NARUTOの世界において、数多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、その中でも「暁」の紅一点・小南は、その悲しくも美しい生き様で多くのファンの心に深く刻まれています。
冷静沈着な振る舞いの裏に、仲間への誰よりも深い愛情を秘めた彼女の物語は、涙なしには語れません。
作中での小南の死亡は、物語全体を通しても屈指の衝撃的な展開であり、彼女の壮絶な最期は多くの議論を呼びました。
この記事では、検索されている「小南の死亡」というテーマに対し、あらゆる角度から徹底的に解説します。
彼女の胸を打つ死亡シーンの詳細な描写はもちろん、原作漫画とテレビアニメでその運命の瞬間が描かれるのは死亡何話なのか、具体的な数字を提示します。
さらに、暁の真のリーダーであるトビをあと一歩まで追い詰めた小南の本当の強さの秘密、希望を託した最後の言葉に込められた想い、そしてなぜ彼女が第四次忍界大戦で穢土転生されなかったのかという、ファンなら誰もが抱く疑問についても、作中の描写や背景を基に多角的に考察していきます。
- 小南の壮絶な最期と死亡に至る経緯
- 原作漫画とアニメで死亡シーンが描かれる話数
- トビを追い詰めた小南の術や本当の強さ
- 死後に穢土転生されなかった理由に関する考察
小南の死亡|暁の天使が見せた最期
小南の死は、彼女が生涯をかけて守ろうとしたもの、そして次世代に託した希望を象徴する、物語の重要な転換点です。ここでは、彼女がその最期に至るまでの背景と、運命の瞬間の詳細を時系列に沿って詳しく解説します。
- 暁の紅一点・小南のプロフィール
- 弥彦と長門を支え続けた固い絆
- トビとの壮絶な戦いが勃発
- 壮絶だった小南の死亡シーンを解説
- アニメと漫画での死亡は何話?
- 虹に託した小南の最後の想い
暁の紅一点・小南のプロフィール
小南は、各国からS級の抜け忍が集う精鋭集団「暁」の創設メンバーの一人であり、物語の大部分において唯一の女性メンバー(くノ一)として異彩を放っていました。
リーダーであるペイン(長門)と常に行動を共にし、彼の右腕として、また心身のサポーターとして組織を陰から支える重要な存在でした。彼女が拠点とする雨隠れの里では、ペインが絶対的な「神」として崇拝される一方、小南はその神の意志を民に伝える神聖な「天使様」と呼ばれ、里人たちから深い敬愛と畏怖の念を向けられていました。
彼女の基本的なプロフィールをより深く見ていきましょう。
項目 | 詳細 | 補足情報 |
誕生日 | 2月20日(うお座) | 奇しくも、生涯をかけて想い続けた弥彦と同じ誕生日です。 |
年齢 | 35歳(死亡時) | 第二部開始時点で既に30代半ばであり、その若々しい容姿とのギャップが特徴です。 |
身長 | 169.4cm | くノ一としては比較的高身長で、すらりとした体型です。 |
体重 | 45.3kg | 身長に対して非常に軽量であり、体を紙に変える術の特性がうかがえます。 |
血液型 | O型 | |
性格 | 冷静沈着、優しい | 基本的に感情を表に出しませんが、長門が無茶をした際には声を荒げるなど、仲間への情の深さを見せます。 |
好きな食べ物 | 焼き魚 | |
嫌いな食べ物 | 唐揚げ | かつての師、自来也の好物の一つであり、何か関係性を考察させる要素です。 |
趣味 | 折り紙、押し花 | 趣味の折り紙は、彼女の戦闘スタイルの根幹を成す「式紙の舞」へと昇華されています。 |
担当声優(CV) | 田中敦子 (少女時代:峯香織) | クールで芯の強い女性を演じることに定評のある声優が、彼女の魅力を最大限に引き出しています。 |
彼女の外見的特徴は、青紫色のボブカットの髪と、右側のシニヨンに飾られた紙製の青い花です。この花は、幼少期に自ら折ったものであり、仲間との絆の象徴として生涯大切にしていました。公式設定資料集『者の書』では、常に身に纏っている暁の装束の下には、へそピアスをした非常にグラマラスな身体が隠されていることが明かされており、作者の岸本斉史氏もそのセクシーさを意図してデザインしたと語っています。

へそピアスとか、暁の服の下はめっちゃオシャレさんやったんやな!そういうギャップ、ええやんか~!ますます好きになるわ!


