【ナルト】綱手と自来也の切ない最後の会話|好きだった二人が結婚しなかった衝撃の理由

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【ナルト】綱手と自来也の切ない最後の会話|好きだった二人が結婚しなかった衝撃の理由
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NARUTO』が描く数々の絆の中でも、伝説の三忍・綱手と自来也の関係ほど、私たちの胸を締め付けるものはないでしょう。

長年の片思い、繰り返されるすれ違い、そして訪れたあまりにも切ない結末…。「二人は本当は両思いだったの?」「もしあの悲劇がなければ、結婚していた?」そんな疑問が、今も多くのファンの心に残り続けています。

運命が大きく動いたのは、自来也が死地に赴く前の最後の会話。

あの不器用なやり取りにこそ、二人の偽らざる本心が隠されていました。

しかし、その想いが実ることはなく、自来也の死亡という残酷な現実が訪れます。

彼の死に対する綱手の涙と、背中に向けて呟かれた「かっこつかなくさせてやる」という謎めいた一言…。

この記事では、二人がなぜ結ばれなかったのか、その切なすぎる理由を徹底的に紐解いていきます。

この記事でわかること
  • 綱手と自来也の長年の関係性の変遷
  • 雨隠れ潜入前の「最後の会話」の真意
  • 自来也の死に対する綱手の本当の気持ち
  • 二人が結ばれなかった理由と結婚の可能性
目次

綱手と自来也の長年の関係性と想い

ここでは、自来也の長年にわたる一方的な想いから始まり、ある少年との出会いを経て、二人の関係性がゆっくりと、しかし確実に変化していく過程を詳細に解説します。

  • 自来也の片思いと綱手の過去の恋人
  • ナルトの存在が変えた二人の距離
  • 二人は好きで両思い?結婚の可能性は
  • 原作モチーフ『児雷也豪傑譚』での関係
  • 小説に描かれた自来也の私小説的想い

自来也の片思いと綱手の過去の恋人

自来也の片思いと綱手の過去の恋人
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

結論から言うと、二人の関係は自来也の幼い頃からの、長く報われない片思いから始まっていました。彼の想いが実を結ぶことは長年なく、その理由は綱手の心が、戦争で失った二人の大切な男性で満たされていたからです。

自来也は、猿飛ヒルゼン率いる班でチームメイトとなった当初から綱手に惹かれていたようで、回想シーンでは何度も彼女に交際を申し込み、そのたびに「あり得ないな…断る!」と冷たくあしらわれています。時には女湯を覗いた罰として、あるいは告白を断られた際に、綱手の怪力で100メートル以上も殴り飛ばされるのが常でした。彼の豪快で自由奔放な性格とは裏腹に、恋愛においては驚くほど一途な純情を、生涯にわたって綱手一人に捧げていたのです。

一方で、綱手の心は自来也には向いていませんでした。彼女の人生に最も大きな影響を与えたのは、最愛の二人の男性の死です。

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人物名綱手との関係特徴・夢
縄樹(なわき)12歳年下の実弟初代火影である祖父に憧れ、火影になることを夢見ていた。
綱手から祖父の形見の首飾りを贈られた翌日に戦死。
加藤ダン(かとう だん)恋人妹を戦争で亡くした経験から、里の仲間を守るために火影になることを目指していた。
綱手から首飾りを託されるが、任務中に致命傷を負い、彼女の腕の中で息を引き取った。

このように、綱手の心を占めていたのは、同じ「火影」という夢を持ちながら志半ばで散っていった、かけがえのない家族と恋人でした。特に、世界最高峰の医療忍者である自分の腕をもってしても救えなかったダンの死は、彼女の心に決定的な傷を残します。

これが原因で、血液を見ると体が動かなくなる「血液恐怖症」を発症。忍としての道を絶たれた彼女は、過去の痛みから逃れるように故郷を捨て、賭け事に明け暮れる放浪生活へと身を投じます。綱手の心は長年、深い喪失感と後悔という厚い氷に閉ざされており、自来也の熱い想いが届く余地はどこにもなかったのです。

