婦として身を寄せ合い、畑仕事をしたり、食卓を囲んだりする中で、剣心は次第に人斬りの狂気から解放され、心を落ち着かせていきます。その姿を見守る巴は、元々復讐のために剣心に近づいたことを忘れそうになるほど、彼に惹かれていくのです。
ある夜、剣心が眠る姿にそっと布団をかける巴のシーンは、その静けさゆえに深く心に残ります。その際、剣心は反射的に巴に刀を向けてしまいますが、巴は怯えることなく「今のあなたには鞘が必要ですから」と伝えます。このやりとりこそが、二人の信頼と愛情の芽生えを象徴するシーンです。
また、祝言を挙げてからの生活も、互いに愛を深めていく過程として丁寧に描かれています。派手な愛の告白や抱擁はなくとも、「静かな愛」がそこに確かに存在していたことが読み取れます。巴が剣心に見せる柔らかな笑顔、そして剣心が巴の前でだけ見せる安堵の表情。それらが積み重なっていく様子こそ、二人のラブストーリーの真骨頂だといえるでしょう。
このように、剣心と巴のラブシーンは、互いの過去と向き合いながらも、人として心を通わせていく過程が繊細に描かれているのが特徴です。その静けさの中に、深い情熱と悲しみが込められています。

派手やないけど、静かに染みる愛やなぁ〜
最後のセリフ:ごめんなさい あなたの意味
巴が最期に残した言葉「ごめんなさい、あなた」には、複数の解釈が存在します。物語の内容や背景を踏まえると、この一言に込められた感情はとても複雑で、深い意味を持っています。
まず最も直接的な解釈として、「あなた=剣心」だとする考え方があります。巴はもともと、許嫁の仇を討つために剣心へ近づいた存在でした。しかし、共に過ごすうちに剣心の優しさや苦悩に触れ、彼を本当に愛するようになります。剣心のために命を投げ出した直後、巴は自分が元は復讐のためにそばにいたことを思い出し、それを悔やむように「ごめんなさい」と謝ったのでしょう。
もう一つの解釈は、「あなた=許嫁の清里明良」に向けた言葉とするものです。清里は剣心に斬られた巴の婚約者であり、巴が剣心に近づいたのは清里の仇を討つためでした。しかし、最終的に巴は仇であるはずの剣心を愛してしまったのです。その葛藤と後悔が交錯した末の「ごめんなさい」だと考えられます。
さらに深く掘り下げれば、この言葉には「私はどちらの『あなた』にも謝らなければならない」という意味が含まれているともとれます。仇を愛してしまったこと、自分の感情に従って復讐を捨てたこと、そして最終的に命を落としたことで、どちらにも償えない思いを抱えていたのかもしれません。
この短いセリフは、巴という人物の内面を凝縮したものであり、彼女が背負っていた罪、愛、葛藤すべてを象徴しています。観る人によって解釈が分かれるのも、感情表現の余白があるからこそです。そのため、ただの謝罪ではなく、巴の人生すべてを込めた「さよならの言葉」として、強く胸に残るセリフとなっているのです。