弥彦と長門を支え続けた固い絆


小南の行動原理、そして彼女の壮絶な最期を理解する上で、弥彦と長門という二人の存在は絶対に切り離せません。彼女の人生は、この二人との出会い、共に過ごした日々、そして彼らの夢を守るという決意によって形作られていました。
戦災孤児としての出会い
第三次忍界大戦の戦火が絶えない雨隠れの里で、小南は幼くして両親を戦争で失い、天涯孤独の身となりました。食べるものもなく、ただ死を待つだけだった彼女の前に現れたのが、同じく戦災孤児であった少年・弥彦です。持ち前のリーダーシップと行動力で彼女を救った弥彦に、小南は心を開きます。その後、小南は道端で行き倒れていた少年・長門と子犬のチビを発見し、なけなしのパンを分け与えて仲間に引き入れました。こうして三人は、誰にも頼ることなく、互いを家族として支え合い、盗みや物乞いをしながら過酷な戦乱の世を必死に生き延びていったのです。
暁の結成と弥彦の死
自分たちの無力さを痛感した弥彦は、世界を変える力を得るために忍者になることを決意し、小南と長門もそれに続きます。三人は、雨隠れの長・半蔵と渡り合った伝説の三忍の一人、自来也に弟子入りを志願。彼らの境遇に心を動かされた自来也の下で、3年間にわたる修行生活が始まりました。
修行を終え、心身ともに成長した三人は、「対話によって憎しみの連鎖を断ち切り、武力に頼らない平和を構築する」という崇高な理想を掲げ、弥彦をリーダーとする組織「暁」を結成します。彼らの理念は多くの忍の共感を呼び、暁は急速に勢力を拡大していきました。しかし、その存在を自らの地位を脅かすものと危険視した半蔵は、木ノ葉の暗部「根」を率いる志村ダンゾウと結託し、卑劣な罠を仕掛けます。
半蔵は和平交渉と偽って三人を呼び出し、小南を人質に取ります。そして長門に対し、「小南を助けたければ、弥彦を殺せ」という非情な選択を迫りました。長門が苦悩する中、弥彦は自らの死が仲間たちの未来を切り開くと信じ、長門の持つクナイに自ら身を投じて命を絶ちます。この悲劇は、長門と小南の心に決して癒えることのない深い傷と、世界への憎しみを刻み付けました。
長門を支える「柱」として
最愛の友を目の前で失った衝撃と怒りにより、長門は伝説の瞳術「輪廻眼」の力を完全に覚醒させ、半蔵の部隊を壊滅させます。しかし、その代償として外道魔像を口寄せした影響で肉体は急激に衰弱し、自力で歩くことすらままならなくなりました。同時に、彼の心は弥彦を死に追いやった世界そのものへの復讐心と憎しみに支配されてしまいます。
長門は弥彦の遺体を「ペイン天道」として作り変え、自らは「ペイン」と名乗り、「世界に痛みを。恐怖によって偽りの平和を創り出す」という歪んだ正義を掲げます。小南は、そんな闇に堕ちてしまった長門の傍らにただ一人寄り添い、彼の体を看護し、その歪んだ計画を支え続けることを決意します。かつて弥彦が「長門こそが平和への架け橋になる。俺はそのための柱になる」と語ったように、彼女もまた、どんな形であれ二人の夢を支える「柱」であろうとしたのです。