自来也の一途さ、ほんま泣けるわ…。でも綱手の姐さんも色々背負ってたんやな。そら、すぐには振り向けんよなぁ。

ナルトの存在が変えた二人の距離

ナルトの存在が変えた綱手と自来也の距離
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

過去の悲しみに心を閉ざし、時を止めていた綱手ですが、一人の少年、うずまきナルトとの運命的な出会いが、彼女の固く凍った心を溶かし始めます。そしてこの変化が、結果的に自来也との関係にも大きな影響を及ぼすきっかけとなりました。

三代目火影・猿飛ヒルゼンの死後、木ノ葉隠れの里のご意見番と自来也から五代目火影への就任を要請された綱手は、当初その申し出を冷たく拒絶します。「火影なんてクソよ 馬鹿以外やりゃしないわ」と断じる彼女の言葉には、火影を目指した結果死んでいった縄樹とダンへの想いと、彼らを守れなかった自分への不甲斐なさが滲んでいました。

しかし、そんな彼女の前に現れたのが、自来也の弟子であるナルトでした。彼が「火影はオレの夢だから」と、どんな困難にも屈せずまっすぐに叫ぶ姿に、綱手はかつての縄樹やダンの面影を鮮烈に重ね合わせます。螺旋丸の修行に必死に取り組むナルトに、綱手はいつしか昔の自分のように応援する気持ちを抱き、「一週間で術をマスターしたら首飾りをやる」という賭けをします。

その後、大蛇丸との三竦みの戦いにおいて、絶望的な状況でも諦めず、自分を犠牲にしてまで仲間を守ろうと奮闘するナルトの姿を目の当たりにし、綱手の心は完全に動かされます。彼女はついに過去のトラマである血液恐怖症を克服し、五代目火影として里を守ることを決意するのです。そして、賭けに勝ったナルトに、縄樹とダンの魂が宿る祖父の形見の首飾りを託しました。

このナルトとの出会いによって、綱手は過去と向き合い、未来へ目を向ける勇気を取り戻します。止まっていた彼女の時間が再び動き出したこの瞬間こそ、ずっと変わらずにそばで自分を支え、見守り続けてくれた自来也という存在の本当の大きさ、そしてその温かさを再認識する第一歩となったのです。

ナルト、ええ仕事しよるわ!あのまっすぐさが姐さんの心を溶かしたんやな。ここから物語が動き出す感じ、たまらんわ!

二人は好きで両思い?結婚の可能性は

綱手と自来也は好きで両思い?結婚の可能性は
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

物語の終盤、特に自来也が最期の任務に赴く直前の時点では、二人の関係は単なる仲間意識を超え、「好きで両思い」と呼べる状態にまで進展していたと考えられます。もし自来也が生きて木ノ葉に帰還していたならば、二人が結婚に至った可能性は極めて高かったと断言できるでしょう。

火影に就任してからの綱手は、里のリーダーとしての重責を日々感じていました。そんな彼女にとって、世界を放浪しながらも常に里を案じ、陰から自分を支えてくれる自来也の存在は、計り知れないほど大きな心の支えとなっていたはずです。綱手は長年、自来也からの好意を冗談めかして受け流してきましたが、共に多くのものを失い、同じ時代を生きてきた戦友としての絆は、いつしか男女の情へと変化していました。

その変化が明確に表れたのが、自来也が雨隠れの里へ単身潜入する直前の場面です。綱手は「お前にまで死なれたら…私は…」と、これまで決して見せることのなかった弱い一面をさらけ出します。この言葉は、綱手が自来也を単なる仲間ではなく、「失うことを想像したくない、かけがえのない大切な人」として強く意識している何よりの証拠です。