この一言、胸にズシンとくるわ…
雪代巴と弟・縁の関係とは
雪代巴とその弟・縁(えにし)の関係は、表面的には姉弟というごく普通のものですが、物語が進むにつれて、その絆が深くもあり、同時に非常に複雑であることが明らかになります。
もともと雪代家は御家人の家系で、巴は病弱な母の代わりに年の離れた縁を育てていました。巴は感情表現が控えめで口数も少ない人物ですが、縁に対しては母親のように優しく接し、大切にしていたことが随所に描かれています。縁もまた姉を深く慕っており、巴は彼にとって唯一無二の存在でした。
しかし、すべてが変わってしまう出来事が起こります。それが、緋村剣心によって巴が命を落とす瞬間を、縁が目撃してしまったことです。縁は、剣心が巴を故意に殺したと思い込み、それが強烈なトラウマとなって復讐心へと変わっていきます。
この時から縁の人生は姉の死を起点に大きく変わります。日本を離れ、上海の裏社会で頭角を現すなど、過酷な環境の中でも生き延びてきたのは、すべて「剣心への復讐」を果たすという目的があったからです。つまり、縁にとっての生きる意味は、姉を殺した男を地獄に落とすことに集約されていたのです。
ただし、縁の中には矛盾した感情も見え隠れします。巴の形見である日記を読んだ縁は、姉が剣心を本当に愛していたこと、自らの意思で彼を守ろうとしたことを知ります。この事実は縁にとって非常に衝撃的でした。それは、自分が長年抱えてきた「剣心=姉の仇」という認識が崩れかねないものだったからです。
このように、巴と縁の関係は「愛と執着」「誤解と真実」「守りたいという思いと壊したいという欲望」が交錯する非常に濃密なものでした。姉を慕う縁の純粋さは、誤解と復讐心によってねじれていったものの、その根底には変わらぬ「家族への深い愛情」が存在していたと言えるでしょう。
物語の終盤で、巴の日記を通して姉の本心に触れた縁は涙を流します。この描写は、彼がようやく過去と向き合い、姉の本当の想いを受け止めようとした瞬間でもありました。そういった意味でも、雪代巴と弟・縁の関係は、物語全体の感情的な核心を成している重要な要素なのです。

なんや…縁の気持ちもわからんでもないけど、そないに姉ちゃん想うてたんやな…切ないで…

るろうに剣心:雪代巴が死んだ理由を作品別に考察
- アニメ版で描かれた雪代巴の死
- 漫画ではどう描かれている?
- 映画 実写での描かれ方と違い
- 映画 実写では誰が演じた?
- 雪代巴の声優は誰?
- 巴と薫どっちがヒロイン?
- 雪代巴の死が剣心に与えた影響
アニメ版で描かれた雪代巴の死
アニメ版『るろうに剣心 -追憶編-』では、雪代巴の死が非常に丁寧かつ悲劇的に描かれています。このエピソードは原作漫画をベースにしていますが、演出やセリフのニュアンスに独自のアレンジが加えられており、視聴者の感情に強く訴えかける内容になっています。
まず、アニメ版では巴の死の直前に流れる静かな演出とBGMが印象的です。派手な戦闘シーンではなく、心情描写に重点が置かれており、剣心が巴を斬ってしまう瞬間もあえてスローモーション気味に描かれることで、悲劇の重さが一層際立っています。
また、このアニメ版では、巴が最後に剣心の頬に傷をつける場面が明確に描かれている点が特徴的です。原作では偶然できた傷として描写されていますが、アニメでは巴が自ら懐刀で剣心の頬を切るという表現が使われています。その行動には、巴なりの思いや葛藤が込められており、「この傷を負って生きてほしい」という巴の意志が読み取れます。
さらに、巴が剣心に向けて「ごめんなさい、あなた」と語りかけるシーンもアニメ版の大きな見どころです。このセリフは、巴の苦悩や後悔、そして愛情が凝縮されたものであり、剣心の心にも深く刻まれます。この場面の静けさと切なさは、視聴後も長く記憶に残るでしょう。
このように、アニメ版の演出は視覚的にも聴覚的にも非常に繊細で、原作以上に感情の動きを深く伝える工夫がなされています。巴の死が、単なる悲劇ではなく、剣心にとって人生の転機となった出来事として描かれている点も、アニメ版の大きな魅力の一つです。

音も静かで…涙ボロボロやで、ほんま…
漫画ではどう描かれている?