こないな壮絶な過去があったら…そらぁ二人を支えるしかあらへんよな…。仲間への想いが深すぎて、胸がギュッとなるわ…。
トビとの壮絶な戦いが勃発


物語終盤、ペインによる木ノ葉襲撃事件が発生します。長門はナルトとの対話の末に、かつて自来也や弥彦が信じた「人が本当の意味で分かり合える時代」の到来をナルトに託し、最後の力で「外道・輪廻転生の術」を発動。襲撃で命を落とした木ノ葉の人々を蘇らせ、静かに息を引き取りました。
長門の変化を目の当たりにした小南は、彼が信じたナルトを自分も信じることを決意します。彼女はナルトに「今度こそ…お前は散ることのない希望の花であってくれ」と言葉をかけ、紙でできた花束を渡しました。そして、長門と弥彦(ペイン天道)の遺体を連れて雨隠れの里へと帰還し、暁からの完全な離脱を宣言します。
しかし、彼女たちに平穏が訪れることはありませんでした。暁の創設を裏で操り、長門に輪廻眼を与えた張本人である、うちはマダラを名乗る仮面の男・トビが、その輪廻眼を回収するために雨隠れの里に侵入します。小南は、いずれ彼が訪れることを、そして二人の親友の夢と亡骸を穢そうとすることを、全て予期していました。
これは、長門と弥彦の遺志を守るための戦い。そして、ナルトという新たな希望の「架け橋」を守るための戦い。小南は過去と決別し、未来を繋ぐため、たった一人で絶望的な戦いにその身を投じるのです。



たった一人でトビに挑むとか、覚悟が違いすぎるわ。仲間と未来のために腹括ったんやな。ほんまに芯の強い人やで。
壮絶だった小南の死亡シーンを解説


小南とトビの戦いは、NARUTOの全編を通しても屈指の壮絶さを誇る戦闘シーンとして、多くの読者・視聴者の記憶に焼き付いています。それは、彼女の揺るぎない覚悟と、仲間への海よりも深い愛情が凝縮された、悲しくも美しい魂の激突でした。
切り札「神の紙者の術」
小南は、トビとの対峙に備え、彼の能力を徹底的に分析し、必殺の策を練り上げていました。彼女は、トビの時空間忍術「神威」の最大の能力である「すり抜け」が、連続で発動できるのはわずか5分間であるという致命的な弱点を見抜いていたのです。
この一点を突くために彼女が用意したのが、生涯最大の奥義「神の紙者の術」でした。これは、雨隠れの広大な湖の底に、実に6000億枚という天文学的な数の起爆札を敷き詰め、チャクラを流し込むことで水面と完璧に同化・偽装するという、大規模かつ緻密極まりないトラップでした。トビを起爆札の海へと誘い込み、彼の能力の限界時間を遥かに超える10分間、毎秒10億枚という規模で絶え間なく爆破し続けることで、すり抜けが解除された瞬間に彼を塵も残さず消滅させるという、まさに神業と呼ぶべき作戦です。この術の準備には、彼女の膨大なチャクラと、計り知れないほどの時間と労力が費やされたに違いありません。
イザナギによる回避と致命傷
10分間にわたる地獄のような連続爆破が終わり、小南は消耗しながらもトビを倒したことを確信します。しかし、その安堵も束の間、爆炎と水蒸気の中から無傷のトビが背後に現れ、彼女の胸を容赦なく鉄パイプのようなもので貫きました。
トビは、万華鏡写輪眼の究極幻術にして、うちは一族に伝わる禁術「イザナギ」を発動していたのです。イザナギは、使用した写輪眼が永遠に光を失うという大きな代償と引き換えに、術者にとって都合の悪い現実(この場合は自身の爆死)を幻として無かったことにし、都合の良い現実(無傷での生還)を創造する神の領域の術です。小南が人生の全てを懸けた必殺の切り札は、このあまりにも理不尽な禁術によって、泡のように掻き消されてしまいました。
最後の抵抗と死
胸を貫かれ、死を悟った小南。しかし彼女は諦めませんでした。最後の力を振り絞って紙手裏剣で反撃を試みますが、もはやトビに届くことはありませんでした。力尽きた彼女に対し、トビは幻術をかけて長門の遺体の隠し場所を聞き出します。弥彦と長門、二人の眠る聖域の場所を吐かされてしまった小南は、その直後、無慈悲にも命を絶たれました。彼女の紙は自らの血で赤く染まり、静かに水面へと散っていくという、あまりにも悲しい最期でした。



6000億枚やで!?全てを懸けた作戦をイザナギで無かったことにするとか、そら反則やろ!ほんまトビには腹立つわ!
アニメと漫画での死亡は何話?