その後のプロポーズまがいの言葉に綱手が本気で動揺し、赤面する様子からも、二人の心が確かに通い合っていたことは明らかです。自来也の生還という、ただ一つの条件さえ満たされていれば、長年の片思いが実を結び、二人が結ばれる未来は間違いなく訪れていたでしょう。

原作モチーフ『児雷也豪傑譚』での関係

『NARUTO』の物語を深く理解する上で、伝説の三忍の元ネタとなった日本の古典文学『児雷也豪傑譚(じらいやごうけつものがたり)』の存在は欠かせません。

非常に興味深いことに、この物語において、主人公である児雷也と、その妻として登場するのが綱手なのです。

『児雷也豪傑譚』における三竦みの関係

『児雷也豪傑譚』は、江戸時代後期に合巻(ごうかん)として人気を博した未完の物語です。蝦蟇の妖術を使う主人公・児雷也が、宿敵である大蛇(おろち)の妖術を使う龍存(たつあり)と戦う冒険活劇で、この龍存こそが大蛇丸のモチーフとされています。物語の中で、児雷也は蛞蝓の妖術を使う美しい姫・綱手と結ばれ、夫婦として共に宿敵に立ち向かいます。

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NARUTOの登場人物口寄せ動物『児雷也豪傑譚』の登場人物
自来也蝦蟇(ガマ)児雷也(主人公)
綱手蛞蝓(カツユ)綱手(児雷也の妻)
大蛇丸蛇(マンダ)龍存(宿敵・大蛇)

このように、「蛇は蛞蝓に強く、蛞蝓は蝦蟇に強く、蝦蟇は蛇に強い」という、いわゆる「三竦み(さんすくみ)」の関係性が、元ネタの物語にも色濃く反映されています。『NARUTO』の作者である岸本斉史先生が、この古典から多大なインスピレーションを得ていることは明白です。

この事実を踏まえると、物語の構想段階から、自来也と綱手は最終的に結ばれるべき特別な関係性として運命づけられていた可能性が非常に高いと考えられます。ファンの間で二人の結末が特に注目され、結ばれることを強く願う声が多かった背景には、このような元ネタの存在が大きく影響していたのかもしれません。

小説に描かれた自来也の私小説的想い

自来也が執筆活動で生計を立て、はたけカカシが熱心な愛読者であった成人向け小説「イチャイチャシリーズ」は、単なる娯楽作品ではありません。これは、自来也の綱手への報われない想いや、彼自身の恋愛観が色濃く反映された、極めて私小説的な作品であったと考察できます。

このシリーズは、自来也が世界を旅する中で得た実体験や取材に基づいているとされており、作中のエピソードには綱手との数十年にわたる関係性が元ネタになっていると思われる描写が散見されます。例えば、シリーズ第二弾『イチャイチャバイオレンス』の表紙で女性が男性を殴り飛ばしているイラストは、まさに自来也と綱手の日常的なやり取りそのものです。

さらに注目すべきは、シリーズの構成が二人の関係の変遷とリンクしているように読み取れる点です。

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シリーズ作品名表紙・内容の推測自来也と綱手の関係フェーズとのリンク
イチャイチャパラダイス男女の追いかけっこ自来也が一方的に綱手を追いかける片思いの時期
イチャイチャバイオレンス女性が男性を殴る告白しては殴り飛ばされる、衝突の絶えない時期
イチャイチャタクティクス「考える人」のポーズ大人の駆け引きや、お互いを意識し始める変化の時期
(幻の完結編)結婚式のイラスト自来也が望んでいた、綱手と結ばれる理想の結末

特に決定的だったのが、ある記念イラストでカカシが手にしていた、幻の4作目(完結編)と思われる本の表紙です。そこには、タキシードとウェディングドレス姿の男女が描かれていました。これは、自来也が自身の物語の最終的なゴールとして、綱手とのハッピーエンドを明確に構想していたことを強く示唆しています。