原作漫画においても、雪代巴の死は物語の核心を成す非常に重要なエピソードです。描写は比較的簡潔ながら、その内容には大きな衝撃と深い意味が込められています。
漫画では、剣心と闇乃武の戦いの最中に、巴が剣心のもとへ駆け寄る様子が描かれます。剣心は視覚や聴覚を一時的に奪われた状態で戦っており、自身の感覚だけを頼りに敵へと刀を振るうしかありません。そこに巴が現れ、敵の攻撃を止めようと短刀を手にして割って入るのです。
そして、剣心の刀は巴をもろともに斬ってしまいます。彼はすぐに「白梅香」の香りで巴の存在に気づき、誤って愛する人を斬ってしまったという事実を理解します。この一連の流れは非常に淡々と、しかし力強く描かれており、読者に強い印象を与えます。
注目すべきは、巴が剣心の頬に傷をつけた描写についてです。原作では巴の手から滑り落ちた懐刀が偶然剣心の頬をかすめ、それによって横一文字の傷が刻まれるという形になっています。巴の意志による行動ではなく、あくまで事故的な出来事として描かれている点が、アニメや映画との違いです。
また、漫画では巴が死亡する直前のセリフも描かれていません。アニメや映画では「ごめんなさい、あなた」といった言葉が追加されていますが、原作ではあえて言葉を省くことで、静けさと重苦しい空気を演出しています。その分、剣心の心情は内面描写や表情から伝わるようになっており、読者の想像力を引き出す構成になっています。
巴の死後、剣心が彼女の日記を読み、自分が彼女の許嫁を殺していたことを知るシーンもまた重みのある場面です。この事実が剣心の心に深い傷を残し、以降「不殺」の誓いを立てるきっかけとなっていきます。
漫画版では、言葉や演出を最小限にしながらも、その一つ一つに大きな意味を込めて描かれているのが特徴です。アニメや映画とは異なる、より文学的で内省的な表現が魅力となっています。
映画 実写での描かれ方と違い

実写映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』では、雪代巴の描写が他のメディアと比べて非常に丁寧に掘り下げられています。とくに、映像や演技によって内面の感情がよりリアルに表現されている点が印象的です。
まず、実写版では有村架純さんが雪代巴を演じ、原作やアニメでは描かれにくかった「表情の変化」や「声にならない感情」が繊細に伝わってきます。言葉数の少ないキャラクターである巴の心情を、まなざしや間のとり方で表現しており、実写ならではの没入感が生まれています。
ストーリー展開としては、原作やアニメと大筋は同じですが、実写版では剣心と巴が心を通わせていく過程に多くの時間を割いています。田舎での暮らしや、些細な日常のやり取りをじっくり見せることで、二人の絆が視覚的にも感情的にも深く描かれています。
また、巴が最期に剣心の頬に傷をつける描写についても特徴があります。原作では偶然の産物として描かれていましたが、実写版では巴の意思による行動として演出されています。この改変により、巴が剣心に「生きて罪を背負ってほしい」という強いメッセージを残したことが明確になっており、観る者の印象にも強く残ります。
さらに、戦闘シーンと感情描写のバランスも実写版ならではのポイントです。アクションの迫力と、静けさの中で交わされる視線や動作が、作品にメリハリをもたらしています。アニメや漫画では描ききれなかった細かな表現が、実写では細部まで感じ取れるため、視聴後に残る余韻も深いものとなります。
このように、実写映画では巴というキャラクターの静かで深い存在感が、一層強調される演出がなされています。原作やアニメを知っている人にとっても、新たな解釈や感動が得られる描かれ方だといえるでしょう。
映画 実写では誰が演じた?
実写映画版『るろうに剣心』シリーズにおいて、雪代巴を演じたのは女優の有村架純さんです。登場したのはシリーズ第4作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(2021年公開)で、この作品は剣心の過去、すなわち「追憶編」にあたるストーリーを描いています。
これ以前のシリーズでは、巴の存在が断片的に語られるのみで、顔がはっきり見えない演出がされていました。例えば、第1作では回想シーンで巴の後ろ姿のみが登場し、この時は渡辺菜月さんが演じていました。しかし、剣心の過去を本格的に描いた『The Beginning』で、ようやく彼女が主要キャラクターとして登場します。
有村架純さんの演技は、静かながら深い情感が感じられるもので、感情を表に出さない巴というキャラクターにぴったりと合致していました。表情や間の取り方、セリフの抑揚などを丁寧に使い分け、観客に巴の内面の葛藤や悲しみ、そして剣心への複雑な想いを伝えています。
また、巴というキャラクターは非常に繊細で、内に強い感情を抱えている役どころです。そのため、派手な演技ではなく「語らずして語る」演技力が求められます。有村さんの柔らかな存在感としっとりとした空気感は、まさに巴のイメージにふさわしく、多くのファンから高評価を得ました。
こうした配役によって、原作の持つ哀しさや緊張感が映像としてしっかり再現され、実写版でも巴の存在感が際立つこととなりました。映画をきっかけに、アニメや原作に興味を持った視聴者も少なくなかったでしょう。