多くのファンに衝撃を与えた小南の死亡シーンは、原作漫画とアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」の両方で描かれています。視聴・購読する際の参考に、それぞれの話数を下記にまとめました。
媒体 | 話数 | タイトル・内容 |
原作漫画 | 54巻 第510話・第511話 | 第510話「まさかの禁術」にて、トビがイザナギを発動。 続く第511話「帰ってこよう」で小南が最期を迎えます。 |
アニメ | 疾風伝 第472話・第473話 | 第472話「死へいざなう天使」で戦闘が開始。 第473話「平和への懸け橋」にて絶命します。 |
アニメ版では、原作にはなかったオリジナルの戦闘描写が追加されており、小南が致命傷を負った後も最後まで諦めずにトビに抵抗する姿がより詳細に描かれています。彼女の術の多彩さや、精神的な強さが強調される演出となっています。また、彼女の死と共に雨隠れの雨が止み、空に大きな虹がかかるシーンは、美しい作画と音楽によって原作以上に感動的な名シーンとして多くの視聴者の涙を誘いました。



なるほど、アニメやと更に丁寧に描かれてるんやな。原作もええけど、アニメのオリジナル演出も見てみたなるわ。どっちから見直そうかな~。
虹に託した小南の最後の想い


小南が致命傷を負い、その命の灯が消えようとする瞬間、物語の象徴として描かれ続けてきた雨隠れの終わらない雨が、奇跡のようにピタリと止みます。そして、雲の切れ間から光が差し込み、空に大きな虹が架かりました。これは、彼女にとって単なる偶然の気象現象ではありませんでした。
かつて師である自来也、そして弥彦と長門が共有した夢は、「この呪われた雨の降る国に、平和へと続く虹の架け橋を架けること」。長門は最期にその夢を、敵であったはずのうずまきナルトに託して逝きました。小南の目の前に現れた虹は、長門が死してなお見せた希望の証であり、ナルトこそが弥彦と長門の意志を継ぎ、世界に平和をもたらす「架け橋」となる男だと彼女に確信させる光でした。
死の淵にありながら、この虹を見た小南は絶望から立ち上がり、最後の力を振り絞って叫びます。
「私もナルトを信じてる!今度は彼が…平和の架け橋となる男だと!!そして私はその為の柱となる!!」
結果的に彼女はトビに敗れ、その命を落としました。しかし、彼女の魂は、弥彦と長門という二つの「架け橋」を生涯支え続け、最期にはナルトという未来への「架け橋」を守るための礎、「柱」として、その役割を見事に全うしたのです。



最期に希望の虹が見えてほんま良かったな…。想いがナルトにしっかり繋がったんやと思ったら、泣けてくるわ…。
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小南の死亡理由と死後の謎を考察
小南の死は物語に大きな区切りをつけましたが、同時にいくつかの謎を残しました。ここでは、彼女の真の戦闘能力や、なぜ第四次忍界大戦で蘇らなかったのかといった、ファンなら誰もが気になるポイントを深く掘り下げて考察します。
- トビを追い詰めた小南の本当の強さ
- 師である自来也との関係性
- なぜ穢土転生されなかったのか?
- 雨隠れの里の「天使様」としての役割
- まとめ:小南の死亡が物語に遺したもの
トビを追い詰めた小南の本当の強さ


小南の最期は悲劇的でしたが、あのトビを相手に禁術「イザナギ」の使用を強いたという事実は、彼女の実力がS級の抜け忍の中でもトップクラスであったことを何よりも雄弁に物語っています。彼女の強さの根幹は、自身の趣味である折り紙を、極めて高度な忍術へと昇華させたユニークな戦闘スタイルにありました。
式紙の舞(しきがみのまい)
これは、自身の肉体そのものを無数の紙へと変化させ、自在に操る小南固有の秘術です。術の難易度は螺旋丸と同じAランクに分類され、その応用範囲は偵察から攻撃、防御、移動に至るまで驚異的な広さを誇ります。
応用術 | 詳細な内容と作中での使用例 |
偵察・索敵 | 紙を蝶や鳥の形に変えて広範囲に飛ばし、敵の位置や地形を正確に把握する。 自来也の雨隠れ潜入をいち早く察知したのもこの能力によるものです。 |
移動・飛行 | 背中に巨大な紙の翼を形成し、空を自由に飛行する。 これにより、高い機動力と三次元的な戦闘を可能にします。 |
直接攻撃 | 紙にチャクラを流し込んで硬化させ、手裏剣や槍、矢といった鋭利な武器として射出する。 成長後は本物の鋼鉄以上の殺傷力を持ちます。 |
起爆攻撃 | 無数の紙の中に起爆札を混ぜ込み、相手に気付かれずに爆殺する。 トビとの最終決戦ではこの応用が切り札となりました。 |
防御 | 大量の紙を瞬時に束ねて巨大な壁を作り出し、物理攻撃や火遁、水遁といった術を防ぐ。 自来也の火遁を防いだ実績もあります。 |
捕縛・拘束 | 大量の紙で相手の全身を包み込み、窒息させる、または動きを完全に封じる。 |
このように、あらゆる局面に対応できる万能な術ですが、明確な弱点も存在します。それは、油のような粘着質の液体です。紙が付着すると自由に分解・操作できなくなるため、かつての師である自来也との戦いでは、彼の「蝦蟇油弾」によって動きを封じられてしまいました。
紙分身の術
チャクラで練り上げた紙によって、自身と全く同じ姿の分身体を作り出す術です。単なる分身とは異なり、この分身体も「式紙の舞」を使用できるため、本体とほぼ同等の戦闘力を発揮できます。さらに、分身体そのものを全て起爆札で構成し、敵に接近して自爆させる「人間爆弾」という非情な戦法も可能であり、木ノ葉襲撃の際には油女シノ・シビ親子をこの術で苦しめました。
小南の強さは、単一の術の威力だけでなく、これらの術を組み合わせた戦略性、相手の能力を冷静に分析する知性、そして目的のためなら全てを懸ける覚悟の強さにあります。彼女は間違いなく、暁の名に恥じない、極めて優れた戦略家タイプのくノ一だったと言えるでしょう。