つまり、小説の世界でハッピーエンドを描こうとすること自体が、自来也の「綱手と結ばれたい」という生涯をかけた切実な願いの表れだったと言えるでしょう。しかし、彼の死によってこの物語が現実で完結することはなく、幻の原稿となってしまった事実は、あまりにも悲しく皮肉な結末です。

イチャイチャシリーズって、ただのエロ本ちゃうかったんやな。幻の完結編が結婚式とか…自来也、めっちゃロマンチストやん。泣けてくるで、ほんま。

結ばれなかった綱手と自来也の悲しい結末

ここでは、二人の関係がクライマックスを迎え、そして永遠の別れへと向かう運命の瞬間を詳細に追います。最後の会話に込められた本心、そして自来也の死が綱手に何をもたらしたのかを詳しく解説します。

  • 雨隠れ潜入前の二人の最後の会話
  • 「ワシの死ぬほうに賭けろ」の真意
  • 綱手の「かっこつかなくさせてやる」の意味
  • 自来也の死亡を知った綱手の反応
  • 無限月読の夢で描かれた二人

雨隠れ潜入前の二人の最後の会話

雨隠れ潜入前の綱手と自来也の最後の会話
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

自来也が「暁」のリーダー・ペインの正体を探るべく、生きては戻れないかもしれない危険な雨隠れの里へ潜入する直前、夕暮れの木ノ葉の里で交わされた綱手との会話は、数十年にわたる二人の不器用な関係性を象徴する、極めて重要なシーンです。

これが今生の別れになるかもしれないという重い緊張感が漂う中、綱手はこれまで決して見せなかった素直な感情を露わにします。「お前にまで死なれたら…私は…」と、言葉を詰まらせながら不安を口にするのです。いつもは気丈で男勝りな彼女が見せた弱さに、自来也は一瞬驚きながらも、いつものようにおどけた口調で、しかし核心を突く言葉を投げかけます。

「じゃあお得意の賭けといこう…お前はワシの死ぬほうに賭けろ。お前の賭けは必ずハズれるからのォ。そん代わりワシが生きて帰ってきた時は…」

この、プロポーズとも受け取れる言葉の続きを待たずして、綱手は思わず「なっ…」と息をのみ、頬を赤らめます。これまで自来也のどんな口説き文句にも動じなかった彼女が見せた、初めての純粋な反応でした。その様子を見て、自来也は照れ隠しかのように「ゲハハ 冗談だ冗談! お前には感謝してる」と豪快に笑い飛ばします。

この一連のやり取りは、お互いが死を意識する極限の状況だからこそ引き出された、紛れもない本心でした。「感謝してる」という言葉には、長年フラれ続けて男として成長させてくれたことへの感謝、そしてどんな時も変わらずに里や自分を想い続けてくれたことへの感謝など、一言では言い尽くせない万感の想いが込められていたのでしょう。長年の不器用な関係の集大成とも言える、切なくも美しい名場面です。

うわー、このシーンあかんて!お互い本心ダダ漏れやんか…。綱手の姐さんが赤面するとこ、こっちまでドキドキするわ。これが最後の会話やなんて、信じられへん…。

「ワシの死ぬほうに賭けろ」の真意

自来也が綱手に提案した「ワシの死ぬほうに賭けろ」という一見不謹慎な賭けには、彼の不器用ながらも深い優しさと、死地へ赴く者としての確固たる覚悟が込められています。

この提案の根底にあるのは、綱手が賭け事にめっぽう弱く、里の賭場では「伝説のカモ」として有名であるという事実です。自来也は、綱手のそのユニークなジンクスを逆手に取り、「君が僕の死に賭けてくれれば、その賭けは必ず外れる。だから僕は絶対に生きて帰ってくる」という、彼なりの力強いメッセージを伝えたかったのです。弟と恋人を失った悲しみから立ち直りつつある綱手を、これ以上不安にさせたくない、少しでも元気づけてやりたいという、自来也の愛情表現そのものでした。