有村架純ちゃん、巴にピッタリすぎてビックリや!

雪代巴の声優は誰?
アニメ版『るろうに剣心 追憶編』で雪代巴の声を担当したのは、声優の岩男潤子(いわお じゅんこ)さんです。彼女は90年代を代表する実力派声優の一人であり、繊細な演技や癒し系の声質に定評があります。
雪代巴というキャラクターは、感情をあまり表に出さず、静かな中に芯のある女性として描かれています。そのため、派手な表現よりも淡々とした語り口と、深い感情を声ににじませる演技が求められました。岩男潤子さんはその点を非常に丁寧に演じきっており、多くの視聴者から「まさに巴そのもの」と評価されています。
特に印象的なのは、剣心と心を通わせていく過程で、わずかに感情が揺れる瞬間の演技です。セリフのひとつひとつに感情が丁寧に込められており、言葉数は少なくても、視聴者の心に強く響く表現がなされていました。
また、最期のシーンにおける「ごめんなさい、あなた」というセリフは、静けさの中に深い愛情と後悔が込められており、その声のトーンや間の取り方は、岩男さんの実力が存分に発揮された名演の一つといえるでしょう。
岩男潤子さんは他にも、『カードキャプターさくら』の大道寺知世役や、『エヴァンゲリオン』の洞木ヒカリ役などで知られており、幅広い役柄に対応できる柔軟な演技力を持つ声優です。その中でも雪代巴のような内向的で影のあるキャラクターを演じたことで、新たな魅力を示した作品とも言えるでしょう。
このように、雪代巴という複雑なキャラクターを、声の力だけでここまで表現しきった岩男潤子さんの演技は、アニメ版『追憶編』の大きな魅力の一つとなっています。

岩男さんの声、しっとりしてて巴によう合うわ〜
巴と薫どっちがヒロイン?
『るろうに剣心』における「ヒロイン」は、作品のどの部分に注目するかによって変わってきます。作品全体を通してのヒロインは神谷薫であり、一方で剣心の過去を描く「追憶編」においては雪代巴が圧倒的な存在感を放っています。
まず、神谷薫は物語開始時から剣心とともに行動する現在のヒロインです。明るく元気で、剣心の人斬り時代を知らないにもかかわらず、彼の過去を受け止めようとする心の強さがあります。剣心が「不殺(ころさず)」を誓った後の生き方を肯定し、彼が安らげる「今」を象徴する存在です。彼女は物語の中盤から終盤にかけて、剣心の感情面を支える大きな存在となっていきます。
一方、雪代巴は剣心の「過去」に深く関わった女性です。復讐心から剣心に近づきながらも、共に過ごす中で本気で彼を愛してしまう。その切ない愛と、最後に自ら命を差し出して剣心を守った姿は、視聴者の記憶に強く残ります。剣心の中で「忘れられない人」であり、彼の人格形成にも大きく影響を与えた存在です。
このように考えると、「今の剣心を支えるヒロイン」は薫、「過去の剣心に影響を与えたヒロイン」は巴という、両者がそれぞれ異なる軸でヒロイン像を持っていると言えるでしょう。
どちらが本当のヒロインかという問いには、明確な正解はありません。ただ、剣心にとって“人生で二度愛した女性”であることは共通しており、それぞれの役割と存在意義が確かに描かれています。
項目 | 神谷薫 | 雪代巴 |
---|---|---|
登場する時代 | 剣心の現在(明治時代) | 剣心の過去(幕末時代) |
物語の登場位置 | 本編の主要パート | 追憶編(過去編) |
剣心との関係 | 現在の伴侶、精神的支え | 元妻、剣心の心に深く刻まれた存在 |
性格 | 明るく元気、前向きで包容力がある | 静かで控えめ、内に強さを秘めている |
剣心への影響 | 不殺の誓いを支え、安らぎを与える | 不殺の誓いのきっかけとなった |
恋愛の始まり | 日常の中で自然と惹かれ合った関係 | 復讐目的で近づいたが、本当に愛してしまった |
愛情の描かれ方 | 積極的でオープンな愛情表現 | 静かで切ない、抑えた感情表現 |
剣心の人生への関わり | 「今」を支えるパートナー | 「過去」に影響を与えた人物 |
死亡の有無 | 生存(物語の最後まで登場) | 物語中で死亡(剣心によって) |
感情の象徴 | 剣心の「現在」への希望 | 剣心の「過去」への贖罪と痛み |
ヒロインとしての立ち位置 | 本編の正統ヒロイン | 過去編の悲劇的ヒロイン |