偵察から攻撃まで、何でもできるやん!ただの紙やと思うてたら大間違いやな。こんだけ強いねんから、そらトビも焦るわな
師である自来也との関係性
小南、弥彦、長門の三人にとって、自来也は単なる忍術の師ではありませんでした。戦争で全てを失った彼らにとって、生きる術と希望を与えてくれた親代わりのような、かけがえのない存在だったのです。
雨隠れの戦場で孤児たちと出会った自来也は、当初こそ大蛇丸のように見捨てようと考えましたが、彼らの真っ直ぐな瞳と平和への渇望に、自身の師である三代目火影・ヒルゼンの面影を見出し、彼らが独り立ちできるまで面倒を見ることを決意します。自来也は彼らに、生きるための術だけでなく、忍としてどうあるべきかという哲学も教え込みました。修行時代、小南が得意の折り紙を忍術に応用するヒントを与えたのも自来也です。
3年後、彼らの目覚ましい成長を見届けた自来也は、「お前達ならこの呪われた世界を変えられるかもしれん」という期待を込めて、静かに彼らの元を去りました。しかし、その後、彼らが「暁」を率いて世界に牙を剥く存在となったことを知り、師として、そして名付け親としての責任を果たすため、単身ペインの正体を探るべく雨隠れに潜入します。
そこで敵として小南と再会した際、自来也は攻撃を仕掛けてくる彼女に対し、「お前は三人の中でも格別優しい子だった…ワシの見る目は確かじゃ」と語りかけ、彼女が今の道を選んだことを心から嘆きました。小南は「アナタを殺す」と冷たく言い放ちますが、その表情には明らかな動揺が見て取れます。敵対関係にありながらも、その根底には決して消えることのない師弟の絆が確かに存在していました。



敵になっても、師匠の言葉に心が揺れるんは絆があった証拠やな…。もし違う道があったら…とか、色々考えてまうわ。
なぜ穢土転生されなかったのか?
第四次忍界大戦において、薬師カブトは「穢土転生」の術によって多くの猛者たちを蘇らせ、忍連合軍を苦しめました。デイダラ、サソリ、角都、イタチ、そして長門と、暁の主要メンバーのほとんどが転生させられたにもかかわらず、小南がその対象にならなかったことに、多くのファンが疑問を抱いています。その理由として、いくつかの説が有力視されています。
説1:遺体の回収が困難だった説
最も現実的な理由として挙げられるのがこれです。穢土転生を発動するには、術の対象となる人物の肉体の一部(DNA情報)が必要です。小南は雨隠れの里の広大な湖で死亡し、その亡骸がトビによってどう処理されたかは作中で一切描かれていません。トビが何らかの理由で処理したか、あるいはカブトが単純に発見できなかったため、転生させたくてもできなかった可能性は十分に考えられます。
説2:カブトにとって不確定要素だった説
小南は最期の瞬間に暁を完全に裏切り、トビ(オビト)に明確な敵意を向けて死亡しました。穢土転生は基本的に術者のコントロール下に置かれますが、うちはイタチが別天神で術の支配から逃れたように、強い意志や特殊な術を持つ者は、術者の命令に逆らう可能性があります。当時、カブトはトビと協力関係にあり、トビが明確に敵対した小南を蘇らせることは、トビの機嫌を損ねるだけでなく、自軍に予期せぬ混乱をもたらすリスクが高いと判断したのかもしれません。
説3:物語の構成上の都合という説
物語的な観点から見れば、彼女の物語はあの壮絶な最期で美しく完結しています。弥彦と長門の夢をナルトに託し、「柱」としての役割を全うして散っていった彼女を、再び穢土転生という形で登場させることは、その感動的な結末を蛇足にしてしまう恐れがあります。キャラクターの尊厳と物語の完成度を保つため、作者が意図的に登場させなかったという見方が最も有力と言えるかもしれません。
これらの理由が複合的に絡み合い、結果として彼女が再び戦場に姿を現すことはなかったと考えるのが自然でしょう。