しかし、この賭けにはもう一つの、よりシリアスな側面が存在します。綱手には「ただし…命を賭けた時は別だ」と、命が懸かった勝負事には絶対に負けないという、もう一つのジンクスがあったのです。自来也は綱手を励ますつもりで賭けを提案しましたが、皮肉にもこれは自来也自身の「命」を賭けた戦いでした。結果として、綱手はこの「賭け」に負け、自来也を失ってしまいます。

自来也の優しさが、結果的に綱手にとって自らのジンクスを破られ、彼の死を受け入れざるを得なくなるという、残酷な儀式になってしまったのです。このやり取りが、後の悲劇的な結末を暗示する、あまりにも皮肉で悲しい伏線となってしまったと解釈することができます。

綱手の「かっこつかなくさせてやる」の意味

自来也の背中を見送り、一人残された綱手が静かに、しかし確かな決意を込めて呟いた「…カッコつけやがって…。帰ってきたら…、そろそろカッコつかなくさせてやるかな…」というセリフは、長年続いた自来也の片思いに対する、綱手からの最終的なアンサーであり、彼の想いを正面から受け入れるという決意表明に他なりません。

この言葉の「カッコつけ」とは、死ぬかもしれないという極限の状況ですら冗談を言って本心を隠し、あくまで豪傑・自来也として強い男であろうとする彼の生き方そのものを指しています。綱手は、そんな彼の不器用さも、その裏にある優しさも、誰よりも長く、間近で見てきました。

そして、「カッコつかなくさせてやる」という言葉には、極めて綱手らしい愛情が込められています。これは、次に帰ってきた時には、そんな強がりや見栄は一切許さない、彼の素直な愛情表現を正面から全て受け止めてやる、という意味です。これは実質的に、長年断り続けてきた自来也の告白を、今度は自分から受け入れるという意思表示です。フラれ続けてきた自来也に対し、「今度は私が主導権を握って、あなたの格好いい仮面を剥がしてあげる」という、姐御肌な彼女ならではの愛情表現だったのです。ようやく素直になれた綱手の想いが詰まった、物語屈指の名セリフと言えるでしょう。

これや!姐さん、カッコよすぎるで!『かっこつかなくさせてやる』て、最高の殺し文句やんか!よう言うた!帰りを待ってるで、自来也!

自来也の死亡を知った綱手の反応

自来也の死亡を知った綱手の反応
引用元:NARUTO OFFICIAL SITE

自来也の死亡という、綱手が最も恐れていた非情な知らせは、妙木山の仙蝦蟇フカサクによってもたらされました。その知らせを受けた綱手は、五代目火影としての立場を最後まで貫き、人前では決して涙を見せず、気丈に振る舞い続けました。しかし、一人になると、こらえきれない深い悲しみに襲われます。

フカサクから自来也の壮絶な最期と、彼が遺した暗号について報告を受けた綱手は、表向きは冷静に状況を分析し、暗号解読班に指示を出すなど、里の長としての責務を淡々とこなします。ナルトに師の死をどう伝えるべきか、その重圧にも耐えなければなりませんでした。

しかし、付き人のシズネが部屋を去り、夕暮れの里を火影室から一人で見下ろす場面で、彼女が必死に抑えつけていた感情がついに溢れ出します。自来也と出会った幼い頃、三忍として共に戦った日々、そして最後に交わした会話。走馬灯のように蘇る思い出と共に、彼女の目からは大粒の涙がとめどなくこぼれ落ち、「バカヤロー……」と、絞り出すような声を漏らすのです。

この一言には、間に合わなかったことへの激しい後悔、最後まで素直になれなかった過去の自分への苛立ち、そして何よりも、弟、恋人に続き、かけがえのない大切な人までもまた失ってしまったことへの、言葉にならない絶望と悲しみが凝縮されていました。里を守る火影としての強い責任感と、愛する人を失った一人の女性としての深い悲しみの間で揺れ動く、綱手の人間的な魅力が痛いほどに伝わってくるシーンです。