どっちもヒロインやけど、タイプがちゃうねんな〜
雪代巴の死が剣心に与えた影響

雪代巴の死は、剣心の生き方を根底から変えてしまうほどの大きな出来事でした。それまで人斬り抜刀斎として、多くの命を奪ってきた剣心にとって、自らの手で愛する人を斬ってしまった事実は、言葉では表せないほど深い傷となります。
特に重要なのは、その死が偶然の事故だったとはいえ、「巴を守ろうとした結果として斬ってしまった」という状況です。この一件によって、剣心は命の重みや自分のしてきた行為の本質に改めて向き合うことになります。そして、もう二度と誰も殺さないという「不殺の誓い」を立てる大きなきっかけとなりました。
さらに、巴の死によって剣心は「人を守るために剣を使う」という新しい道を見つけ出します。それまでの彼は、革命のためとはいえ人を斬ることを正義だと信じていました。しかし、巴の死とその後に見つけた彼女の日記を読むことで、今まで自分が奪ってきた命の重みや、その裏にあった人々の生活や愛情を理解するようになります。
また、巴は死の間際に剣心の頬に傷をつけ、剣心はそれを一生背負って生きていくことになります。この十字傷は、剣心にとって罪の象徴であり、償いの証でもあります。彼はこの傷を消すことなく、流浪人として新しい時代を静かに歩み始めるのです。
このように、巴の死は剣心の「戦う意味」と「生きる目的」に大きな影響を与え、結果として彼の人生を変えるほどのターニングポイントになったことは間違いありません。彼女の存在は、剣心が背負う十字傷とともに、彼の中で永遠に生き続けるのです。

この死が、剣心の人生ガラッと変えたんやな…
【総まとめ】るろうに剣心:雪代巴が死んだ理由
- 雪代巴は剣心が闘う最中に誤って斬ってしまった
- 剣心は視覚・聴覚を奪われた状態で戦っていた
- 巴は敵の攻撃を止めるために間に割って入った
- 斬られた瞬間、剣心は巴の香りで過ちに気づいた
- 巴の短刀が頬をかすめ、十字傷が完成した
- 剣心は巴を守れなかったことを深く悔いている
- 巴は元は剣心に復讐するために接近していた
- 共に暮らす中で本物の愛情が芽生えていた
- 最後に「ごめんなさい、あなた」と謝罪の言葉を残した
- 弟・縁は剣心に強い復讐心を抱くようになった
- アニメでは巴が意図的に剣心に傷を残す描写がある
- 漫画では短刀の偶発的な動きで傷がついた
- 実写映画では有村架純が巴を演じた
- 声優は岩男潤子が静かな演技で巴を表現した
- 巴の死が剣心に「不殺の誓い」を決意させた