色んな説があるんやな。でも、物語として綺麗に終わったからこそ、蘇らへんで良かったんかもしれへんな。そっとしといてあげたい気もするわ。
雨隠れの里の「天使様」としての役割


長門がペインとして雨隠れの里の頂点に立ち、恐怖による支配体制を確立して「神」となった後、小南はその神の意志を民に伝える唯一無二の存在、「天使」としての役割を担いました。
基本的に人々の前に姿を見せないペインに代わり、里の運営や外部との交渉といった実質的な為政者としての務めを果たしていたのは小南でした。彼女はペインの代行者として里人に神託を伝え、彼らから絶対的な崇敬を集めます。しかし、その統治は単なる恐怖政治ではなく、弥彦がかつて目指した「国を守り、民を安寧に導く」という意志が反映されていたと考えられます。彼女は、ペインの冷徹な支配と、里人たちの生活との間で、一種の緩衝材のような役割を果たしていたのかもしれません。
アニメのオリジナルエピソードでは、他里との交渉の際に、表向きはまだ半蔵が里を治めていると偽装するため、小南が変化の術で半蔵に成り代わって外交を行う場面も描かれています。このように、彼女はS級の実力を持つ戦闘員であると同時に、冷静な判断力と交渉術を兼ね備えた、優れた為政者としての一面も持っていたのです。



戦闘だけやのうて、里の運営までしてたんか!まさに才色兼備やな!里の人から『天使様』って呼ばれるのも納得やわ~。
まとめ:小南の死亡が物語に遺したもの
- 小南は暁の創設メンバーであり、ペイン(長門)を支えた唯一の女性
- 冷静沈着な仮面の裏に、弥彦と長門への海より深い愛情を秘めていた
- 雨隠れの里では「神」であるペインの使者「天使様」として慕われていた
- 弥彦と長門という二つの「架け橋」を支える「柱」となることが彼女の忍道だった
- 長門の死後、ナルトに未来を託し、暁を正式に脱退した
- 長門の輪廻眼を狙うトビから、友の遺体を守るために最後の戦いを挑んだ
- 死因はトビとの戦闘で胸を貫かれた後、幻術で情報を抜かれ殺害された
- 6000億枚の起爆札を用いた「神の紙者の術」でトビをあと一歩まで追い詰めた
- トビが使用した禁術「イザナギ」によって、人生を懸けた切り札を破られた
- 原作漫画での死亡は54巻の第511話「帰ってこよう」で描かれている
- アニメ疾風伝での死亡は第473話「平和への懸け橋」で描かれている
- 最期に見た虹を、ナルトという次世代の「希望の架け橋」であると確信した
- 自身の体を無数の紙に変える「式紙の舞」を駆使する屈指の実力者
- 穢土転生されなかったのは、遺体の場所が不明だった、などの複数の説が考えられる
- 彼女の死は、旧世代の夢と痛みがナルトという新世代へと確かに受け継がれたことを象徴している
- 小南の物語は、愛と犠牲、そして未来への希望をテーマにした、NARUTO屈指の悲劇であり美談である



こうして見ると、小南の生き様は本当に濃いもんやったんやな。悲しいけど、その想いはしっかり次に繋がっとる。改めてええ物語やわ。