あかん、涙腺崩壊や…。火影として気丈に振る舞う姿からの『バカヤロー…』は反則やて。どんだけ辛かったか思うと、胸が張り裂けそうやわ。

無限月読の夢で描かれた二人

第四次忍界大戦の最終局面で、うちはマダラによって発動された究極幻術「無限月読」。

この術は、全ての人々を強制的に眠らせ、それぞれの理想が完璧に叶った幸福な夢を見せるというものでした。この中で綱手が見た夢の世界は、彼女が心の最も深い場所で何を望んでいたのかを、非常に興味深い形で描き出しています。

綱手の夢の世界では、亡くなったはずの恋人である加藤ダンが五代目火影として里を治め、最愛の弟・縄樹も元気に生きています。さらに、里を抜けたはずの大蛇丸も木ノ葉の忍として研究を続けており、三忍はかつてのように良好な関係を保っていました。まさに、綱手にとっての「誰も死なない、誰も道を違えない平和な世界」そのものです。

もちろん、その世界には自来也も登場します。しかし、彼は綱手の恋人ではなく、火影であるダンの親しい友人であり、縄樹に自身の著作「イチャイチャパラダイス」を渡そうとしては綱手に怒られる、といったコミカルな「悪友」のポジションで描かれました。

この夢の内容は、一見すると綱手にとっての恋愛対象はあくまでダンであり、自来也はかけがえのない仲間・友人であった、という深層心理の表れと解釈できます。しかし、より深く考察すると、これは「もし誰も死なずに平和な世界が続いていたなら、こういう関係性が一番幸せだったかもしれない」という、綱手の叶わなかった理想郷の姿とも言えるでしょう。現実の世界で自来也を失い、彼の想いに応えられなかった後悔があるからこそ、夢の中ではせめて友人としてでも彼に生きていてほしかった、という切ない願いが反映された結果なのかもしれません。

【総まとめ】永遠に語られる綱手と自来也の物語

この記事では、綱手と自来也の出会いから悲しい別れまで、二人の切ない関係性について様々な角度から考察してきました。彼らの物語がなぜこれほどまでにファンの心を惹きつけるのか、その要点を最後にまとめます。

  • 自来也は幼少期から綱手への一途な片思いを生涯貫いた
  • 綱手の心は戦争で亡くした弟・縄樹と恋人・ダンへの想いで満たされていた
  • 二人の死が綱手の心に深い傷を残し、長年自来也の想いは届かなかった
  • うずまきナルトとの出会いが、過去に囚われた綱手の心を解き放つきっかけとなった
  • 火影としての責任を担う中で、綱手は自来也の存在の大きさと温かさに気づき始める
  • 物語の原作モチーフである『児雷也豪傑譚』では、二人は夫婦という設定になっている
  • 自来也の小説「イチャイチャシリーズ」は、綱手への想いを綴った私小説的な作品だった
  • 幻の完結編では結婚式が描かれ、自来也のハッピーエンドへの強い願いが示唆されていた
  • ペイン戦前の「最後の会話」で、二人は死を前にして初めてお互いの本心を垣間見せる
  • 自来也の「死ぬほうに賭けろ」という言葉は、綱手を励ますための彼なりの不器用な優しさだった
  • 綱手の「かっこつかなくさせてやる」という独白は、自来也の想いを受け入れるという決意表明だった
  • 物語の終盤では、二人の心は確かに通じ合い、両思いに近い関係になっていた
  • もし自来也が生きて帰還すれば、二人が結婚した可能性は極めて高かった
  • しかし自来也は帰らぬ人となり、二人が現実の世界で結ばれることはなかった
  • 自来也の死を知った綱手は、火影としての仮面を脱ぎ捨て、一人きりで深い悲しみの涙を流した
【ナルト】綱手と自来也の切ない最後の会話|好きだった二人が結婚しなかった衝撃の理由

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